【好投手列伝】神奈川県篇記憶に残る平成の名投手 3/5

平成の名投手

【好投手列伝】神奈川県篇記憶に残る平成の名投手 1/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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【好投手列伝】神奈川県篇記憶に残る平成の名投手 5/5 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

平野貴志(桐蔭学園)

2003年に選抜出場を果たした桐蔭学園は前年秋の秋季大会で神奈川大会、関東大会ともに横浜に敗れており、関東5番目の選出ではあったが、その実力は全国トップクラスであった。特にエース平野は決め球のスライダーのキレは天下一品であり、横浜のエース成瀬に安定感では引けを取らなかった。

選抜では初戦で福井の藤井(ロッテ)との好投手対決に。福井打線に2点を先制されるも、終わってみればわずか被安打2で完投し、逆転勝利を呼び込んだ。夏も横浜と対戦して接戦の末に敗れたが、全国屈指の実力を持つ好投手であった。

桐蔭学園 2003春 – YouTube

成瀬善久(横浜→ロッテ)

徳島商・平岡(巨人)、広陵・西村(巨人)、東洋大姫路・アン、遊学館・小嶋(阪神)など好投手が目白押しだった2003年の選抜大会だったが、制球力と安定感では横浜の成瀬(ロッテ)が頭一つ抜けていたのではないだろうか。相手打者の弱点を徹底してつけるコントロールと球持ちのいいフォームからボールのキレを武器に明徳義塾、平安、徳島商と優勝候補の打線を寄せ付けなかった。

1年下に剛速球を投げる涌井(楽天)がいたが、成長株の2年生に最後までエースナンバーが譲らなかった。最後は指の爪がはがれる不運もあって、決勝で広陵打線に打ち込まれてしまったが、本調子ならば決して同じ結果にはならなかっただろう。夏は給前擁する横浜商大に敗れたが、2003年を代表するサウスポーだったのは間違いない。

2003年選抜 横浜(成瀬)-平安(服部) – YouTube

給前信吾(横浜商大)

絶対的優勝候補だった横浜を下し、2003年夏の代表をつかんだエース右腕。決して強力とは言えない打線であり(7-9番は打率1割台)、打っても中軸を担う給前にかかる負担は大きかったが、決勝では給前が打ち、給前が投げて横浜相手に7-2と快勝した。

闘志を前面に出して投げ込むストレートは威力満点であり、甲子園でも前年Vの明徳義塾を相手に中盤まで無安打投球を展開。終盤に崩れてしまったが、王者を相手に堂々のピッチングを見せた。

激戦ブロック 2003年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

【熱闘甲子園】2003 ED 明徳義塾VS横浜商大 – YouTube

涌井秀章(横浜→西武)

2003年の選抜でエース成瀬とともに準優勝に貢献したが、新チーム結成以降は苦しんだ涌井。秋季大会で横浜隼人に7-8と敗れ(この頃から横浜隼人が台頭した感がある)、早くも選抜を逃すこととなる。しかし、臥薪嘗胆の冬を乗り越えて迎えた春季大会では前年秋に敗れた横浜隼人に10-0と雪辱。勢いに乗って関東大会を制し、V候補筆頭として神奈川大会に臨んだ。

その神奈川大会では4回戦で日大藤沢とぶつかる死のブロックに入ってしまう。この試合を5-4と接戦でものにすると、その後も桐蔭学園、桐光学園、横浜商大(田沢(レッドソックスなど)がエース)と強豪ばかりと激突。決勝の神奈川工戦も完封して代表の座をつかんだが、「定石ではエースは決勝まで2~3試合の登板に抑えたい(渡辺監督談)」状況下で、涌井は5試合丸々完投して甲子園に乗り込むこととなった。

その甲子園でも初戦で好左腕・片山(楽天)を擁する報徳学園とぶつかると、2回戦は京都外大西との延長戦の死闘、3回戦では明徳義塾との3度目の対決と涌井にとっては気の休まるところのない戦が続いた。そんな中でも先行を許した明徳義塾戦では中盤に相手の主砲・梅田を打ち取ってから見事なギアチェンジを果たし、140キロ台中盤の速球を武器に強者揃いの明徳打線を12人連続でアウトにする離れ業を演じた。

最大の強敵を倒し、いよいよ夏3度目の優勝かと思われたが、涌井はすでに疲労困憊に状態。雨で一日順延したことも、「連投の方がいいのに」という涌井にとってはあだとなったか。準々決勝ではこの夏優勝を果たす駒大苫小牧相手に、林のサイクルヒットを含む14安打を7回で喫し、いつもなら立ち直るはずの中盤以降も打ち込まれて涌井の夏は終わった。

この年は涌井以外の投手は力が劣る面も否めず、組み合わせの不運もあって、ベスト8で姿を消した。一方、この年に優勝を果たした駒大苫小牧はここから黄金時代を迎えることとなる。

【死闘!!】涌井、石川、福田率いる横浜VS明徳義塾。3度目の対決も死闘の結末!! – YouTube

中林伸陽(慶應義塾)

慶應義塾復活の流れを作り出した技巧派左腕。2004年の秋の関東大会では浦和学院と引き分け再試合の熱闘を演じ、関東5校目での選出となる。迎えた選抜本戦では4割打者を複数擁する関西、好投手・林(ロッテ)を擁する北信越王者の福井商と強豪校を立て続けに破り8強入り。準々決勝で神戸国際の強力打線につかまったが、低めの変化球を集める制球力は抜群であった。

さらに、夏も県大会予選で翌年選抜で優勝する横浜、秋の関東王者の東海大相模を次々に撃破。決勝で桐光学園打線に終盤つかまってしまったが、この年から伝統校・慶應の快進撃が幕を開けたと言っても過言ではないだろう。

2005年夏 4回戦 慶応vs横浜 – YouTube

川角謙(横浜)

2006年の選抜を強力打線で制した横浜。しかし、優勝を勝ち取った最大の要因はエース左腕・川角の成長だろう。決してスピード・球威に長けていたわけではないが、キレのあるボールをコーナーに投げ分けて試合を作り、味方打線の援護を我慢強く待った。初戦でいきなり近畿優勝の履正社とぶつかったが、土井(オリックス)ら強打者を擁する打線にも臆せず淡々と投げこみ、終わってみればわずか2安打で完封松勝利を挙げた。

2回戦以降はいずれも大量援護があり、八重山商工・大嶺(ロッテ)、早稲田実・斎藤(日本ハム)、岐阜城北・尾藤(巨人)、清峰・有迫と大会屈指の好投手たちに投げ勝った。大会前は西嶋、浦川との左腕3枚看板と言われていたが、大会終了時には押しも押されぬエースとなっていた。

横浜vs大阪桐蔭 2006年夏 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

第78回選抜高校野球大会 3/31 準々決勝 – YouTube

土屋健二(横浜→ロッテ)

2008年夏に4強入りを果たした横浜のエース左腕。神宮大会準優勝でV候補の一角として乗り込んだ選抜では北大津打線につかまってまさかの初戦敗退を喫したが、夏は粘りの投球でチームに勝利を呼び込んだ。力感のないフォームから繰り出す切れのあるストレートとチェンジアップを武器に、浦和学院・広陵と2桁安打を浴びながらも粘って完投勝ち。3回戦以降は調子を取り戻し、仙台育英・聖光学院と東北の常連校相手に好投を見せた。

また、投球以上にセンスが光ったのがその打撃。準決勝の大阪桐蔭戦では相手の西谷監督が要警戒するほどの実力を持ち、天性の長打力でホームランも量産していた。U-18の代表ではその打撃を買われて野手としても起用。投打ともにハイレベルな逸材であった。

【高校野球】 横浜ー仙台育英 – YouTube

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