大会ベストナイン(2003年夏)

2003年

右投手 飯島秀明(常総学院)

常総学院6-3智弁和歌山/常総がミスに乗じ得点 | ガッツ ...

1回戦 〇 2-1  柳ヶ浦

2回戦 〇 6-3  智辯和歌山

3回戦 〇 7-0  静岡

準々決勝 〇 5-1  鳥栖商

準決勝 〇 6-2  桐生第一

決勝 〇 4-2  東北

常総学院を選手権初優勝に導いたサイドハンド右腕。スピード・球威があるわけではないが、ストライクゾーンの横幅を広く使って、相手打者の狙い球を外す投球で、強打者を封じ込めた。前年夏には優勝した明徳義塾をあとアウト4つまで追い詰めたが、沖田・森岡(ヤクルト)の連続ホームランの前に散り、秋以降は不調に陥って背番号1も失った。しかし、甲子園を前に捕手・大崎との話し合いで腕の位置を下げたことで復活。甲子園前には、本来の調子を取り戻していた。

甲子園では2回戦の智辯和歌山戦から登場。3点リードの9回裏には、ランナー二人を置いてキャッチャーフライに打ち取りながらも、まさかの落球があり、直後のヒットで1アウト満塁のピンチとなってしまう。ここで打席には、4季連続出場の主砲・本田。しかし、飯島は冷静な投球でアウトコースのスライダーを振らせ、空振り三振!後続も打ち取り、大会序盤の優勝戦線を占う大事な試合を制した。

その後も、すべてリリーフでの登板となったが、準決勝では桐生第一の藤田、決勝では東北の横田とピンチの場面で相手の中軸を打ち取り、味方に流れを引き寄せる投球を披露。最後まで冷静さを失わずに投げぬき、見事に優勝投手へと輝いた。

3年夏の甲子園で負けた常総学院に「智辯は上野が3番やし楽勝」と思われてた…木内マジック。

左投手 服部大輔(平安)

大会No.1投手(2003年夏) 服部大輔(平安) | 世界一の甲子園ブログ

1回戦 〇 8-1  日大三

2回戦 〇 2-1  明徳義塾

3回戦 ● 0-1  東北

2年生ながら完成度の高い投球で3試合を投げぬいた技巧派左腕。選抜でも、その技巧的な投球で2勝を挙げていたが、夏はさらに磨きをかけてきた。ストレートはコーナーに、変化球はちょうど打者が手を出したくなる高さへ投じ、大事な場面では空振り三振を奪取。特に、ランナーを3塁に置いた場面でめっぽう強く、1回戦から3回戦まで毎試合、このシチュエーションで三振を奪った。

ただ、この大会は非常にくじ運が悪く、1回戦が一昨年の優勝校の日大三、2回戦が昨年の優勝校の明徳義塾と、いずれも強豪校を引き当てる結果に。この2試合をいずれも1失点で完投したが、やはり疲労がたまってしまった点は否めないだろう。

3回戦は前年秋の神宮で敗れていた東北との再戦に。ダルビッシュ(パドレス)との2年生エース対決は、互いに2桁を優に超す三振を奪う投手戦となったが、最後は延長11回に1年生の加藤にタイムリーを浴びてサヨナラ負け。大会序盤は好調だった打線も、ダルビッシュの前に2安打に封じ込まれ、ベスト8を目前に姿を消すこととなった。

【京都大会】2003年決勝 平安 対 京都外大西【高校野球】#甲子園

捕手 田島一憲(聖望学園)

28 田島 一憲(Kazunori Tajima) : 住友金属鹿島硬式野球部 後援会

2回戦 〇 17-4  香川西

3回戦 〇 7-3  天理

準々決勝 ● 1-2  江の川

初出場の聖望学園を8強へ押し上げた影の立役者。県大会では、エース松村の投球に注目が集まっており、準決勝では、好左腕・須永(日本ハム)を擁する浦和学院に2-1でサヨナラ勝ちを収めるなど、その実力が高く注目されていた。それだけに、甲子園に来ると想像以上の打棒爆発に岡本監督の目を丸くすることに。

中でも驚きの打撃を見せたのが、8番田島であった。2回裏、2アウト1,3塁のチャンスで打席に入ると、ベンチからは、少しでも気を楽にしようとエンドランを指示。これに応えた田島の打球はレフトスタンドへ飛び込む3ランホームランとなり、一気に試合の流れを引き寄せることに成功した。この試合で、田島はなんと3安打7打点をマーク。驚異的な記録で聖望学園の甲子園初勝利に貢献した。

そして、もちろん捕手としてもエース松村を好リードし、3回戦では名門・天理を相手に3失点にまとめ、初の8強へコマを進めた。この試合でも4回裏に同点タイムリーを放つなど、投打で絶好調。スタメン唯一の2年生がチームを力強く牽引した夏だった

【埼玉大会】2003年決勝 聖望学園 対 春日部共栄【高校野球】#甲子園

一塁手 松林康徳(常総学院)

マジックの裏側・木内野球を語り継ぐ>2003年夏優勝・松林 ...

1回戦 〇 2-1  柳ヶ浦

2回戦 〇 6-3  智辯和歌山

3回戦 〇 7-0  静岡

準々決勝 〇 5-1  鳥栖商

準決勝 〇 6-2  桐生第一

決勝 〇 4-2  東北

常総学院を初の選手権優勝に導いたキャプテン。名将・木内監督曰く「練習量では過去の選手で3本の指に入る」という努力の男は、才能豊かな選手が多く顔をそろえる強豪・常総において、堂々と4番の座について仕事を果たした。卓越した右打ちの技術に加え、状況に応じたクレバーな打撃が光り、甲子園6試合で18打数7安打3打点を記録。松林という「軸」がしっかりしていたからこそ、常総打線が機能したと言えた。

中でも、その活躍が光ったのが甲子園決勝。2点を追う4回表、1アウト2,3塁とチャンスで打席に入ると、木内監督に「甲子園のグラウンドは雨でぬかるまないように硬くされている」と言われたことを思い返し、叩きつける打撃で3塁ゴロを放つ。これが高いバウンドとなる間に、3塁ランナーがホームイン。東北高校の捕手・佐藤が「打たれたわけではないけど、痛い失点」と言ったように、相手にダメージの残る打撃となった。その後、8回表にも得意の右打ちでタイムリーを放ち、終わってみれば、松林のたたき出した2点が効いて4-2と勝利。泥臭く、かつクレバーに主砲の役割を果たしたのであった。

【高校野球】木内幸男さんを偲んで 常総学院(茨城)優勝 第85回全国高校野球選手権大会 #高校野球

二塁手 上本博紀(広陵)

1回戦 〇 3-0  東海大甲府

2回戦 ● 7-12  岩国

2回戦で姿を消したものの、2試合で6打数6安打4四球の10連続出塁はまさに圧巻の働きであった。選抜で21打数12安打の打率5割7分1厘と、優勝に貢献した2年生トップバッターは、春以降にパンチ力を身につけ、相手校にとっては手に負えない存在に。打席では足場を固め、上体の力をゆらゆらと抜いたか前から快打を連発して見せた。

初戦の東海大甲府戦ではいきなり先頭打者ホームランを記録し、山梨大会で10ホームランと新記録を作った相手のお株を奪う形で先制に成功。継投策で出てきた相手に対して、いずれもタイプの違う投手から5打席出塁をもぎ取り、1番打者としての役割を果たす。続く、2回戦の岩国は同じ中国地区ということもあり、相手バッテリーも上本のデータは持っていたはずなのだが、分かっていてもどうしようもないほどのバットコントロールと選球眼の良さで、大伴ー津山の岩国バッテリーを上回っていった。その後、早稲田大学ー阪神と進んで長く活躍した上本だったが、高校時代からその野球センスは飛びぬけていたと言えるだろう。

2003年第85回高校野球選手権 岩国 vs 広陵

三塁手 藤田敏行(桐生第一)

時空甲子園:時事ドットコム

1回戦 〇 9-2  神港学園

2回戦 〇 3-2  樟南

3回戦 〇 6-5  小松島

準々決勝 〇 5-4  岩国

準決勝 ● 2-6  常総学院

桐生第一を4年ぶりに全国上位に導いた主砲兼リリーフエース。その野性的な風貌から「ゴリ」の愛称で親しまれた強打者は、3番としてチームを力強く牽引した。初戦はいきなり開幕カードで、しかも相手は地元・兵庫の神港学園。相手方の応援が大半を占める状況の中、中盤に相手投手の変化球を豪快にとらえて、レフトスタンドへホームランを記録。2,3回戦はいずれも得点は1イニングのみながら、集中打による大量得点で、樟南・小松島と難敵を倒したのだが、ここでも藤田は毎試合マルチヒットを放つ活躍で、相手投手攻略の糸口を作った。

また、投げては先発・伊藤の後を受けて、毎試合リリーフで登板し、チームを救う。3回戦では小松島を相手に、終盤3回を速球主体の投球で無失点に。徳島県大会で鳴門工、徳島商と選抜出場校をいずれも逆転ホームランで下した強力打線を真っ向勝負でねじ伏せた。続く準々決勝では、岩国の追い上げに会い、5-1から5-4と追い上げを食らうが、雨による中断が味方し、再開後を抑えて1点差の逃げ切り勝ち。大事な局面で相手の攻勢を寸断し、投手としてもチームの「核」となる存在であった。間違いなく、2003年の選手権大会の主役の一人だったと言えるだろう。

【群馬大会】2003年決勝 桐生第一 対 前橋商 甲子園ではベスト4【高校野球】#甲子園

遊撃手 小窪哲也(PL学園)

PL学園13-1雪谷/PL学園が大勝 | 小窪がタイムリー ...

1回戦 〇 13-1  雪谷

2回戦 ● 2-4  福井商

2001年の不祥事を乗り越えて2年ぶりに甲子園の舞台に戻ってきたPL学園。1番主将としてチームを牽引したのが、巧打者・小窪であった。この年のPL学園は大阪府予選から厳しい試合が多かったが、準決勝の北陽戦では小窪の殊勲打で終盤に逆転勝ちを果たすと、決勝でも1点のリードを守り切り、優勝を決める。入学と同時に苦境に追い込まれた学年だったが、不死鳥のごとく蘇り、甲子園へ帰ってきた。

大阪府予選では流動的だった打線だが、甲子園に来ると、藤原監督は小窪を1番で固定。初戦は東京都立の雪谷が相手だったが、初回に小窪がいきなり巧みな右打ちで出塁。1回表の3点先行の流れを作り出すと、この試合で小窪は右へ左へ4安打を放つ大活躍を見せた。2番鈴木とともに恐怖の1,2番となり、13-1の大勝でPL復活を全国に高らかに宣言した。

続く2回戦では伝統校の福井商と激突。夏前の練習試合では勝利していた相手だったが、エース稗田は荒れ球が武器の打ちにくい投手であった。なにせ、右打者の背中を通るようなボールが来たかと思えば、次にはアウトローいっぱいに決まるのだが、右打者はなかなか踏み込むのが怖くなる。しかし、チームが5安打に封じ込まれる中、1点ビハインドの7回裏に小窪はインローの速球を見事にとらえて、レフトオーバーの同点タイムリーを放つ。プロ入り後も渋い活躍を見せることになる男の巧みな当時から健在であった。

惜しくも、この試合で敗退したが、2試合で8打数6安打の活躍は、そのリーダーシップと合わせて、ベストナインに選ばれるにふさわしいものであった。

【大阪大会】2003年 準々決勝 PL学園 対 大阪産大付【高校野球】#甲子園

左翼手 片岡陽太郎(東北)

17歳のダルビッシュ有が「どうしても投げたい」 東北高の先輩が ...

1回戦 〇 11-6  筑陽学園

2回戦 〇 3-1  近江

3回戦 〇 1-0  平安

準々決勝 〇 2-1  光星学院

準決勝 〇 6-1  江の川

決勝 ● 2-4  常総学院

エース・ダルビッシュ(パドレス)をはじめとして、1番家弓・3番大沼・4番横田・6番加藤、そしてリリーフの真壁・采尾と下級生が多く出場していた2003年度の東北。こういう時に上級生と下級生の間を取り持つ仕事は、非常に胆力がいるのだが、見事に全うしたのが主将・片岡であった。特に、ケガが多く、なかなか思うように練習できなかったダルビッシュと3年生の間に決定的な亀裂が生まれなかったのは、片岡の献身的な姿勢のおかげだったと言えるだろう。

また、プレーヤーとしても、下位打線の攻撃の起点となり、広角に打ち分ける打撃で22打数7安打を記録。決勝では先制点をたたき出すファースト強襲のタイムリー2塁打を放ち、東北が先行する流れを作り出すことに成功。2年生エースを鼓舞する、価値ある一打を放った。打順が隣り合わせになることの多かった1年生の加藤も、片岡がいることで精神的に楽になったことは間違いないだろう。選手権初の決勝進出は、才能あふれる2年生を支えた、片岡をはじめとする3年生が成しえた仕事であった。

第85回 江の川vs東北

中堅手 泉田正仁(常総学院)

2003年夏の甲子園回顧 天候と同様、実力校が次々と姿を梢す波乱 ...

1回戦 〇 2-1  柳ヶ浦

2回戦 〇 6-3  智辯和歌山

3回戦 〇 7-0  静岡

準々決勝 〇 5-1  鳥栖商

準決勝 〇 6-2  桐生第一

決勝 〇 4-2  東北

この年の常総・木内マジックの要となったのが、攻撃型2番の泉田である。甲子園で24打数11安打と大暴れを見せることになるのだが、その活躍は茨城県大会から凄まじいものがあった。県大会決勝で対戦した藤代は2年生エース美馬(ロッテ)と巨漢捕手・新岡の好バッテリーを中心に春夏連続出場を目指す好チーム。ここ3年で2度の選抜出場を決めており、常総の牙城を崩さんとする、新興勢力であった。実際、エース飯島の不調もあり、この1年のトータルで見ると、藤代に分があるとの見方も多かった。

しかし、試合が始まると、いきなり常総が先手を奪う。1回裏、1番平野が出塁すると打席には2番泉田。犠打、盗塁、エンドランなど多くの選択肢がある場面だったが、ここで常総・木内監督の策は強攻策。このサインに応えた泉田はインハイの速球を豪快なプルヒッティングでとらえ、レフトスタンドへ飛び込む先制2ランに!右方向への打撃がセオリーとされるところもある中でのこの打撃は、藤代バッテリーの思考回路を狂わせるには十分なものだっただろう。7-1とワンサイドで勝利をおさめ、3年連続の甲子園出場を決めた。

その後、甲子園では不調だった1番平野に代わってチャンスメークの役割を果たし、ほぼ2打席に1回は出塁して、坂(阪神)・松林の中軸に繋いでいく。打撃好調な泉田に対し、木内監督もほとんど犠打のサインは出さず、常総の攻撃は常に1イニング複数得点の気配を漂わせていた。名将に取手二時代以来となる夏のタイトルをもたらした殊勲者の一人だったと言えるだろう。

【茨城大会】2003年決勝 常総学院 対 藤代 木内監督勇退の年【高校野球】#甲子園

右翼手 田中隆彦(光星学院)

木更津総合1-3光星学院/序盤の好機生かす | スポーツ ...

1回戦 〇 6-3  必由館

2回戦 〇 3-1  木更津総合

3回戦 〇 2-0  倉敷工

準々決勝 ● 1-2  東北

光星学院を夏3度目の8強に導いた主砲。過去2回は攻撃力の高さが自慢だったが、この年の光星学院はエース桑鶴を中心としたディフェンスに定評のあるチームだった。そんな中、勝負強い打線の中核を担っていたのが4番田中。初戦は必由館の機動力野球の前に、序盤は劣勢を強いられていたが、7回に相手投手の乱れに乗じて一気に攻め立てる。田中も冷静に四球を選び、無死満塁とすると、5番森野の走者一掃打が飛び出し、初戦を逆転勝ちで制した。

すると、これで勢いに乗った光星学院は、田中の活躍に乗って快進撃を続ける。2回戦は木更津総合のエース小泉から3回表に中押しの2点タイムリーを放つと、3回戦では同じく好右腕の倉敷工・陶山から先制タイムリー。いずれも左打席からのシュアな打撃で、チームに流れを呼び込んだ。準々決勝で東北高校とのみちのく対決に敗れたが、直近4年間で3度目となる8強入りは、光星学院が完全に強豪校としての地位を築き上げたことを証明する成績であった。

 

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