尽誠学園・伊良部(ロッテ)、沖縄水産・上原(中日)、常総学院・島田(横浜)、帝京・芝草(日本ハム)らのちにプロで活躍するエースが多く登場した1987年夏。しかし、そのメンバーの中でも一目置かれる存在だったのが、東亜学園のエース川島堅(広島)であった。流れるようなフォームから繰り出す快速球を武器に相手打者をきりきり舞いさせ、チームを初の4強入りに導いた。
ストレートのスピードもさることながら特筆すべきはその制球力で、本大会で34イニング連続無四球という信じられない記録を打ち立てた。アウトローの低めに伸びる速球を前に、相手打者はわかっていてもなかなか手が出なかった。最後は準決勝で常総・島田との投げ合いに味方のエラーもあって敗れたが、先に勝ち上がっていたPLのメンバーに「東亜の川島が来た方が嫌だった」と言わしめるほどの投手であった。
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