神宮V腕を攻略した伝統校
2005年の選抜大会は神宮ファイナリストの柳ヶ浦、愛工大名電に前年夏の覇者の駒大苫小牧を加えた3校がV候補に挙げられ、その後を力のある関東勢(東海大相模/修徳)、近畿勢(神戸国際大附/天理)が追う展開が予想された

前年秋の神宮大会を制覇し、優勝候補筆頭に挙げられていた柳ヶ浦。1年時から公式戦に出場していたエース山口俊(横浜―巨人)が絶対的エースとなり、九州大会・神宮大会をほぼ一人で投げぬいて85回投げて83奪三振の成績。防御率も1点台と安定感抜群だった。打線もチーム打率こそ高くないが、神宮大会では各地区の優勝校相手に8点、7点、8点と点の取れる打線であることを証明した。

その柳ヶ浦の初戦の相手は名門・天理。前年夏の甲子園でベスト8入りしたメンバーを複数擁し、秋の近畿大会でも4強入り。真井・田中克を中心とした強力打線には定評があり、侮れない相手とされていた。投手陣は左横手のエース小倉が成長。コントロールが良く、試合を作る能力にたけていた。
大技小技で揺さぶり成功!
2005年選抜1回戦
柳ヶ浦
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | × | 4 |
天理
柳ヶ浦 山口
天理 小倉
さて、山口の初回。力士だった父親譲りの四股をマウンドで踏み、威圧感十分。立ち上がりから140キロ台後半の速球を連発し、初回を無難に0で切り抜ける。
しかし、2回表に天理に足で揺さぶられる。5番橋間が四球で歩くと、盗塁・犠打で3塁に進み、ここで監督の息子の森川がスクイズ成功。試合巧者の天理にノーヒットで1点を先行される。
さらに、4回裏。天理の打席には3番真井。山口と同じく1年生から甲子園を経験している男は真っすぐにめっぽう強く、山口のストレートだけを狙っていた。完璧にとらえた辺りはライト線を破る3塁打。ここで4番田中克がきっちり犠飛を打ちあげて2点目を手に入れる。
一方、序盤に再三塁上をにぎわせたのは柳ヶ浦の方。しかし、天理の左腕・小倉の丁寧な投球でなかなかホームまで返すことができず、0行進が続いていく。
そうこうするうち、6回裏には2番高田が失策などで3塁に進み、ここで再び田中克が犠飛。中軸がきっちり仕事を果たして点差を3点に広げる。
6回以降は柳ヶ浦がランナーもなかなか出せなくなってくる中で、天理は8回は力攻め。山口のストレートにも慣れてきた中でしっかりボールを見極め、最後は満塁から6番巨漢の東が押し出し四球。決定的な4点目を手にする。
結局小倉は自軍が放ったのと同じ9安打を浴びながらも、1四死球与えたのみで完封勝利。打線も効率の良い攻めを見せて初戦を完璧な内容で勝利した。
まとめ
天理は2戦目も一迫商に19-2と大勝。準々決勝で優勝した愛工大名電に力前けしたが、夏春連続で8強入りを果たした。不祥事などで甲子園から遠ざかっていたころの雰囲気は完全に払拭したことを物語っていた。
一方の柳ヶ浦は力勝負を挑みながらもうまい攻めで投打ともに完敗の内容。夏は大分大会準決勝で別府青山に惜敗し、結局甲子園で1勝はならなかった。しかし、山口自身は横浜に進み、ストッパーとして重いストレートを武器に君臨。その後、巨人に移籍してからも最多勝獲得にノーヒットノーラン達成など印象に残る活躍を見せた。


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