準優勝校を苦しめた東北の伝統校
1999年夏の選手権大会の2回戦。ともに久々の出場ながら地力のある2校が3回戦進出をかけてぶつかることとなった。

岡山理大付は夏は実に19年ぶりの出場だったが、前年の選抜で中軸を打っていた西川・森田が残っており、脇を固める面々も大北・松下・馬場・森北と実力者が揃っていた。またエース早藤は故障を抱えてはいたものの、速球に伸びがある好投手であり、控え投手の陣容も豊富。投打ともに実力は全国クラスであった。

一方、学法石川は1993年以来6年ぶりの出場。日大東北の4連覇を阻止し、代表の座を奪い返した。鶴渕、湯田の両右腕投手が安定し、打線も機動力豊か。1983年夏には16強入りを果たしたこともある伝統校が復活を期して、聖地に戻ってきた。
シーソーゲームに決着をつけた主将の一打
1999年夏2回戦
学法石川
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 |
| 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1× | 5 |
岡山理大付
学法石川 鶴渕→湯田
岡山理大付 早藤

試合前の予想では、打力の差で岡山理大付に分があると思われていた。学法石川としては相手の主砲・森田を打たせずに、なんとか接戦でチャンスを見出したいところであった。
しかし、予想に反して試合は序盤から接戦となる。岡山理大付が2回裏に5番馬場の2塁打を足掛かりに失策がらみで先制点するも、3回表に学法石川はエース鶴渕の2塁打から1アウト3塁のチャンスを作ると、1番真野目がセーフティースクイズ。これが内野安打となって同点になると、2番橋本が見事な流し打ちでライト前タイムリーを放ち、試合をひっくり返す
このまま学法石川ペースかと思われたが、やはり岡山理大付の打線はいい。この日は吉備のドカベンこと4番森田には当たりが出なかったが、脇を固める好打者たちが仕事をする。4~6回まで毎回得点。大北、松下の1,2番コンビや下位の6番主将森北、2年生スラッガー河としぶとくセンターに返す打者が揃い、学法石川の先発・鶴渕を攻略していく。
劣勢に立たされた学法石川は7回から2番手の右腕・湯田にスイッチ。この湯田が岡山理大付の攻撃を断ち切ると、8回に学法石川が反撃を開始する。
まずは、この日すでに2安打を放っていた3番長谷川がライトスタンドへ豪快に叩き込み、3-4と1点差に。さらに、4番白石の内野安打を足掛かりに1アウト3塁のチャンスを作ると、この日2度目のスクイズを鈴木が決めて同点。大技小技を絡めた攻撃で再び試合を振り出しに戻すことに成功した。
4-4のまま試合は最終回へ。しかし、9回裏、プレッシャーのかかるイニングで湯田が乱れてしまう。3番西川の内野安打から始まり、ボークや暴投などで無死満塁のピンチを招く。最後は主将の森北がライト前に逆らわずにはじき返して勝負あり。5-4で岡山理大付が夏の甲子園初勝利を挙げた。
まとめ
この一勝で勢いに乗った岡山理大付は快進撃。選抜準Vの水戸商業、好投手・福沢(中日)を擁する滝川第二、強打の智辯和歌山と前評判の高いチームを次々破って準優勝を達成。決勝で桐生第一に大敗したとはいえ、岡山県勢の夏の最高成績を塗り替える快挙を成し遂げた。
一方、学法石川は川越(オリックス)を擁した1991年以来の勝利はならず。1990年代は甲子園にたびたび顔を出していたが、この大会を最後にしばらく甲子園から遠ざかった。しかし、仙台育英で一時代を築いた名将・佐々木監督を招聘すると、2024年の選抜で久々の出場を達成。優勝した健大高崎と対戦して初戦敗退に終わったものの、粘り強い戦いで食らいつき、善戦を見せた。


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