東洋大姫路vs桐生第一 2006年夏

2006年

V経験校同士のハイレベルな攻防

強豪校が数多く登場し、初戦から接戦・逆転試合が続いて、見どころ満載だった2006年の選手権大会。北の王者・駒大苫小牧をどこが止めるのか注目される中、3回戦で夏の甲子園優勝経験を持つ強豪同士のマッチアップが実現した。

東洋大姫路、決勝で九回逆転サヨナラ|88|兵庫の高校野球|神戸 ...

東洋大姫路は5年ぶりの甲子園出場。乾(日本ハムー巨人)・飛石を強力打線が支える形で兵庫大会を順当に勝ち上がると、決勝では、選抜ベスト8の神港学園と対戦。取っては取られの好ゲームとなった試合は、1点ビハインドの9回に、3番林崎(日本ハム)、5番柏原のタイムリーで2点を奪って逆転サヨナラ勝ち!劇的な幕切れで全国への切符をつかみ取った。

本大会では2回戦から登場。エース乾が縦に大きく割れるカーブを武器に好投。中盤に、林崎のタイムリー2塁打などで相手の2年生エース石合を攻略して4点を奪うと、後半の甲府工の猛追をなんとか振り切り、4-2で初戦突破を果たした。

群馬大会】2006年決勝戦 桐生第一 対 前橋工 常連校対決【高校 ...

対する桐生第一は2年ぶりの甲子園出場。当時の群馬県は、まだ健大高崎や前橋育英は台頭しておらず、前橋工や前橋商らの公立勢と桐生第一が覇権を奪い合っていた。群馬大会では、準々決勝まで危なげなく勝ち上がると、東農大二・樹徳といった強豪の挑戦を退けて決勝へ進出。決勝では前橋工との延長13回にわたる死闘を制し、サヨナラ勝ちで聖地行きを決めた。

甲子園初戦で佐賀商業と対戦。序盤ビハインドを背負ったが、徐々に佐賀商のサイドハンド・大隈を攻略。8回に満塁から鹿沼の走者一掃の3点逆転2塁打で6-5と土壇場でうっちゃった。投手も射越から鹿沼への継投が見事に決まり、見事な逆転勝利となった。

主砲の一撃で奪った主導権

2006年夏3回戦

桐生第一

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 0 0 0 0 1 0 0 2
1 1 1 0 1 0 0 1 × 7

東洋大姫路

 

桐生第一     射越→真下→鹿沼

東洋大姫路    飛石→乾

桐生一2-5東洋大姫路/飛石、乾の継投で逃げ切る | スポーツ ...

桐生第一は、群馬大会から甲子園初戦まで射越→鹿沼の両右腕の継投で勝ち上がっており、この試合も先発は射越。一方、東洋大姫路は初戦で完投勝利のエース乾に代わって、左腕・飛石が先発。乾ほどの球威はないが、抜群のコントロールを武器とする技巧派左腕だ。

1回表、桐生第一の攻撃を飛石が3人で片づけると、その裏に東洋大姫路が先取点を奪う。2アウトランナーなしで打席には3番林崎。この2006年世代で播州地方で知らない人はいないという屈指のスラッガーが、射越のアウトハイの速球をとらえると、打球は悠々とバックスクリーンに到達する先制ホームランに!例年、守りが光るチームカラーの東洋大姫路だが、この年は攻撃力にも一定以上の自信を持っていた。

2回表、試合巧者の桐生第一は打撃妨害に四球、暴投と姫路の内野陣にバッテリーに立て続けにミスが飛び出し、無死2、3塁とチャンスを作るが、6番射越の内野ゴロの間に3塁ランナーの伊藤がホームを突くものの、タッチアウトに。さらに7番渡辺のスクイズも失敗と攻撃がなかなかかみ合わない。その後、四球で満塁となってから飛石の暴投で追いつくものの、さらなるチャンスで一本が出ず、飛石に立ち直りのきっかけを与えてしまう。

すると、その後の東洋大姫路の攻撃を射越が止めることができない。2回裏、5番柏原の2塁打と6番岡の犠打でチャンスを作ると、9番水田のタイムリーで勝ち越しに成功。3回裏には5番柏崎、5回裏には3番林崎にタイムリーが飛び出し、リズムよく得点を重ねていく。

5回裏にも2番香月、3番林崎の連打で1点を追加する一方、飛石は2回に1点は失ったものの、桐生第一の粘り強い打線を5回まで無安打に封じる。スローカーブ、スライダーで緩急をつけ、絶妙なコースにボールを投じるため、巧者揃いの桐生の打者をもってしてもなかなかヒットゾーンに飛ばすことができなかった。

それでも、後半戦になってヒットの出始めた桐生第一は7回に上位打線がつながり、4番伊藤の犠飛で1点を返すと、東洋大姫路は8回から乾がマウンドへ。いきなり先頭の射越に2塁打を打たれるも後続をカーブで確実に打ち取り、試合を締める。8回裏にも単打に犠打を絡めて加点した東洋大姫路は、最終回の桐生の反撃を乾がしっかり封じ込めて、5-2で逃げ切り勝ち。夏の大会では1986年以来実に20年ぶりとなる8強進出を決めた。

まとめ

実は兵庫県勢は、前年まで4年連続初戦敗退と苦戦が続いていた。激戦区を勝ち抜いた疲れとくじ運のなさで連敗していたが、2人の好左腕と上位下位切れ目のない打線を持つ東洋大姫路がこの流れを止めることに成功。準々決勝では北の王者・駒大苫小牧を苦しめ、印象に残る好チームだった。

一方、桐生第一も押されっぱなしの展開の中、各イニングを最少失点えしのぎ、このスコアに持ち込むあたりはさすが。2回戦の逆転劇も含め、実に粘り強い戦いぶりであった。1999年の全国制覇をはじめとして、1990年代から2000年代は、まさに桐生第一が一時代を築いた期間であった。

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