独断と偏見で選ぶ、2018年夏にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム 

2018年

高知商(高知)

1 北代 10 山中
2 乗松 11 尾崎
3 山崎 12 山田
4 藤田 13 中内勇
5 西村 14 水田
6 浜田 15 中内大
7 藤高 16 田嶋
8 近沢 17 真城
9 前田 18 藤尾

強打さく裂、黒潮打線の痛快な夏

1990年代まで常連校として君臨していた高知商。特に1970年代後半から1980年代にかけては、名将・谷脇監督の元、数々の好投手を擁して、幾度も甲子園を沸かせてきた。高知商のエースと言えば、そのほとんどがプロ入りを果たしたものである。しかし、1990年代後半から明徳義塾が台頭すると、高知商は甲子園から遠ざかることとなる。

明徳義塾が不祥事で一時期衰退することもあったが、今度はライバル高知が若き指揮官・島田監督のもとで力をつけ連続出場を果たす。時代は明徳義塾・高知の2強対決となり、21世紀に入ってからの高知商の出場は2006年夏のみであった。

そして、2018年夏も大本命は神宮王者に輝いた明徳義塾であった。ところが、その明徳を高知大会決勝で高知商が圧倒する。明徳のエース市川(ヤクルト)に対し、高知商打線は切れ目のない打線が集中打を浴びせてなんと10得点。伸びのある速球もスライダーもコンパクトなスイングで次々打ち返した。特に1年生ながら2番に入った西村の活躍が鮮烈であった。また、エース北代も最後の夏に制球力が増し、明徳の馬淵監督を「四死球をくれなくなった」と嘆かせた。

強敵を10-2と大差で下しての甲子園出場。「おらが町」のチームの出場に、県民の期待は自然と高まっていった。

1回戦

山梨学院

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 8 1 2 0 0 12
0 1 2 4 0 4 3 0 × 14

高知商

高校野球 100・山梨学院 × 高知商・大会2日目 第1試合 8 月 6 日 ニュース TBS – YouTube

1回戦、早くも高知商の「黒潮打線」がその猛威を発揮する。山梨学院の好左腕・垣越(中日)に対し、3番乗松の3ランなどで4回までに7点を奪取。直後にエース北代が山梨学院打線の猛反撃に合い、逆転を許すが、その後も取っては取られの大乱打戦を展開する。期待の1年生2番西村は全打席出塁の活躍を見せ、ホームランを放った4番藤高を中心にスタメンのうち6人がマルチヒットを放つ猛打を見せた。7回にこの試合5度目となる逆転劇を見せた高知商が14-12で山梨学院との接戦をものにしたのだった。

 

2回戦

高知商

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 7 0 4 0 0 0 0 0 12
2 0 0 0 2 0 0 0 2 6

慶応

野球が好きだから‼2018年高知商業 主将山中 – YouTube

続く2回戦は春夏連続出場の慶応と激突。1点を先制した直後に慶應に北代が5安打を浴びるが、外野手の2度にわたる好返球で失点を2にとどめる。すると、直後の2回表にまたも2番西村がタイムリーを放って逆転すると、この回打者一巡の猛攻で一挙7得点。下位に回っても全く穴のない強力打線が慶應の生井・渡邉のW左腕から4回までに計12得点を挙げ、試合を一気に決めてしまった。2試合で28安打26得点の豪打で全国を席巻した高知商の姿にオールドファンも大喜びだっただろう。

 

3回戦

済美

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 1 0 2 0 0 3
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1

高知商

【隣県対決!】済美VS高知商【100回甲子園3回戦】 – YouTube

さらなる上位進出を狙った高知商だったが、その行く手を阻んだのは同じ四国の済美であった。2回戦の星稜戦で劇的なサヨナラ勝利を飾っていた済美は、エース山口がアウトコース主体の丁寧な投球で高知商打線の勢いを寸断。乗りに乗っていた2番西村もさすがに徹底マークにあい、初回の2塁打1本に封じられた。高知商もエース北代がこの夏一番の投球で済美打線を3点に抑えたが、一歩及ばず。快進撃に沸いた高知商の夏は3回戦で幕を閉じた。

しかし、常連・強豪を次々2桁得点で打ち破った戦いはインパクト絶大。この戦いを見た野球少年が高知商に入学し、再び黒潮打線が全国を沸かせる日はきっとやってくるはずだ。

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