2025年1月26日に第97回選抜高校野球出場校が発表されました。
今から楽しみすぎますね!
北海道地区
東海大札幌(北海道) 10年ぶり7回目
準優勝を果たした2015年以来の出場となる。現校名に変更してからは初めての甲子園だ。矢吹、高橋の左右2枚看板が好投を見せ、北海道大会では5試合をわずか5失点にまとめた。2人とも速球に力があり、大量失点の心配がないのが強みだ。打線は積極性と機動力を武器に大量点こそないものの、常に先手を取っていく野球で相手にリズムを与えなかった。好投手・大沢を擁した2015年と同様に守り勝つ野球で上位進出を狙う。
東北地区
聖光学院 3年ぶり7回目
投打に細かい野球を徹底し、THE・聖光学院と呼べる野球で秋の東北大会を制した。特に接戦を制した仙台育英との試合はまさに真骨頂。相手投手陣のちょっとした乱れに乗じ、押し出しなどで着実に加点。県大会でなかなか自分の投球ができなかったエース大嶋もねばり強い投球でリードを守り切り、大一番を制した。名将・斎藤監督のもと、円熟味を増した野球で、選抜初優勝を狙う。
青森山田(青森) 2年連続4回目
昨年は春夏ともに上位に進み、同校の歴史を塗り替えた一年となった。新チームになっても、強さを維持し、東北大会では準優勝。安定した野球で勝ち抜いた。下山、菊池統と昨年の甲子園を経験した右腕が守る投手陣は失点が計算でき、打線も菊池伊、伊藤などタレントが揃う。新チームの結成が遅れた影響で細かいところは詰められていない部分もあったが、一冬を超えて解消されていれば、一気に優勝争いに名を連ねそうだ。
花巻東(福島) 3年ぶり5回目
東北3校目の選出で、夏春連続となる甲子園出場。昨夏は49校目の登場で本領を発揮できず敗退したが、今回はそのリベンジに燃えている。1年生で4番を務めた古城が残っており、打線の軸は全く心配ない。投手陣も本格派右腕の金野、技巧派左腕・万谷の2人がまかない、大量失点はないだろう。花巻東らしい機動力を絡めた野球が出せれば、甲子園でも上位進出が見えてきそうだ。
関東・東京地区
横浜(栃木) 6年ぶり17回目
あの松坂大輔(西武)を擁した1998年以来となる公式戦無敗での神宮制覇を達成。1年生ながら末恐ろしいボールを投げる右腕・織田と安定感のある左腕・奥村頼の2人が中心の投手陣は全国でもトップクラスの陣容を誇る。この投手陣からは取れても3点までと考えた方がいい。打線も上位打線を中心にタレントが揃い、村田監督になって横浜伝統の細かい野球も戻ってきた感がある。2度目の公式戦無敗yearに向け、まずは選抜制覇を目指す。
健大高崎(群馬) 3年連続8回目
エース石垣を中心に選抜連覇を狙い、甲子園に乗り込む。石垣はこれで3季連続の大舞台となる。球速の出やすい球場だったとはいえ、最速158キロというスピードは今大会出場校中でも頭2つ抜けた存在と言える。昨年の選抜優勝投手の左腕・佐藤はTJ手術を受けるため登板はできないが、同じく左腕の下重が控えており、石垣の負担を軽減できる。攻撃陣は、関東大会3試合で25点をたたき出したように今年も強力。連覇に向け、陣容は整ってきている。
浦和実 初出場
春夏通じて初の甲子園をつかんだ浦和実。原動力はエース左腕・石戸の好投だ。体を折り曲げたような独特なフォームから繰り出す速球は120キロ台なのだが、手元でピュッとキレる球質のため、打者のバットが差し込まれる。初見での攻略はなかなか難しく、横浜の強力打線も3点に封じ込めた。打線は派手さはないが、先取点を取って守り切る展開に持ち込めれば、勝つ可能性は十分にあるチームだ。
千葉黎明 初出場
強豪ひしめく激戦区から初めてとなる甲子園出場を達成。拓大紅陵で甲子園出場経験のある中野監督は、2004年の選抜で屈指のディフェンス力を見せた名捕手だった。彼の頭脳を活かし、着々とチーム力を増してきたのは、想像に難くない。田代、米良、飯高、岩下と多士済々な面々が揃う投手陣で継投し、打線の築いたリードを守るのが勝ちパターンだ。まだまだ伸びしろが多くあるチームで有り、本戦ではさらにパワーアップした姿を見せたいところだ。
山梨学院 4年連続8回目
これで4年連続となる強豪校。秋の関東大会では東海大相模との強豪対決を制し、8強入りを果たした。一昨年は県勢初の全国制覇、昨年も8強入りとここ2大会はしっかり結果を残している。投手陣を中心にディフェンス力が高く、選抜で勝ちやすいチームカラーと言えるだろう。長身右腕・菰田を中心に投打にタレントが揃っており、今大会で3年連続の上位進出なるか、名将・吉田監督の手腕も楽しみだ。
二松学舎大付(東京) 2年ぶり8回目
2010年代からすっかり東東京の常連組となった二松学舎大付。今年も強力打線は健在で1試合平均8点を超す得点をたたき出し、ライバル校を退けてきた。1番ショートの入山はパンチ力のある好打者であり、試合開始から相手バッテリーに圧力をかけていく。投手陣も河内紬、及川、甲斐と持ち味の違う複数の投手を擁し、連戦にも不安はない。前回は広陵・高尾の前に無念の完封負けだったが、今年は本領発揮といきたいところだ。
早稲田実(東京) 8年ぶり22回目
夏の甲子園を沸かせたメンバーが多く残り、投打に充実した戦力で再び甲子園に乗り込む。エース左腕・中村は夏の東東京大会では、不安定な投球だったが、甲子園の鶴岡東戦でタイブレークでの完封勝利を挙げ、一皮むけた印象だ。持ち味の切れと緩急を活かした投球で、新チームからはエースとしての貫禄を見せてくれた。4番捕手の山中も5割近い打率でエースを援護。サヨナラ負けを喫した昨夏のリベンジを果たし、8強以上の成績を狙う。
北信越地区
敦賀気比(福井) 5年連続12回目
これでコロナ明けから5年連続の出場となる、常連校。秋の北信越大会での強さは群を抜いている。菅田→五十子のリレーが定着した投手陣は東監督の継投のタイミングも冴え、要所で相手にリズムを渡さずに戦い抜いた。打線も4番小林を軸に敦賀気比らしいシャープなスイングで、4試合27点をたたき出した。決勝で最終回に大逆転劇を見せたように集中打が光る。組み合わせに恵まれず(常総学院、広陵、大坂桐蔭、明豊)、4年連続で初戦敗退となっているが、一つのきっかけで一気にブレイクスルーとなる可能性を秘めたチームだ。
日本航空石川 2年連続4回目
2年連続の出場となる石川の強豪。昨年から主戦格の蜂谷を中心に投手陣は鉄壁だ。右腕・長井も台頭し、北信越大会では準決勝までの3試合で失点はわずか2。両投手とも140キロ台の速球と変化球を安定して低めに集め、大崩れはしない。打線は目立った選手はいないものの、準々決勝の福井工大福井戦で代打・木村が逆転サヨナラ打を放ったように、ベンチ入りメンバーまで層が厚い。昨年は常総学院との投手戦の末に0-1で惜敗したが、今年はその借りを返したいところだろう。
東海地区
大垣日大(岐阜) 2年ぶり6回目
名将・阪口監督が退任後、高橋監督になって初の甲子園出場。谷之口、中野の左右2枚看板を中心に投手陣が安定しており、準々決勝では中京大中京との優勝候補同士の大一番をタイブレークでものにした。投打に安定感があり、堅守・犠打・走塁と基本ができているため、非常に負けにくい。実戦向きのチームと言えるだろう。初出場で準優勝、2010年にも4強入りと相性のいい選抜で3度目の上位進出を目指す。
常葉大菊川(静岡) 2年ぶり6回目
2007年の選抜優勝時の正捕手だった石岡監督になり、2度目の選抜出場となる。前回出場時は専大松戸・平野の前に3-0と完封負けを喫したが、今年は一度劣勢になってもひっくり返す攻撃力を持つ。昨年からのmemberが多く残っていることも強みであり、エース大村や核弾頭・橘木と投打で軸になる選手もそろっている。石岡監督が選手の時とは、チームカラーは大きく変わったが、令和の常葉菊川の野球で、今年は勝利をつかみ取りたい。
至学館(愛知) 8年ぶり2回目
麻王監督が指揮していた2017年以来となる選抜出場。鈴木監督になってからは初めての出場権をつかんだ。東海大会ではしびれる試合が続いたが、聖隷クリストファーとの準々決勝ではエース尾崎の好投で投手戦を制し、2-0で完封勝ちを収めた。準決勝では常葉大菊川との接戦に敗れたが、この試合でも堅守や手堅い攻撃など、持ち味は存分に見せた。開幕戦で惜敗した前回出場時のリベンジを果たすべく、まずは初戦突破を目指す。
近畿地区
東洋大姫路 3年ぶり9回目
名将・岡田監督が就任し、3年の時を経て、近畿王者として甲子園に帰ってきた。絶対的エース阪下を中心としたディフェンス力をベースに、岡田イズムを注入した攻撃量がアップし、リニューアルした東洋大姫路の野球を見せる。阪下は140キロ台中盤の速球に加えて、多彩な変化球を自在に操り、相手打線を見ながら、投球の中身を変えることができる。打線は、木村、見村など上位に左打者が多く並び、長打力も秘める。右打者で、神宮大会で一発を放った5番ショート高畑の役割がカギを握りそうだ。
智辯和歌山 2年ぶり16回目
昨夏に続き2季連続の甲子園出場。2021年の全国制覇を最後に甲子園では3連敗中だが、投打にタレントの揃った今年のチームには中谷監督も自信を見せる。昨夏の甲子園でも登板したエース渡辺と剛腕・宮口の2枚看板はともに最速150キロを超す本格派。打線では、こちらも昨年からスタメンを張る2番福元が近畿大会で2打席連続ホームランと力を発揮した。ここ数年は力がありながら、甲子園でうまくいなされてしまっている印象があるが、今大会でその流れを払拭したところだ。
市立和歌山 3年ぶり9回目
市立和歌山は3年ぶりの選抜出場。2021年の小園(DeNA)、2022年の米田のような超高校級の選手はいないが、同校らしく堅守を武器にしっかり守り切る野球で近畿4強まで駆け上がった。エース土井は驚くような球速はないが、丹念にコーナーを突く投球が光り、バックも堅守でリズムを生み出す。その流れに乗って、集中打が出た準々決勝の立命館宇治戦は理想の試合展開でコールド勝ちを収めた。選抜でも持ち味を発揮し、まずは初戦突破を目指す。
天理(奈良) 3年ぶり27回目
伝統校が3年ぶりに選抜切符を獲得。昨夏は優勝候補に挙げられながら、智辯学園との強豪対決で打線がつながらずに苦杯をなめたが、秋は投手力を中心とした守りの野球で活路を見出した。下坊、伊藤の2人の投手を堅守で支え、近畿大会では2試合連続で失点1に抑えて勝利。打線は強打以外に小技を絡めた攻撃を見せ、大事な場面で1点を積み重ねる野球を見せた。新しいスタイルを見出した天理が、選抜で結果を残せるか注目だ。
滋賀学園 8年ぶり3回目
8強入りを果たした昨夏の勢いそのままに、秋の滋賀大会を制し、近畿大会では王者・大阪桐蔭を撃破。近畿8強ながら、今乗りに乗っているチームだ。レギュラーメンバーはほとんど入れ替わったが、大坂桐蔭戦では相手にリードを許しながらも冷静に選球していき、エース長崎が2失点完投で逆転勝ち。強豪相手でも物おじしない強さを見せた。準々決勝では甲子園のマウンドを経験した土田が打ち込まれ、智辯和歌山に敗れたが、頼れる投手2人がいるのは心強い。昨年に続いての上位進出を目指す。
滋賀短大付 初出場
昨秋の近畿大会で最大のサプライズを起こしたのが同校だ。軟投派左腕の櫻本は遅いボールをうまく使い、緩急で大坂王者の履正社を翻弄。フライを打たせる投球で強力打線を1失点に抑え込んだ。また、打線も相手投手陣の継投を後手に回す攻撃を見せ、そつのない攻撃で4点を奪取。投打ともに会心の内容で勝利をもぎ取った。全国でも強豪相手に自分たちの野球で勝利をもぎ取りたい。
中国地区
広島商 3年ぶり23回目
伝統校が強打と豊富な投手陣を武器に、中国大会を制覇。勢いに乗り、神宮大会でも準優勝を飾った。右腕エース大宗は神宮大会の敦賀気比戦で180球を超えながらも、粘り強い投球を見せたタフネス右腕。左腕・徳永は角度を活かした投球で相手打線を封じ込める。打線は敦賀気比戦でたびたび外野の頭を超す打球を放ち、もともとあった小技のうまさに強さをMIXさせて、令和版HIROSHO野球を見せた。前回の選抜ではコロナで無念の不戦敗になっており、今回はそのリベンジも果たしたいところだ。
米子松陰(鳥取) 33年ぶり2回目
実に33年ぶりとなる出場権をつかんだ中国大会の戦いぶりは見事の一言だった。1年生右腕の新里を打線が粘りの攻撃で援護。準々決勝の盈進戦では9回、10回と2イニング連続でビハインドの状況を追いつき、土俵際での粘り腰を見せる。投げては新里が決勝の広島商戦の5回まですべてのイニングを一人で投げぬいたように、下級生ながらタフさが光った。少ないチャンスを確実に活かす野球で、選抜での勝利を掴みたいところだ。
四国地区
明徳義塾 4年ぶり21回目
名門校が優勝候補に挙げられるプレッシャーの中で、秋の四国大会をきっちり勝ち抜いて見せた。夏春連続となる甲子園出場をつかんだ原動力は、池崎-里山のバッテリーの存在だろう。池崎は四国大会3試合を完投。制球に苦しむ場面もあったが、経験豊富な左腕は、投球の引き出しの多さを武器にかわし切った。バッテリーを組む里山は強肩、強打で貢献。打線も大物うちこそいないものの、下位までつながりのある攻撃で決勝では逆転勝ちを収めた。明徳らしい野球で選抜初優勝を狙う。
高松商(香川) 2年ぶり29回目
名将・馬淵監督をして、「力ではうちより上」と高評価を得ている隠れ優勝候補だ。1番山田を筆頭に長打力のある面々がずらりと並び、ヒットの半数近くが長打。劣勢に追い込まれても、終盤に一気に試合をひっくり返す力を持つ。エース末包も時折制球を乱すことはあるものの、安定感があり、党だともに不安はない。準優勝を果たした2016年以来となる上位進出へ、準備は整いつつある。
九州地区
沖縄尚学 2年ぶり8回目
2年前に好投手・東恩納で春夏連続出場を果たしたが、今回も左腕・末吉という高校球界屈指の投手を軸に甲子園に戻ってきた。最速は140キロ台後半をマークする本格派だが、球速を抑えつつコーナーをついて抑える投球術を持つ。打線は強豪との対戦が続いたため、大会序盤はやや湿りがちだったが、準決勝では8者連続得点を記録したように、一度つながりだすと止まらない破壊力を見せつけた。九州王者として同校聖地に乗り込み、3度目の優勝を狙う。
エナジックスポーツ(沖縄) 初出場
ここ数年、沖縄では強豪としての地位を不動にしつつあった新興勢力がついに、甲子園の舞台に姿を現す。九州大会では初戦でV候補の神村学園を相手に、左腕・久高颯の好投で2-1と競り勝つと、準々決勝では打線が爆発してコールド勝ち。ノーサイン野球で伸び伸びとプレーし、選手たちの思考力の高さで相手をかき回した。浦添商を4強に導いた経験のある名将・神谷監督のもと、新鋭が存在感を放つか。
柳ヶ浦(大分) 20年ぶり3回目
県内屈指の伝統校が神宮大会を制覇して出場した2005年以来となる選抜切符をつかんだ。宮城、杉原の両左腕に右腕・宮原と投手陣の層が厚く、相手打線との相性や調子を考慮しながら自在に継投できるのが強み。打線も派手さはないが、チャンスを確実に活かす勝負強さが光った。1990年以来となる選抜での勝利へ腕を撫す。
西日本短大付 38年ぶり2回目
昨夏の甲子園で2勝を上げ、復活を果たした強豪が、選抜出場もつかみ取った。昨年の甲子園でも好リードを見せた山下が4番捕手としてどっかり座り、福岡大会を制覇。九州大会では初戦で14得点の猛攻を見せたように、相手のすきに付け込んで大量点を上げる力は今年も健在だ。準決勝ではエース中野が捕まって大敗したが、全国で戦える力、経験値は十分に擁しているチームだ。
21世紀枠
横浜清陵(神奈川) 初出場
激戦区・神奈川から史上初めて21世紀枠での出場権を獲得した。名門・東海大相模で選手として選抜優勝経験のある野原監督が就任し、人間力から鍛え、自分で考えて動く野球で年々チーム力を向上させた。昨秋は県大会でベスト8まで進出し、これまでの取り組みも評価されて選出されることとなった。盟友の横浜・村田監督とともに、春のひのき舞台で結果を残したいところだ。
壱岐(長崎) 初出場
玄界灘の離島から初の甲子園出場をつかみ取った。中学時代から同じチームで過ごしたメンバーがそのまま高校に進んだこともあり、チームメイト同士の息はぴったりだ。九州大会ではエース浦上の好投で専大玉名を下して1勝を上げたように、実力は十分。4強入りを果たした2001年の宜野座のように、一般枠を食っていく力は十分に秘めている。
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