星稜 村中健哉

大会2日目第2試合
2014年夏1回戦
静岡
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 |
| 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | × | 5 |
星稜
静岡 辻本
星稜 岩下
試合前予想
昭和後期から平成にかけて黄金時代を築いて石川の名門・星稜。しかし、21世紀に入ると、金沢・遊学館の2強時代に突入し、2000年代の星稜の甲子園出場は2005年春と2007年夏に2回にとどまっていた。名将・山下監督も2005年に退任。名門校は時代に荒波にのまれる格好となった。
だが、2013年に林監督のもとで、2年生右腕・岩下(ロッテ)を軸に久々の出場を果たすと、翌2014年に、あの衝撃的な試合を繰り広げることとなる。県大会決勝で小松大谷打線に岩下がつかまり、大量8点のビハインドを背負ったまま、最終回へ。しかし、ここから怒涛の反撃を開始する。先頭の代打・村中(主将)の四球を皮切りに打者一巡の猛攻で小松大谷を攻め立てると、1イニング9点を挙げる奇跡の反撃で逆転サヨナラ勝ち!海を越えてアメリカでもニュースになるほどのアップセットで、2年連続の甲子園出場をつかみ取った。
展開
迎えた甲子園初戦の相手は同じく名門の静岡。1番内山、4番堀内(楽天)、5番安本、6番鈴木(西武)と下級生主体の打線が技巧派エース・辻本を支え、県大会をしぶとく勝ち上がってきた。
試合が始まると、初回から静岡打線がつながり、5番安本のタイムリーなどで2点を先行する。星稜打線もすぐに追い上げを開始するが、試合は常に静岡リードで進んでいく。この流れを変えんと、林監督は5回裏に代打で主将・村中を投入。この攻撃は得点こそ入らなかったが、あの奇跡の逆転を演じた石川大会決勝と同じような流れを作ろうとする星稜ベンチの糸を感じさせるものであった。
そして、代打へ
先行されたものの、粘り強く投げていた岩下だったが、7回表に静岡の主将・岸山にタイムリーを浴び、再びリードを2点に広げられた。しかし、直後の7回裏に今度は星稜の主将が意地を見せる。1アウトから村中が打席に立つと、インサイドの速球をたたきつけた打球は高いバウンドとなってショートへ。執念のヘッドスライディングで内野安打とすると、ここから星稜打線がつながる。エラーに野選と、静岡守備陣の乱れに乗じて1点を返すと、2番中村のタイムリーが飛び出して同点に。8回裏にはエース岩下が自ら勝ち越しのタイムリーを放ち、星稜が県大会決勝に続いて逆転勝利を飾ることとなった。
この大会は3回戦で八戸学院光星に惜敗したが、この2014年の戦いが星稜復活の足掛かりになったことは間違いないだろう。2019年にはエース奥川(ヤクルト)の活躍で2度目の選手権準優勝を達成。苦しい時代を過ごした名門が、雌伏の時を経て鮮やかによみがえることとなった。


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