関東一vs高岡商 2015年夏

2015年

大観衆魅了した乱打戦

東日本勢が非常に元気だった2015年の高校野球。選抜では8強のうち7チームを占め、夏になってもその傾向は変わらず、特に関東勢は強い存在感を放っていた。そんな流れの中で1回戦を終え、2回戦でともに打力に自信を持つ伝統校同士の好カードが組まれることとなった。

関東第一12-10高岡商/高校野球/デイリースポーツ online

関東一は、夏は意外にも5年ぶりとなる出場だったが、エース阿部をはじめとして前年の選抜を2年生で経験した選手が何人か残り、ブランクは感じさせなかった。この年は攻撃力が自慢のチームであり、特に1番オコエの俊足は出色。決勝の日大豊山戦では、後にヤクルトの先発ローテに定着することとなる好右腕・吉村貢に対し、センターへの当たりで一気に2塁を奪う好走塁でかく乱し、14-2の大勝に結びつけた。投手陣に絶対的な柱が不在なのが、不安材料ではあったが、それを補って余りある打線の充実ぶりであった。

高岡商、8点差追いつくも7年ぶり甲子園勝利ならず - 高校野球 ...

一方、高岡商は関東一のような派手さはないものの、基本に忠実にコツコツつないでいく野球で得点力では引けを取らない。富山大会では準々決勝で富山商とのライバル対決を8-5で打ち勝つと、準決勝では新湊に対して、5-3の9回裏に3点を奪う奇跡の逆転サヨナラで勝利。最後まで勝負をあきらめない姿勢を持ち、後ろに繋ぐ意識を持った攻撃で競り合いを制してきた。2013年は富山第一がベスト8入り、2014年も好左腕・森田(巨人)を擁して富山商が2勝を挙げるなど、近年好調な富山勢の勢いにあやかって、高岡商も結果を残したいところであった。

決勝点たたき出した扇の要

2015年夏2回戦

高岡商

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 7 0 1 0 2 0 10
1 0 7 0 0 0 2 2 × 12

関東一

 

高岡商   林→北村

関東一   阿部→小松原→金子→田辺

初回、いきなり1番オコエが魅せる。1塁戦へのファースト強襲のあたりで迷わずに2塁を陥れる好走塁。積極的な姿勢でチャンスを演出すると、東京大会打率6割の3番・伊藤が外角の変化球をレフト前にはじき返して先制点をもぎ取る。

3回にはオコエ瑠偉の3塁打などでランナー2,3塁のチャンスに再び伊藤。今度は内角直球を引っ張ってレフトスタンドへ3ランホームランを放ち、一気にリードを広げる。さらに、下位打線の連打で満塁にした後、オコエはこのイニング2本目の3塁打で走者一掃!一気に8-0とリードを広げ、高岡商・先発の林をノックアウトする。オコエの3塁到達タイムは11秒を切り、プロ顔負けの走塁だった。

一方的な試合展開になるかと思われたが、絶対的エースのいない関東一投手陣に今度は高岡商打線が襲い掛かる。昨年選抜を経験した左腕・阿部から3番田越、4番堀内の連打に犠飛で1点を返すと、6番中川が阿部から2塁打を放って阿部が降板。さらに代わった左サイドの小松崎からも下位打線がつないで満塁のチャンスを作ると、2番駒方がセンターへうまくジャストミートしてタイムリーヒット。さらにオコエの悪送球も絡んでもう一人ランナーがかえって、8-5。ここで県大会不振だった3番田越が左中間へタイムリー2塁打。8点あったリードがあっという間に1点差になる。

流れは完全に高岡商へ。2番手で登板した北村が落ち着いた投球で好投を見せると、6回には再び得点圏にランナーを置いて、この日のキーマン・田越がレフト前へテキサスタイムリー。関東一の3番手の長身右腕・金子もとらえ、ついに高岡商が同点に追いつく。

しかし、その裏思わぬ形で関東一に勝ち越し点が入る。ランナー1,2塁で2年生投手の北村が牽制悪送球。2塁ランナーが一気にホームをついて9点目を手に入れる。さらにこの回オコエの犠飛でもう1点を加えて2点を勝ち越す。

8回から関東一はマウンドへエース田辺を送る。逃げ切り態勢を取るが、高岡商の打線も粘る。9番高橋が変化球をとらえてセンター前へ。さらに四球で1,2塁のチャンスを作るとチャンスで三度3番田越が打席へ。入ってくる変化球をとらえた打球はライトオーバーとなったまたもや高岡商が同点。田越はこの日4打数4安打5打点の大活躍。右へ左へ長打を飛ばし、関東一の4投手全員からヒットを放った。

だが、試合を決めたのは関東一の6番捕手を務めるキーマン鈴木大だった。疲れの見える2年生右腕・北村から2,3塁のチャンスを作ると勝ち越しのライト前タイムリー。さらに1点を追加し、12-10で乱打戦を制した。

まとめ

この試合関東一はディフェンス面で苦しんだが、最後まで相手を前に出さなかったことが勝因だろう。オコエ・伊藤を中心とした打撃はさすが東東京を圧倒しただけのものがあった。その後、中京大中京、興南と終盤のホームランで下し、ベスト4進出。最後は東海大相模に力負けしたが、直近6年で3回目の1大会3勝。すっかり上位常連になり、その後、2024年には同校初の選手権準優勝を飾ることとなる。

一方の高岡商も初戦敗退したとはいえ、打線の粘りは見事。特に3番田越は県大会の不振が嘘のような猛爆ぶり。一人でチームの得点の半分をたたき出し、好打者ぶりを見せた。最後は打ち負けたが、北信越の伝統校が印象に残る好試合を演じた。

 

【高岡商 対 関東一高】7点取り返した回の攻撃 (2015夏甲子園_第2回戦)

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