【好投手列伝】富山県篇記憶に残る平成の名投手

平成の名投手

平井孝英(富山商)

初めて55代表が顔をそろえた第80回記念大会で痛快な番狂わせを演じたのが富山商のエースで4番の平井だった。初戦は4季連続出場の地元・報徳学園との対戦に。鞘師(広島)、南(横浜)ら好選手をそろえた強豪を相手に、序盤は無安打に抑え込まれるも中盤以降に反撃開始。リリーフ登板して快速球を武器に報徳打線に立ち向かうと、2点を追う7回裏には同点に追いついてなお満塁の場面で打席に向かう。

報徳の2番手・南の高めの速球をフルスイングすると打球は右中間スタンドに飛び込む勝ち越しのグランドスラムに!前年夏はV候補に挙げられながらも、県大会初戦で敗れたチームを投打で引っ張って、大舞台で会心の勝利をつかみ取った。

[プロ 野球 ハイライト] 1998熱闘甲子園 富山商VS報徳学園 – YouTube

荒瀬啓介(新湊)

新湊旋風と呼ばれた1986年以来、16年ぶりの選抜出場となった2002年。エースで4番としてチームを牽引したのが左腕・荒瀬であった。

初戦は出場校中屈指の強打を誇る愛工大名電と対戦。2年生スラッガー堂上剛(中日)ら長打力を秘める強打者に対して、得意のスライダーを武器に真っ向勝負を挑み、わずか5安打1失点で完投勝利を挙げた。続く2戦目も常連校の尽誠学園を相手に8回まで無失点投球を展開。打っても4番としてタイムリーを放つなど、野球センス抜群の好投手であ汰。

袴谷圭汰(新湊)

2011年夏に久々の出場を果たした新湊。技巧派エース袴谷の投球が観衆を魅了した。初戦の相手は夏の全国制覇3回を誇る龍谷大平安。2年生スラッガー・高橋(広島)を擁する強力打線が相手だった。

袴谷は足を大きく挙げる投球フォームは特徴的だが、投げるボール自体は一見何の変哲もないように見えた。しかし、相手のタイミングを外すクレバーさと抜群の制球力を武器に決定打を許さず、中盤に高橋に同点弾を許した以外は、付け入るスキを与えない。終盤に3点を勝ち越した味方打線の援護もあり、戦前は不利と予想された試合を4-1と会心の内容でものにした。

続く3回戦も東洋大姫路打線を相手に7回まで2失点の好投。初出場時のエース酒井のように、やはり新湊らしい技巧派の好投手だった。

2011選手権ダイジェスト 新湊-龍谷大平安 – YouTube

宮本幸治(富山第一)

平成の富山代表の右投手の中で、おそらくNo,1に位置するのではないかと思われる本格派右腕。初出場を果たした富山第一のエースとして甲子園のマウンドに降り立つと、初戦は秋田商打線を相手に危なげなく完封勝ち。140キロ台中盤の速球と切れ味抜群のスライダーを武器に全く相手を寄せ付けなかった。3回戦では常連校の木更津総合の打線も圧倒し、2試合連続の完封勝利を達成。球威、コントロールともに申し分ない好投手であった。

2013選手権ダイジェスト 富山第一ー木更津総合 – YouTube

森田駿哉(富山商)

北信越勢の活躍が目立った2014年の選手権大会。敦賀気比、日本文理、星稜、佐久長聖、富山商と全てのチームが初戦を突破したが、その中にあって一投手として抜群の存在感を放ったのが、富山商のエース森田であった。球威のあるストレートもさることながら、左打者のアウトコースに逃げるスライダーが素晴らしく、相手校の左打者をきりきり舞いさせた。

初戦は激戦の西東京を勝ち抜いた日大鶴ケ丘を完封すると、2回戦では小郷(楽天)、逢沢ら左の好打者を擁する関西の強力打線を1失点で完投。手元でキレるスライダーを前に、さしもの強打者たちも手が出なかった。3回戦で日本文理との北信越対決に敗れたが、出場校中でもトップクラスの実力を持つ左腕であった。

富山商業 森田 日大鶴ヶ丘戦全球ダイジェスト – YouTube

山田龍聖(高岡商)

2018年夏の甲子園で優勝した大阪桐蔭打線を最も苦しめた投手と言っていいだろう。北信越屈指の実力を誇る左腕は、2年生時は春夏ともに苦杯をなめたが、最終学年には大きな成長を遂げていた。

独特のテークバックから投げ下ろす角度のある速球を武器に佐賀商、佐久長聖とそれぞれ完投勝利で下すと、3回戦は根尾(中日)、藤原(ロッテ)らスター選手を擁する大阪桐蔭が相手に。左の好打者を相手にインサイドも強気に使う投球を見せ、3失点で完投。惜しくも逆転負けを喫したが、春夏連覇を果たしたチームを相手に一歩も引かない投球を見せた。

快投 高岡商 山田龍聖 三振まとめ 大阪桐蔭戦 – YouTube

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  1. […] […]

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