独断と偏見で選ぶ、2009年選抜にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2009年

福知山成美(京都)

1 長岡 10 柿本
2 福本 11 尾野
3 岡上 12 末吉
4 田嶋 13 越賀
5 安原 14 宮崎
6 杉本 15 山本
7 細野 16 香山
8 渡部 17 栗原
9 西元 18 古賀

好投手&自由奔放打線

2008年夏から夏春連続出場を果たした福知山成美。前年夏のチームは2番投手の植田や生駒を中心とした強打が売りのチームだったが、この年のチームの軸は何といってもエース右腕の長岡であった。すらっとした体型で、独特な間合いのフォームから繰り出す快速球とスライダーの前に相手打線は全く手が出ず。京都府大会を42イニング連続無失点で勝ち上がると、近畿大会準決勝でPL学園に逆転負けするまで勝ち続けた。この年の近畿No.1の右腕と言ってよかっただろう。

一方、打線は前年のメンバーから残った杉本、末吉、福本が中軸を担い、個々の力ではそれぞれ兼ね備えていた。福知山西武の野球は、グアテマラで奔放な野球を学んだ田所監督の元、強攻策で打ち崩していくのが持ち味。平安を中心に手堅い野球のイメージがある京都の中では異色の存在だ。ただ、今年のチームは長岡が投げるため、失点が少ない分、守り合いの試合に慣れてしまっている面があった。個の力ほどチームとして得点が入っていないように見えるのが気がかりではあった。

1回戦

福知山成美

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 5
0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2

国士舘

第81回(2009年)選抜高校野球大会 1回戦 福知山成美 対 国士舘 1/5 – YouTube

初戦の相手は東京大会を制した国士舘。かつては初出場から4強、4強、8強と3大会連続で上位に進出し、「春の国士舘」の異名を取った強豪だ。6年ぶりの出場ではあったが、自慢の機動力を武器に上位進出を狙っていた。

試合は立ち上がり、福知山成美が1,2回と打線がうまくつながって1点ずつを挙げるが、3回裏に長岡が国士舘打線につかまる。ファウルで粘られ、好球をしぶとく内野安打にしてくる。9番菅谷、1番高橋の2者連続ヒットでチャンスを作られると、主砲・原島にレフトへはじき返され、同点に追いつかれる。ここから福知山成美打線の危惧していた面が出る。守り合いの展開で試合が膠着すると、打線が再三ランナーを出しながら決定打を出せなくなる。ヒットは出てもつながりを欠いてしまった。

そうこうしていると、延長14回には長岡が足をつって降板するアクシデントが発生。絶対的エースの降板で、田所監督も真っ青の事態となるが、ここからチームは底力を発揮。2番手の右腕・香山が踏ん張りと見せると、延長引き分け再試合寸前の延長15回表、ようやく打線がつながる。国士舘の先発左腕・菅谷をとらえ、6番田嶋、7番渡部が連続タイムリーを放ち、勝負あり。裏の攻撃を香山が抑え、激闘を制した福知山成美が初勝利を挙げた。

 

2回戦

清峰

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

福知山成美

清峰vs福知山成美 2009年選抜 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

福知山成美 長岡投手 奪三振シーン(第81回選抜・清峰戦) – YouTube

 

続く2回戦は九州王者の清峰と対戦。清峰・今村(広島)と長岡の投げ合いは、まさに大会No.1右腕を決める戦いであった。

試合は、序盤から福知山成美が押す展開に。7番に起用した西元が3安打を放つなど、再三得点圏にランナーをためる。5試合1失点で優勝投手になった今村からヒットを連ねるあたり、やはり福知山成美の各打者のレベルは高い。しかし、いかんせん、この九州を代表するエースはギアチェンジがうまい。ランナーを背負ってから明らかに1段も2段もギアがあがるため、決定打を奪うのは至難の業であった。

こうなると、流れは清峰へ。5回表に2塁打で出たランナーを犠打と8番嶋崎のスクイズで生還させ、虎の子の1点をもぎ取る。福知山成美は最終回もランナーを出すが、最後は投げ合ってきた長岡がライトフライに打ち取られて試合終了。この大会優勝した清峰を苦しめたが、ベスト8へあと一歩届かなかった。

ただ、敗れはしたものの、投打のポテンシャルの高さは十分見せつけた福知山成美。それだけに夏の京都大会で長岡を故障で欠いたことが悔やまれた。2年生左腕・島谷(阪神)が奮闘したが、決勝で龍谷大平安に逆転サヨナラ負けを喫し、2年連続の夏の甲子園出場はならなかった。

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