独断と偏見で選ぶ、2012年夏にベスト8へ進めなかったイチオシの好チーム

2012年

浦添商(沖縄)

1 宮里 10 照屋
2 伊良波 11 金城仁
3 東江 12 国仲
4 当真 13 金城魁
5 喜瀬 14 伊計
6 内間 15 大城翔
7 呉屋 16 新崎
8 大城利 17 玉城裕
9 玉城大 18 阿嘉

強豪を次々倒した琉球の強豪

1997年、2008年と2度の選手権4強を誇る強豪・浦添商。その過去2度の快挙を成し遂げた時に引けを取らない存在感を見せたのが、2012年夏であった。盛根監督、宮里、照屋と2人の速球派右腕を擁し、打線も宮里・伊良波・呉屋の中軸を中心にパンチ力のある打者が並んでいた。決勝ではライバル沖縄尚学のエース山田を打ち込み、8-5と乱戦を制して勝利。4年ぶりの代表切符をつかみ取った。

盛根監督、神谷監督の築き上げてきた「人間力野球」の伝統を継承してきた浦添商。打たれ強い速球派右腕2人を強力打線が支え、「夏の大会で勝ち上がりそうな好チーム」として甲子園へ乗り込んできた。

1回戦

愛工大名電

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 2 0 2 0 0 0 4
0 2 3 0 0 0 1 0 × 6

浦添商

愛工大名電vs浦添商 ダイジェスト(第94回選手権・1回戦) – YouTube

初戦の相手は愛工大名電。剛腕・濱田(中日)を佐藤、鳥居らパワーヒッターぞろい強力打線が支える優勝候補だ。おまけに松岡、木村、中野ら機動力の使える巧打者も揃っており、対戦相手としてはこの上なくやりにくい打線であった。神宮準優勝、選抜8強と着実に実績を積み重ねてきており、大会前は大阪桐蔭・光星学院と並んで優勝候補トップ集団と位置付けられていた。

しかし、そんな強豪を相手にも浦添商ナインはひるむことはなかった。先発・宮里は立ち上がり、自慢の快速球で愛工大名電打線に立ち向かえば、2回裏、その宮里が剛腕・濱田が自ら右中間最深部へのホームランを放つ。いくら濱田のボールが走っていなかったとはいえ、右打者が流し打ちで打ち込んだ一打は名電の度肝を抜く一打であった。3回裏には6番呉屋が満塁の走者を一掃するタイムリー2塁打を放ち、3回を終わって5-0。予想外の好スタートを切る。

だが、名電も優勝候補の名に懸けて、そして公式戦で2度敗れている光星学院へのリベンジに向けて、簡単には退けない。4回表に宮里の速球をとらえて2点を返すと、6回表には2番手の照屋からも鳥居のタイムリー2塁打と押し出し2点を返す。分厚い名電の攻めにタジタジであったが、1点差に詰め寄られた7回裏に2番大城利のテキサス性のタイムリーで再び点差を広げる。最後は再びマウンドに登った宮里が踏ん張りを見せ、初戦で見事なジャイアントキリングを成し遂げた。

 

2回戦

滝川第二

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
1 1 3 0 0 0 1 0 × 6

浦添商

滝川第二vs浦添商(第94回選手権・2回戦) – YouTube

続く2回戦は地元兵庫の滝川第二と対戦。右スリークオーターのエース・佐藤に対し、浦添商打線はしっかりと対応する。アウトコース主体でスライダーが武器の右腕に対して、各打者が左右問わずにしっかり踏み込み、逆方向への打撃を実践。3回までに計5点を奪って、完全にペースをつかんだ。投げては、エース宮里がこの日はスライダーを武器に7回を1失点と盤石の投球。投打で圧倒して3回戦へコマを進めた。

 

3回戦

桐光学園

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 1 0 0 2 0 0 0 4
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1

浦添商

桐光学園-浦添商 (9回裏第94回全国高校野球11日目第2試合3回戦2012.8.19) – YouTube

そして、3回戦の相手がこの大会で旋風を巻き起こした松井裕樹(楽天)擁する桐光学園。先発宮里が初回に1番鈴木拓に先頭打者弾を浴びると、3回にも3番水海にホームランを打たれる。浦添商打線は曲がりの大きいスライダーに対応すべく、ノーステップ打法で挑んだが、桐光バッテリーもそれを読み取ってか打たせて取る投球にシフトする。7回までなかなかチャンスらしいチャンスも作ることができない。

しかし、8回裏、2番手で登板した照屋が意地を見せる。松井裕樹の高めに浮いたスライダーをとらえると、打球はレフトポールを巻くホームランとなってついに1点を返す。さあここからという展開であったが、ここから松井裕樹はうって変わって全力投球を展開。2イニングで4三振を奪う投球で浦添商の反撃を封じ、4-1で桐光学園が勝利を飾った。

敗れてはしまったが、強豪ひしめくブロックで8強まであと一歩のところまで勝ち上がった浦添商の戦いは見事の一言。2012年の甲子園で印象に残るチームの一つであった。

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