2010年春の選抜・甲子園大会前予想

2010年

優勝候補の第一集団に上がるのは帝京、大垣日大、東海大相模の3校か。この3校の中でも東海大相模の状態がかなりよさそう。ここに西日本勢がどこまで食い込めるか。熾烈な争いになりそうだ。

 

東海大相模は4年ぶりの選抜甲子園。注目のエース一二三慎太(元阪神)はMAX149キロのストレートに多彩な変化球を駆使し、相手校を全く寄せ付けなかった。神宮の準決勝では強打の帝京打線を5安打完封。格の違いを見せつけた。2番手には右横手の江川がいるが、選抜はおおかた一二三1本で行くだろう。打線はほとんどの試合で5点以上を記録。渡辺、田中、臼田の俊足2年生トリオが出塁し、積極的なエンドランに福山、染谷らポイントゲッターが答える。実にスピーディーな野球を披露する、さすがのアグレッシブベースボールだ。そんな中一番長打力を持つのは一二三。関東大会では2ホームランを放った。4番捕手の大城はチームの要だ。守りでも攻撃的な守備でステップワークに優れる。穴のない布陣で10年ぶりの選抜制覇を堂々とかっさらいに行く。

夏春連続出場の帝京は強力な投手陣で優勝を狙う。昨夏1年生ながら148キロをマークした伊藤拓郎(元DeNA)は投球回数とほぼ同じ奪三振を記録。快速球に高速スライダーを交え、打者を圧倒する。ここに同じく140キロ台の速球を持つ3年生の鈴木、山崎(DeNA)を加えた投手力は大会でもNo.1ではないだろうか。この贅沢な投手陣をどうまわしていくか、前田監督の腕の見せ所だ。打線は田口、吉岡の昨夏を経験した1,2番が出塁し、園田、久保田、岡部の左トリオのクリーンアップが返していく。下位を打つ松本はパンチ力があり、ショートの守備にも定評がある。しかし、松本以外の内野の守備が固まっておらず、本番までに何とかしたい。まずはあと2勝に迫った前田監督の50勝に到達し、その後2度目の選抜制覇を狙う。

大垣日大は2年生主体のメンバーで神宮大会初優勝。決勝ではV候補本命の東海大相模を相手に逆転勝利を飾った。エースは2年生左腕葛西侑也(かっさいゆきや)。左スリークオーターから切れのあるボールをコーナーに投げ分ける独特の腕の角度はタイミングが取りづらく、なかなか体験できない球筋だ。対戦チームは慣れるだけでかなり時間を費やす。2番手には大型右腕阿知羅(中日)が控えている。打線は左打者7人を並べたスピード感ある攻撃を見せる。つながりがよく、後藤・高田・安藤と2年生で組むクリーンアップは破壊力がある。トップバッターの森田は打率5割を超し、チャンスメークする。新チーム結成以来公式戦負けなし。勢いに乗る若武者軍団が選抜優勝もかっさらいに行く。

この3校を追う2番手は昨夏の覇者、近畿勢、興南といったあたりか。

 

前年度覇者・中京大中京は優勝が決まった時のバッテリーがそのまま残り、チームの軸となった。投手陣は2年生左腕・浅野とエース森本の左右2本柱。森本は力の抜けたフォームから最速145キロの真っすぐにスライダー、チェンジアップを交えて打ち取る。昨夏のマウンド経験を武器となる。森本に夏の疲れが残る中、浅野が台頭。130キロ台ながら伸びのあるストレートを投げ、コントロールもよい。打線は昨年に比べるとさすがに見劣りするが、味のある打者が揃う。昨夏の甲子園で2試合連続でホームランを放った磯村が不動の4番として君臨。3番に打撃もいい森本が入り、1,2番の小木曽、岩月の俊足コンビをホームに返す。5番の左の岩井川は勝負強く、下位にはしぶとい打者が並ぶ。得点力は決して低くない。守備では捕手・磯村の強肩が光り。センター岩月は昨夏再三の好守を見せた。神宮王者の大垣日大と競り合ったように総合力は今年もトップクラス。2度目の夏春連覇を目指す。

近畿王者・神戸国際大付はエースで4番で主将の岡本(ソフトバンク)を中心に2005年以来の選抜に臨む。岡本はMAX144キロのストレートに手元で大きく曲がるスライダーと小さい変化のスライダー、カーブを交え、コントロールよく試合を作れる完成度の高い投手だ。特にスライダーの切れは抜群で攻略は困難を極める。ここに力のある球を投げる右スリークオーターの大田、カーブのいい2年生左腕大川と質量ともに豊富な投手陣は初戦で当たる優勝候補・帝京と比べてもそん色ない。打線は破壊力という点では劣るが、足の速い打者が並び状況判断にも優れる。1番の石岡は大柄なトップバッターで、50メートルを5秒9で走る俊足の持ち主。2番に小技のうまい松村が入り、3番の田中が返す。下位を打つ真野や石井は勝負強くつなぐ攻撃が持ち味だ。これまでの神国と違い、もろさの少ない粘り強いチーム。合言葉は「ちゃんとやろ!」できることをしっかりやるスタイルで守備・走塁を固めたnew神戸国際大付を見せる。

 

大阪桐蔭は全国制覇した2008年夏以来の甲子園。昨年大阪負けなしだったPLから覇権を奪回した。エースで主将を務める福本は184㎝の長身左腕。球速は130キロ前後ながら内外角に丁寧に投げ分ける。1昨年秋の近畿大会準々決勝で金光大阪にサヨナラ負けした悔しい思いを胸に臨んだ昨秋の近畿大会準々決勝では育英を相手に8安打完封勝利。打たれても崩れない投球でチームを選抜に導いた。捕手の江村(ロッテ)は大会でも屈指の強肩捕手。

5番としても強打で打点を挙げる。打線は2年前ほどの強打はないが、バランスのとれた打線。1番市川、2番広畑は出塁率が高く、3番山口は167㎝の小さな強打者。4番の河原は2年生ながら公式戦打率5割を超すスラッガーだ。7番を打つ西田(阪神)もセンスが光る。投打に能力の高い選手を揃え、選抜初優勝を狙う。

智辯和歌山は高嶋監督の通算最多勝に王手をかけている。記念すべき勝利を挙げて上位を狙いたい。今年のチームには西川遥輝(日本ハム)というスーパースターがいる。1年春から公式戦に出場する天才肌のプレーヤー。しなやかな打撃で長打力も併せ持ち、甲子園通算打率は4割を誇る。これまで両手首の骨折に悩まされてきたが、今大会は初めて万全で迎える大会。本領を発揮したい。昨夏から上位を形成する1番城山、2番岩佐戸、4番山本がそのまま残る打線は強力。下位の宮川、瀬戸もパンチ力を秘める。課題は投手陣で昨秋は立命館宇治打線に打ち込まれた。左の技巧派・吉元やフォークが武器の藤井、右アンダースローの上野山と駒はそろっている。この中から誰が抜けだすかがチームの浮沈のカギを握る。

智辯和歌山らしく打撃で援護し、勝ち上がりながら投手を育てて優勝を目指したい。

天理は昨秋神戸国際大付に逆転負けを喫したが、相手エース岡本に「天理は強かった」と言わしめるだけの実力を持つ。前年は前評判が高かったにも関わらず、春夏の甲子園で合計1勝に終わったが、その時のメンバーが中核に残り、チームを形成している。左腕エースの沼田は経験豊富な左腕。技巧色が強かったが、真っすぐに力が出てきて押していくピッチングもできるようになってきた。スライダー、チェンジアップの精度は高く、安定して投げられる。後ろには速球派右腕の西口や西浦が控え、沼田を援護する。打線はこれまた昨年からのメンバーの中村(ロッテ)、安田、内野で組むクリーンアップが強力。中村は左右に打ち分ける好打者タイプ。4番安田は気合を重要視するクラッチヒッター。5番内野は昨年1番を打っていた足もある長距離砲だ。チーム打率は0.399と高打率を記録したが、ヒット数ほど点が入らなかったことは課題。打つ以外のバリエーションも増やしていきたい。十分上位を狙える戦力だ。

興南は昨年春夏連続出場のメンバーが多数残り、経験は豊富。大会N0.1左腕の呼び声高い島袋(ソフトバンク)を今度こそ打線が援護したい。島袋は昨秋の大会で50イニングを投げ、防御率は驚異の0.00。トルネード投法から投げ込む140キロ中盤の切れのある真っすぐに秋の段階では各打者手が出なかった。試合後半のスタミナの問題についても解消してきた。真っすぐにこだわりすぎるきらいはあるが、球の質自体は文句なしでNo.1だ。

問題は打線。昨秋も島袋が投げていなかったとはいえ、宮崎工の技巧派左腕・浜田(中日)をとらえきれず敗れた。県大会では4割を超えた打線も九州大会では打率1割台。昨選抜は延長10回0封され、夏も5安打3得点。全国レベルの投手をどう攻略するかが課題だ。

チームバッティングのできる打線なだけに確実性を挙げていきたい。3番の好打者・我如古と4番で昨夏に明豊・今宮(ソフトバンク)からホームランを放った真栄平に期待したい。沖縄勢として2年ぶりの選抜制覇を狙う。

以上の上位集団を追うのは北照、今治西、嘉手納といった地区大会優勝校に日大三・花咲徳栄の関東勢や中国勢トリオとといったところだろう。

 

北照は又野ー西田(ともにヤクルト)の大型バッテリーを軸にした豪快な野球で実に10年ぶりの選抜出場を決めた。又野は186㎝の長身から角度のある140キロ台のストレートと外角へ逃げる必殺のスライダーで勝負する。100キロ台のカーブも混ぜ、打たせて取る投球でリズムを作る。春に向けて内角への制球力とフォークボールの精度を磨いてきた。捕手の西田と外角に偏り気味だった配球を見直してきた。2番手の左腕千葉は大きく曲がるカーブを武器に北海道大会決勝で好救援を見せた。打線は2年生の1番大野が突破口を開き、3,4番を打つバッテリーが返すのが黄金パターン。西野、又野ともに1発放り込む力を秘めており、昨秋は力で圧倒した。神宮では東の横綱・帝京を相手に大野、西田、又野が封じられて敗れた。チームの軸となる3人が抑え込まれたときにどう打開するか。この問題点を解決すれば、選抜でも上位進出が望めるだろう。

今治西は4年連続の選抜出場。神宮大会では粘りの野球で神国、開星を倒して2勝をマーク。過去3回逃しているベスト8進出を狙う。昨年の選抜を経験している左腕・日野は低めに丁寧に集める投球が持ち味。球速こそ速くないが、見た目以上に打ちづらく、そして打たれ強い。2番手の林は130キロ台ながら勢いのある真っすぐで押していく本格派。このタイプの違う2枚看板を上手に使い分けて昨秋は快進撃を見せた。打線は打率こそ0.288と低いが粘り強さがある。神宮の神戸国際戦では9回2アウトからつないでつないで逆転サヨナラ勝ちをもぎ取った。左打者が7人いるなかで4番の関は貴重な右の大砲だ。3番の好打者浜元とともにチームの中心となる。投打とも迫力こそないが、粘り強さが持ち味。4年連続の経験を活かして上位に割り込みたい。

沖縄・嘉手納は九州大会初優勝。持ち味のバッティングで神宮でも優勝した大垣日大を最後まで苦しめた。中学日本一を達成した池原―真謝のバッテリーが軸。池原は制球力が高く、スライダー、カーブを丁寧に配して打たせて取る技巧派。真謝とのコンビでリズムよく打たせて取る。2番手左腕の山城はプレートの目いっぱい1塁側を踏んで投げる左横手からのクロスファイヤーが持ち味。右打者が捕らえるのは至難の業だ。打線は重心を前に置くフロントフット打法でフォロースルーを大きく取るメジャー式の打法で結果を残した。これにより、決して身体能力が高かったわけではない嘉手納打線からは強い打球が放たれ、九州制覇につながった。中学優勝バッテリーを斬新な発想で盛り立てて選抜での躍進を狙っている。

日大三は昨秋東京都大会ベスト4ながら優勝した帝京と5-4の接戦を演じ、準優勝の東海大菅生より高評価を得て選出された。エースの山崎(オリックス)は脳腫瘍の過去を乗り越えて復活した不屈の男。185㎝の長身からの角度のあるストレートが売りだ。2番手のショートを守る吉沢も真っすぐに威力がある。このチームの強みは何といっても強力打線。都大会では昨選抜を経験した2枚看板のいる早稲田実をコールドで下し、帝京の伊藤拓郎からは12安打を放った。上位下位満遍なく打つが、特に3番平岩、4番横尾、5番山崎のきりーんアップは素晴らしい。平岩は公式戦の打率こそ低いが、空振りを恐れず振りぬく打撃は相手を震撼させる。昨夏は高い評価を得ながら2回戦で敗れたが、この選抜では今度こそ上位進出を果たす。

花咲徳栄は好左腕・五明と強力打線で久しぶりの甲子園をつかんだ。左腕五明は腕は遅れて出てくる投げ方で130キロ台後半の球速以上に速く感じる投手。球威で相手を押し込める投手だ。細かいコントロールを磨けば選抜でも回答が期待できる。昨秋は左サイドの山口や左腕・橋本など豊富な投手陣で乗り切った。選抜でも継投策は十分考えられる。打線はチーム打率0.399と強力。上位から下位まで満遍なく打つ。昨夏からのレギュラーが5人残っており、経験豊富な面々だ。決勝では東海大相模の一二三相手に最後まで粘り強く攻め続けた。攻守ともポテンシャルは高く、上位進出を狙う。

中国勢3校はかなり粒ぞろいの面々だ。どのチームも実力は高い。

 

優勝校の開星は豪快な力の野球で広陵、関西を破って中国Vを成し遂げた。2年生エースの白根(ソフトバンクー横浜)は右スリークオーターから140キロを超すストレートとスライダー、シュートの横の揺さぶりで勝負する。77回を投げて90奪三振を記録。走者を出しても粘り強く投げぬく。打線はパワーヒッター揃い。1番糸原(阪神)は足も長打もある理想のトップバッターで打率は5割を超す。3~6番の白根、出射、江本、本田はみな1発放り込める強打者だ。特に4番の出射は10試合で5ホームラン、17打点と圧倒的な成績を残した。昨夏県大会でまさかの初戦敗退に終わったが、そこから見事に立ち直った。練習試合含め47試合でわずか2敗。苦手の左投手さえ克服すれば、上位進出も十分可能だ。

中国大会準優勝の関西は2年生投手がチームを守る若いチームだが、実力は侮れない。エース堅田は昨秋53回を投げて防御率は0.34。低めに徹底的に集める投球で安定感は抜群。三振数も投球回数を上回っている。2番手の2年生水原も140キロを超す真っすぐで押せる本格派。これからが楽しみな投手陣だ。打線の核になるのは3番の磯本。50メートルを5秒7で走る快足。プロへ行くような選手を何人も見てきた江浦監督をしてこれまでで断トツと言わしめるスピードだ。あまりの快足に相手の守備ミスを誘発してしまうほどだ。4番植田、5番渡辺は長打力があり、1~3番の快足トリオをホームに返す。9番の船守がチーム内で首位打者・打点王と層も厚い。練習試合含め8敗しているが、エース堅田が先発して本気で勝ちに行った試合は無敗。秘めた力はかなり高く、優勝も狙えるチームだ。

中国ベスト4ながら上位2校をしのぐ力を宿すのが広陵だ。充実戦力でサクラの広陵の本領を発揮したい。エースは186㎝の長身右腕有原(日本ハム)。やや立ち投げのようなフォームから投じる角度のあるストレートは最速145キロ。これにスライダー、カーブ、チェンジアップを交える安定感ある投球。与えた四死球も少なく、大型右腕にありがちなもろさはない。2番手の上野はスライダーを軸にした投球で昨秋の安定感は上野以上だった。この2枚看板はかなり強力だ。打線の軸は2年生4番の丸子。練習での飛距離はOBの金本以上という長距離砲。逆方向にもはじき返せる器用さを持ち、期待のスラッガーだ。丸子の周りを福田、御子柴、藏舛ら左の好打者が固めている。広陵らしい中距離の好打者が並んだいい打線だ。昨秋は開星相手に有原自身の守備の乱れから敗れてしまい、その反省を活かして守備力を鍛えてきた。投手・打線は力があるだけに、しっかり足元を見て戦えば優勝戦線に絡む力は十二分に持っている。

その他のチームも楽しみなチームは多い。

 

好投手として注目されるのは東海大望洋・長友、宮崎工・浜田(中日)が注目される。長友は173㎝の身長以上にパワーを体に秘め、MAXは147キロを記録。捕手のミットを押し込んでしまうほどの威力を誇る。浜田は長身左腕で独特の短いテークバックから投げ込むため、打者はとにかく打ちづらい。昨秋の九州大会では興南を初回の2点のみに抑え込んだ。ともに打線がどれだけ援護できるかで上位に進めるかが決まるだろう。

 

神港学園には大会注目の強打者・伊藤諒介がいる。北原監督の長男が社会人野球から取り入れた縦振りで低めの変化球をすくう技術に長けており、高校通算61ホームランを誇る。その他の打者もこのうち肩を取り入れており、上からたたくという高校野球界に定石に一石を投じる存在となっている。エース右腕前仲はMAX145キロのストレートを持つ本格派で投打がかみ合えば躍進する可能性を秘めている。

 

高岡商業は昨夏の県大会決勝で南砺福野にまさかの逆転負けを喫したが、その時の主力が残っており、バッテリー中心の守りの野球で北信越大会を制した。エース鍋田は制球力があり、試合を壊さない安定感がある。捕手・松島は3番としても打線を引っ張るチームの要。初戦の強打の智辯和歌山を抑え込めるか注目だ。

 

三重高知はともに夏春連続出場。三重は技巧派左腕・増田、4番の投手兼任の強打者・松田、6番強打の道貝ら経験者が残り、昨秋も王者・中京大中京相手に粘りの野球で食い下がった。本番でも持ち前の終盤の勝負強さを見せたい。高知はナックルボールを持つエース左腕筒井を中心に守りの野球で勝負。1番の池知は積極的な打撃で昨夏の甲子園を沸かせた。今回も初球から打っていき、チームを乗せたい。

 

立命館宇治は2年生左腕・川部の成長が著しく。四死球は多いながらも粘りの投球を見せた。打線も西川、古川、小嵜の中軸は勝負強く、昨秋は智辯和歌山に打ち勝っている。捕手である小嵜は高校生離れしたリードを見せ、川部を盛り立てる。同校の甲子園初勝利を狙う。

 

前橋工業は昨秋関東大会で引き分け再試合を制して甲子園切符をつかんだ。エース平井はスタミナ抜群の好右腕。久しぶりの甲子園で名門復活を果たしたい。

 

福岡から初出場の自由が丘は元・柳川の末次監督の指導のもと年々力をつけてきて初出場を決めた。エース左腕小野はひょうひょうと投げる左腕で気が付けば最少失点で試合を作っている。昨秋の九州大会では甲子園でも好投した明豊の好右腕・山野に投げ勝った。見た目の強さはないが、不気味なチームである。

 

秋田商業盛岡大付の東北勢はともに片岡、白石と好投手を擁する。前評判はそこまで高くはないが、秋田商業は1番麻生、盛岡大付も1番佐々木とともにトップに好打者がおり、エースを打線が盛り立てたい。

 

最後に21世紀枠の3校を紹介する。

 

山形中央は2年生の好左腕・横山(阪神)に注目。左腕からの切れのあるストレートを投げ込み、打者のバットを押し込める。初戦で当たる強打の日大三にどこまで通用するか。

 

向陽は右スリークオーターの藤田が粘りのピッチングを展開。コーナーを丁寧に突き、昨秋は強打の天理打線を4点に抑えた。打線が勝負強さを発揮してエースを援護したい。

 

川島はエースの右サイド・東谷が秋はほとんど一人で投げ切った。ためのあるフォームから投げ込み、打者はタイミングが取りづらい。少ないヒットで得点に結びつけるエコ打線で挙げた得点をエースが守り切って甲子園1勝を狙う。

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