2011年夏の甲子園大会前予想

2011年

震災の復興が進み、少しずつ日本が元気を取り戻す中で開かれた2011年夏の高校野球。絆をテーマにして、進んでいった大会の中で特に東北勢の動向が注目されながら予選は進んでいった。

そんな2011年大会の中で優勝候補として頭一つ抜き出ていそうなのは日大三だろう。選抜4強に終わった神宮王者だが、やはり投打のスケールの大きさは他を上回っている。この強力チームをどこが止めるかが大会の焦点になりそうだ。

その日大三は2年ぶりの甲子園出場。神宮大会で圧倒的な強さで優勝し、もともとこの代では最も力のあるチームとみられていた。選抜では準決勝で不本意な戦いで九州国際大付に敗れたが、6月の練習試合では8-1とリベンジを果たしている。前年選抜準優勝から経験している選手が多く残り、経験値でも頭一つ抜きんでているだろう。前年は前評判が高かったにもかかわらず、夏の予選では日大鶴が丘に延長で競り負けたが、今年は昨年と同じ準決勝で対戦して前回苦戦した好投手・岡を打ち崩して見事リベンジを果たした。昨年と比べ、チームのまとまりで上回った結果だろう。エースの吉永が大会序盤は苦しんだが、徐々に復調。決勝では14奪三振と完全復活を果たし、斎藤佑樹のいた5年前の決勝で敗れた因縁の相手・早実を僅差で振り切った。もともと真っすぐには力があったが、選抜以降変化球のコントロールが安定。特に左打者の外角へ逃げるシンカーは切れ味抜群で攻略困難なボールだ。打線は全国的に見ても頭一つ抜けた破壊力を持つ。3番主将の畔上は誰よりも早く練習場に現れ、誰よりも遅くまで残る練習の虫。西東京大会でも5割を超す打率を残した。4番の横尾は通算ホームラン55本のアーチストだ。選抜以降清水と高山の打順を入れ替え、1番清水、5番高山の打順となり、これがフィットした。高山はランナーを返し、かつクリーンアップ以降でもう一度チャンスを作る役割を果たす。6番の菅沼はつぼにはまれば1発を放つことができる。下位まで強打者の並んだ打線はどこからでも点を取ることができ、屈指の破壊力を誇る。10年前に初優勝した時と打線のしつこさは似ているとの小倉監督評。エース吉永の能力も当時のエース近藤(オリックス)より上とのこと。投打にスケールの大きな戦力で、ここで狙わずいつ優勝を狙うという今大会。優勝候補筆頭として堂々大会に臨む。

https://www.youtube.com/watch?v=IqMzIV8Mljw

日大三を倒す候補として1番手に挙がるのはやはり選抜で対戦して日大三を下している九州国際大付になるだろう。選抜大会で準優勝と大躍進。夏は若生監督初の優勝を狙う。中心は何といっても三好(楽天)-高城(DeNA)とバッテリー。三好は選抜でも見せた伸びのあるまっすぐとチェンジアップを武器に好投。強肩捕手・高城との相性も抜群で今大会注目の投手の一人だ。2番手の大江の成長も大きく、福岡大会では三好より多くのイニングを投げて無失点。スローカーブを武器に好投し、三好のスタミナを考えると本番でも彼の果たす役割は大きい。打線でもバッテリーの2人が中心となる。三好は3番に座って3ホームランを放ち、チームトップの17打点。天性の長打力を持つ。4番の高城は福岡大会では苦しんだが、終盤に復調。選抜で8打席連続ヒットの大会タイ記録をマークしたように右方向に素直にはじき返すバッティングが光る。選抜大会後、チーム全体で大振りが目立ったことを自省して、福岡大会ではコンパクトにたたく打撃に修正し、好結果を得た。本番でもつなぐ攻撃を徹底する。守備は内野に2年生がずらりと並び、福岡大会では失策もよく見られたため、修正していきたい。主将・高城のリーダーシップが重要になりそうだ。初戦の相手は難敵・関西。この好カードを制して一気に波に乗っていきたいところだ。

https://www.youtube.com/watch?v=Q8XOFm2ho7Y

同じ関東地区だと習志野が手ごわい存在だ。今春の関東大会で優勝。しかも、ここ2年連続で春の関東大会で日大三を倒している。エース吉永が登板していなかったとはいえ、日大三としては嫌なイメージがあるだろう。小林監督は千葉県大会でベンチ入り選手すべてを起用。投打に層の厚さが持ち味だ。投手陣は5人の好投手を擁する。エースは背番号1の泉澤。140キロ台中盤の真っすぐを武器に力で押す投球が持ち味。ここに2年生の技巧派左腕・在原や同じく2年生の長身右腕の大野に木村光などそれぞれ特徴の異なる投手を使い分ける。継投を視野に入れながら戦い、連戦になればなるほど強みを発揮しそうだ。打線は試合によって打順が変わる猫の目打線だが、その中で選手たちが考えて役割をこなすクレバーさがある。相手にとって要注意なのがショートの宮内。俊足を活かして塁に出ると足で相手守備陣をかく乱する。宮内でチャンスメークをして、藤井・皆川や1年生の大器・松山の前にチャンスを作りたい。打順に関係なく送りバントを要求するなど1点に対する執念の強さは特筆ものだ。また、習志野高校は吹奏楽部も全国屈指の名門。応援の力もアドバンテージになるだろう。投打に柔軟でしたたかな戦いのできる名門校が虎視眈々と3度目の夏制覇を狙っている。

https://www.youtube.com/watch?v=FulWfA63iU8

復興のシンボル・東北勢では聖光学院が優勝候補に名乗りを挙げる。昨年広陵・履正社と強豪を連覇したエース斎内(阪神)はさらにスケールアップ。決め球のスプリットは威力抜群だが、それに加えてストレートの威力がアップ。昨年よりも10キロ体重を増やしたことが功を奏した。緩急がしっかりとつくようになったことで、打者のバットを差し込めるようになった。福島大会では34イニングで実に60奪三振。ピンチでは三振で切り抜けられる。2番手の芳賀もMAX140キロを超す好投手で、相手打者の裏をかく投球ができる。強力2枚看板は大会でも屈指の投手力だ。打線は好機で畳みかける攻撃が光る。第1ストライクから積極的に打っていき、中軸の遠藤・芳賀・福田が好調だった。機動力も健在で打てないときの突破口もある。震災後練習ができない状況もある中で、苦難を乗り越え成長してきた。東北勢悲願の初優勝へとエースを押し立てて突き進む。

https://www.youtube.com/watch?v=8exJUF_McW4

地元近畿勢では智弁コンビが力を秘めている。

奈良の智弁学園は青山(オリックス)-中道(オリックス)の2年生バッテリーを強打で押し立てて同校初の頂点を狙う。青山は昨秋の県大会ではのちに近畿王者となるライバル・天理を完封。最速144キロのストレートにスライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な球種を混ぜて打ち取っていく。県大会ではライバル天理が不祥事で出場辞退だったが、「天理がいても智弁だったと思わせたい」との意気込み通り好投を見せた。2番手の小野もスライダーの光る好投手で青山とライバル関係で成長してきた。打線は奈良県大会新記録の10ホームランを記録。青山・中道のバッテリーが3ホームランずつを放ち、その他、小野山・横浜・大西ら長打力のある打線で圧倒した。また、浦野・住谷ら小技の使える打者もそろう。小坂監督自身も甲子園ではつなぐ野球を心掛けるつもりだ。スタメンに2年生の多い若いチームだが、3年生が下級生のミスをカバーするチームワークの良さも光る。投打にスケールの大きな戦力で天理に押されがちだった流れを断ち切り、甲子園初優勝を狙う。

https://www.youtube.com/watch?v=bPDc1cm8zKQ

智辯和歌山は5季連続の甲子園出場。そのすべてに出場している捕手・道端を中心に経験豊富な面々で上位を狙う。投手陣の引くとなるのは左腕の青木。昨秋は横一戦だったエース争いから抜け出した。キレのあるまっすぐにスライダー、チェンジアップを低めに集めて和歌山大会では1失点完投した。長身サイドスローの上野山もコントロールで勝負する技巧派で慣れない球筋に打者は苦しむ。打線の軸は4番捕手の道端。左右両方向に飛ばす力があり、5割近い打率を誇る中距離ヒッターだ。3番の山本は長打力ではチーム1の存在。その他、嶌・川崎の2年生も4割台の打率を誇った。また、17盗塁と例年より機動力もあり、得点パターンは多い。高嶋監督は最多勝利の記録を更新中でさらなる上積みが期待できる。例年に比べ打線の破壊力は劣るが、粘り強さと経験値で上位進出を狙う。

https://www.youtube.com/watch?v=RXj3zhfw3b8

東東京代表の帝京も力がある。昨年・一昨年のチームに比べて若いチームだが、エース伊藤(元DeNA)に4番松本(日本ハム)と投打に太い柱を擁して頂点を狙う。2年前の夏にスーパー1年生として甲子園デビューした伊藤拓郎もついに最上級生となり、秋春は東京大会で早期敗退したが、この夏はゆったりしたフォームに改良して好結果を得た。最速148キロのストレートを武器に甲子園で復活を証明したい。2年生左腕の石倉・渡辺らも控えており、分厚い投手陣を誇る。その投手陣を支える捕手はなんと1年生の石川亮(日本ハム)。前田監督にも物おじしない強心臓の持ち主で、帝京史上最高の捕手と評価されている。打撃の中心は4番ショートの松本。昨年から体重アップに成功し、東京大会では6割近い打率で3ホームラン。決勝の関東一戦でも勝負を決める2ランホームランを放った。一昨年・昨年と優勝候補に挙げられながらベスト8で敗退。今大会はある意味前評判はその時ほど高くはないため、気楽に望めるだろう。勝ち進むごとに成長する若いチームが3度目の夏制覇を狙う。

https://www.youtube.com/watch?v=RZbl4o6jMIM

中国地区では関西が強い。近年、サヨナラ負けが続いたり、ここ2年連続で選抜で優勝校と当たったりと不運続きだが、実力は全国クラス。今大会で悲劇の関西の幕を引き払いたい。

投手陣は2度選抜を経験している左腕・堅田、右腕・水原の強力2枚看板。春以降、堅田が調子を崩す中で、水原が好投。球威のあるまっすぐで相手を押し切る投球を見せる。堅田も140キロ台の真っすぐと鋭いスライダーを持ち、本調子なら打ち崩すのは困難。そんな中、打撃ではチームトップの打率を残し、バッティングでチームに貢献した。打線の軸になるのは4番の渡辺(DeNA)。天性の長打力を持ち、彼の前にランナーをためたい。春以降急成長した2年生の佐藤が3番で好結果を残した。岡山大会では9回裏3点ビハインドを追いつくなど粘りも併せ持つ。小倉・福井・妹島ら足も小技もある打者もいるだけに甲子園ではもう少し機動力を使いたい。初戦の相手が優勝候補・九国だが、ここを制すると波に乗るだろう。怖い存在であることは間違いない。

https://www.youtube.com/watch?v=R1HnlV6tWpI

以上に出てきたチームが優勝争いの中心になりそうだが、実力校はまだまだひしめいている。

選抜優勝の東海大相模を退けてきた横浜はロースコアの接戦を制して勝ち上がってきた。投手陣は2年生右腕の柳(中日)が先発し、同じく2年生の左腕・相馬が抑えるパターン。柳は手元で伸びるストレートで内角を果敢に攻める投球を見せる。左腕の相馬はキレのあるスライダーを武器にピンチを乗り切る。打線は1番乙坂(DeNA)と3番・近藤(日本ハム)が中心。乙坂は春以降首相に就任し、周りにアドバイスを送るなど成長が見られ、積極的なプレーでチームを鼓舞。近藤は勝負強い打撃で決勝では桐光学園の150キロ右腕・柏原からサヨナラタイムリーを放った。チームホームランは0ながら送りバントやプッシュバントを絡めた多彩な攻めで1点をもぎ取ってくる。投打とも派手さはないが、洗練された野球を展開するあたりはさすが横浜。甲子園でも対戦相手にとっては実に嫌なチームだろう。狙うはもちろん神奈川勢の春夏連覇だ。

https://www.youtube.com/watch?v=AcqjYleQUio

不気味なのが大阪から初出場の東大阪大柏原。府大会決勝では大阪桐蔭相手に一時5点のビハインドを逆転。長身右腕・藤浪(阪神)を相手に逆らわない打撃で攻略。上宮で選抜優勝経験のある名将・田中監督が指揮を執り、初めて大阪を制した。中心になるのは4番の石川(日本ハム)。通算ホームラン55本のスラッガーはプロ顔負けのスイングスピードを誇り、6割近い打率でチームを引っ張った。そのスイングスピードを計測する機械をチームで購入。具体的な数値が出ることで選手のやる気を引き出した。投手陣は2年生の福山がエース。140キロ台のストレートとスライダーを持つ本格派だ。左腕の白根は決勝で福山が大阪桐蔭に打ち込まれたあとを受けて登板。鋭いスライダーを武器に後続を断った。今春の府大会準々決勝で選抜4強の履正社を撃破。自信を得たチームは決勝でも大阪桐蔭に3-6と敗れはしたが善戦。そして、本番の夏についに強敵を下した。無印のチームが甲子園をかき回すつもりだ。

https://www.youtube.com/watch?v=wJRpm0T883U

春夏連続出場の光星学院も力のあるチームだ。エース右腕・秋田は右スリークオーターから140キロを超すまっすぐとスライダーで押し、県大会ではライバル青森山田戦で乱れた以外は崩れることはなかった。春以降、肘の位置を少し下げたことで制球が安定した。もう一人の右腕・川上(ヤクルト)も140キロ台の真っすぐを持つ。打線は2年生が元気。2番天久、4番田村(ロッテ)、5番北條(阪神)が打率5割以上をマークした。決勝では3番川上、4番田村が連続ホームランを放ったように長打力は出場チームの中でも屈指。ヒットの3割強が長打で占められ、甘い球は確実に長打にする。マウンドより近い位置から投げてもらう近距離バッティングの成果が出た。力強い野球で上位進出を狙う。

https://www.youtube.com/watch?v=qcEmpi51TFI

同じく東北勢の花巻東ではスーパースター候補の大谷翔平がついに全国の舞台でベールを脱ぐ。春の県大会でMAX147キロを記録。左太ももを痛めて県大会では投球できなかったが、甲子園本番での投球に期待が集まる。エースが投げられない間、大谷と同じく2年生の小原、佐々木毅が成長。小原は決勝で完封勝利を飾った。決して、大谷だけのチームではない。打撃でも大谷のすごさは際立つ。左右に長打をはじき返せるパンチ力は上級生顔負け。甲子園でも自慢の長打力を見せたい。2年生中心のチームだが、3年生も負けてはいない。中軸の杉田、橘は決勝で先制の3点をたたき出すなどチーム内の打点の4割を2人でたたき出した。若いチームではあるが、潜在能力は高く、初戦の帝京戦を制すれば一気に上位に食い込む力を持つ。

https://www.youtube.com/watch?v=lXIM1mPKB1I

帝京―花巻東と同じく初戦屈指の好カードとなった明徳―北海の両者も好チームだ。

明徳は選抜で日大三に惜しくも逆転負けを喫して甲子園の連勝記録が止まったが、夏は

高知大会を勝ち抜いて春夏連続出場を決めた。エース左腕の尾松は球速は早くないが、ボールの切れとコントロールは抜群。準々決勝では1年寺に明徳に在籍した投手のいる高知中央と対戦。1年時は尾松のほうが力が下だったが、3年夏は彼が投げ勝った。歴代のエースの中で最も走りこんだという練習量を自信に甲子園本番に臨む。4番の北川(楽天)は大会序盤は苦しんだが、決勝で3安打を放ち復調の兆しを見せている。決勝では最後1点差でライト後方への打球を中平が好捕。鍛えられた守備力も大きな武器だ。選抜で果たせなかった1勝を果たし、上位をうかがう。

https://www.youtube.com/watch?v=VXeQrDUNxBw

選抜で8強入りを果たした北海は夏も8強以上を目指す。2年生エースの玉熊は変則的なテークバックからキレのあるストレートとスライダーを投げ込む技巧派右腕。決勝では駒大苫小牧の攻撃に苦しんだが、延長10回を粘り抜き勝利をものにした。2番手の西村も成長。玉熊の負担を軽くしてきた。守備力も内野を中心に鍛えられており、再三の好守で玉熊を助けた。打線は送りバントで確実にランナーを進め、タイムリーで返すオーソドックスな攻撃を見せる。選抜の天理戦で決勝のタイムリーを放った松本が成長して3番に昇格。4番の川越は選抜でホームランを放っており、長打力を秘める。下位にも勝負強い打者が多く確実に得点を刻む。攻守に堅実な野球で再び躍進が期待される。

https://www.youtube.com/watch?v=Nw8ZFC8EbSw

金沢は最速152キロの剛腕・釜田(楽天)を擁して選抜初戦敗退の雪辱を期す。北信越勢では屈指の実力を誇る。釜田は選抜の加古川北戦では序盤に飛ばしすぎて中盤以降失速。春季大会でも延長15回完投し、腕はパンパンになった。その結果、連投のできるスタイルに切り替え、変化球でうまくカウントを整えて打たせる投球を身に着けた。石川大会前に習得したチェンジアップも大きな武器となった。打線は選抜の完封負けから強化を図り、1番桜吉、3番中村、5番石田の左打者を中心に長打力を増した。浅井監督の標榜する丁寧な野球で、投手を中心とした守りからリズムを作って勝利を目指す。

https://www.youtube.com/watch?v=dZbjavULffM

東洋大姫路にも好投手・原樹里(ヤクルト)がいる。最速145キロのストレートはきれいな縦回転でミットに収まる。これにキレのある変化球を混ぜて、コントロールよく投げ込むと打者は手が出ない。何よりマウンドの立ち姿に美しさがあり、今年度近畿地区No.1の投手だろう。決勝では選抜8強の加古川北と延長引き分け再試合にまでもつれたが、その再試合は見事な完封勝利だった。その原を援護したい打線だが、兵庫大会ではコールドは2試合のみ。4番の増田や俊足の林ら好打者はいるだけに打線のつながりをよくしたい。守備は伝統的に固く、ショートの主将・中河を中心によく守る。ここ最近は出場すれば必ず2勝以上している同校。今回も上位進出を狙う。1にも2にも打線次第になりそうだ。

https://www.youtube.com/watch?v=vVGi4ukBeiE

開星は2年連続の甲子園。山陰の剛腕・白根を擁し、野々村監督最後の夏を飾りに行く。

白根は自身3度目の甲子園。186㎝の長身から最速145キロの真っすぐを投げ込む。内角を攻める投球も光り、大会終盤になるにしたがって調子を上げた。2番手の森も188㎝の長身からフォークやスライダーで打ち取る。今大会最長身のツインタワーだ。打線でもこの2人が中心で34番を打つ。島根大会ではチームで大会タイ記録の9ホームランを放ち、長打力を見せつけた。また、白根はミート力も巧みで硬軟織り交ぜた打撃ができる。大畑はチーム唯一の左打者で攻撃にアクセントを加える。甲子園では投手のレベルが上がるため、つなぐ攻撃ができるかが重要になりそうだ。昨年は仙台育英相手に悔しい敗戦を喫しただけにまずは1勝をものにしたい。

https://www.youtube.com/watch?v=DrE0O4Dfyhw

花咲徳栄は10年ぶりの甲子園。秋初戦敗退のチームが埼玉大会で快進撃を見せた。エース右腕の北川は捕手・白石の激励もあり、逃げない投球を披露。準決勝では秋の関東王者・浦和学院を相手に14安打を浴びるも粘り強く投げぬき2点に抑え込んだ。本番でも相手に向かっていく投球を見せたい。打線は集中打が持ち味。3番の大塚は昨年の選抜を唯一スタメンで経験している。小柄ながら左右に長打を打ち分ける好打者だ。走塁への意識も高く、センター田中の俊足は攻守に貢献度大だ。岩井監督に谷間の世代と言われたチームが最後の夏に甲子園で大暴れする。

https://www.youtube.com/watch?v=TSEOnJnRyBY

海星も力のあるチームで初戦の東洋大姫路戦は屈指の好カードだ。前年夏は決勝で敗れたが、今年は決勝で強打・清峰との打撃戦を制した。準決勝まではすべてコールド勝ちと強力打線が持ち味だ。3番の永江(西武)は打率0.5563ホームラン。左打席からヘッドスピードの速いスイングで鋭い打球を放つ。1番江越や5番射場らスタメンには打率4割台の打者が並び、穴のない打線を形成する。投手は技巧派の牧瀬と速球派の永江の2枚看板。永江は夏前に投球練習があまりできていなかったが、決勝では意地の好投を見せた。初戦の相手の好投手・原に強力打線が襲い掛かる。

https://www.youtube.com/watch?v=xUWYWxFBQe4

英明は2年連続の甲子園出場。香川のランディ・ジョンソンのいみょうを持つ左腕・松本(元巨人)は制球難が課題だったが、精神面が安定したことで克服。145キロのストレートに鋭いスライダー、カーブ、フォークを織り交ぜて6試合で61三振を奪った。昨年から4番を打つ中内はフルスイングが持ち味でヒットの大半が長打。1番の西岡や3番の渡辺も昨年からの経験者でともに打率5割を超す。上位打線はかなり強力だ。投打に柱を擁して昨年果たせなかった1勝を狙う。

https://www.youtube.com/watch?v=Pd21lFWRNF8

龍谷大平安は2年ぶりの甲子園。例年の守備重視の野球から今年は豪快に長打で攻める野球へモデルチェンジを果たした。勝負所で出る集中打は他を圧倒。決勝では好左腕の川部・福本を擁する立命館宇治を打ち砕いた。打線は2年生が多く、4番の高橋(広島)は豪快なスイングで3ホームランを放った。5番の主将・小嶋は決勝戦で貴重な追加点のタイムリーを放つなど3年生も負けていない。エースは3年生の左腕・太田。春先から投手を始めたが、内角を強気につくストレートで打者を抑え込んだ。2年生の速球派右腕・田村の出来も重要になる。従来のイメージをかわす野球で上位進出を狙う。

https://www.youtube.com/watch?v=GngWdZl6wSw

神村学園は4年ぶりの甲子園。王者・鹿実が準決勝でまさかの敗退を喫する中で強力打線で勝ち抜いた。3番坂口、5番岩本は5割近い打率でチームを牽引。機動力も併せ持っており、準々決勝では樟南の好左腕・戸田(広島)を1イニング7得点の息もつかせぬ攻撃で一気に沈めて見せた。投手陣はスライダー、カットボールが武器の小さなエース久保とMAX145キロの2年生右腕・柿沢の2枚看板で勝負する。鹿実を目標に磨いた実力を甲子園でも見せつける。

https://www.youtube.com/watch?v=TwyIPGYj3kY

その他、今大会注目の投手としては、唐津商業の150キロ右腕・北方(元DeNA)や伊勢工業の好左腕・中川(中日)、徳島商の剛腕・龍田祐、山口大会で失点わずか2の細身の2年生エース・矢沢、昨年・鹿実に15-0の大差で敗れた悔しさをばねに成長した能代商業・保坂、古川工の快速右腕・山田らが挙げられる。

能代商は奇しくも再び鹿児島勢の神村学園と対戦。リベンジに燃える。

https://www.youtube.com/watch?v=gu_akGG2zVA

https://www.youtube.com/watch?v=21M3jTuERuE

https://www.youtube.com/watch?v=bpWKJsxzfKQ

如水館はエース浜田、明豊は主砲・稲垣と1年時に甲子園を経験した選手が中心になって甲子園に戻ってきた。如水館は3番・金尾の打撃援護、明豊は高尾・岡本の左右2本柱の出来がカギを握るだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=UhqK5716FJg

https://www.youtube.com/watch?v=DvurFQA-hho

日本文理は春夏連続の甲子園出場。決勝では連覇を狙うライバル新潟明訓をサヨナラで下した。初戦の相手がいきなり日大三となったが、田村・波多野の2年生右腕コンビで立ち向かっていく。打撃練習では長さ1mのロングバットでの振り込みを敢行。打力を磨き上げてきた。1年からレギュラーの3番湯本、4番の主砲・高橋洸(巨人)を中心に打撃の文理たるゆえんを見せたい。

https://www.youtube.com/watch?v=mkPos1F_MUQ

開幕戦を戦うのは名門・今治西と群馬の新鋭・健大高崎。今治西はエース林をはじめ昨年の選抜を経験した選手を4人擁する。四死球・盗塁が多く、つなぐ野球で集中打が持ち味。対する健大高崎は機動力が武器。6試合で28盗塁は大会記録だった。先発の右腕星野から抑えの左腕エース片貝につなぐ。ともにスライダーが武器だ。お互い開幕戦で緊張する中で自分の持ち味を出したい。

https://www.youtube.com/watch?v=gCGBZKCQoqA

作新学院と福井商の伝統校対決は実に33年ぶりの対戦となる。決勝で17得点の作新の強打を福井商の好投手・山本が抑えられるか。作新は2年生右腕大谷と1年生捕手山下の若いバッテリー。三好、近藤ら好打者を擁し、チーム打率4割台の福井商行打線に挑む。

https://www.youtube.com/watch?v=zImk-4tiLXQ

山梨学院大付の4番小林は山梨大会4試合連続5ホームランの離れ業。2年生とは思えないパワーを見せた。小林を中心に5試合すべて二けた安打。チーム打率は4割を超える。社会人野球・東芝の左のエースだった須田監督は2年前の夏に監督として初めての甲子園出場。しかし、初回に7失点を喫して同年ベスト4の県岐阜商に敗れた、今回は守りの野球を掲げており、その中心となるのが左腕の広瀬。5試合で6四死球と制球力に長ける。2年前のリベンジへ戦力は整った。

https://www.youtube.com/watch?v=W_px6l1iIJA&spfreload=10

名門・静岡はスタミナ抜群の左腕エース原崎が軸。失点は多かったが、ピンチに強かった。打線では4番の小川は打率5割で三振01番の高階は2試合連続の1発を放った。バントも重視しており、堅実な攻めを見せる。初戦の相手が強敵・習志野だが、歴史なら負けてはいない。意地を見せたい。

https://www.youtube.com/watch?v=aXic1hhkMio

同じく東海地区で岐阜から初出場の関商工は準々決勝で大本命の大垣日大を撃破。好左腕・葛西を打ち崩した。6試合中3試合を1点差で制した粘り強さが持ち味だ。エースで4番の内城の出来がカギを握る。

https://www.youtube.com/watch?v=I78ra6aJ6ig

鶴岡東のエース佐藤や藤代の2番手・内藤ら変則左腕の活躍にも期待したい。藤代のエース鵜沢は準決勝で優勝候補筆頭の常総学院を完封。決勝では劇的な逆転サヨナラ勝ちで勢いに乗っている。

https://www.youtube.com/watch?v=3UzXi3MLaWE

白樺学園は2度目の出場ながら確かな打力を誇る。3番小林、4番岡田はともに1発放り込む力を持ち、鋭いスイングはチーム打率3割前半以上の迫力がある。エースの小林は昨秋から投手を始めたが、140キロの球速を誇る。もう一人の右腕・川越も粘り強い投球を見せる。まず甲子園初勝利を目指して鳥取商と対戦する。

https://www.youtube.com/watch?v=uR-ImPWbIY0

近年躍進著しい沖縄からは糸満が初出場。1番神里、3番宮城知を中心に足の速い選手が揃う。機動力豊かな攻撃で上位から下位まで得点力があり、エース山城を援護する。中部商を2度甲子園に導いた上原監督のもと、躍進を狙う。

https://www.youtube.com/watch?v=81jMkF61ido

八幡商業は決勝で北大津の好投手・岡本を集中打で攻略。3番主将・白石、5番の勝負強い遠藤の前にチャンスを作りたい。エース吉中は被安打は多いが、変化球を低めに集めて粘り強く投げぬく。天八魂で1勝を狙う。

https://www.youtube.com/watch?v=RW7skc8IMp4

新湊は富山の大応援を従えて再び甲子園にやってきた。エース袴谷を中心に粘りの野球で決勝も逆転勝利。1番加藤は7割近い打率を誇る。初戦の相手は強打の平安だが、打力は決して負けていない。新湊旋風を見せられるか。

https://www.youtube.com/watch?v=DImn_gKu9Dw

至学館は愛知から初出場。私学4強(中京、名電、東邦、享栄)の壁を破った。打線では2ホームランの手崎、打率3割後半の鈴木、小関らが中心。6人の投手で回す投手力が不安だが、右本格派・左腕・右サイドとタイプの異なる投手を多くそろえており、継投でしのぎたい。

https://www.youtube.com/watch?v=0NSh0PAoJOM

鳥取商業は右サイドのエース橋本が成長。鳥取大会では3試合を1点差で粘り強く制した。前回出場時に果たせなかった初得点・初勝利を目指す。

https://www.youtube.com/watch?v=yomscvTmyU4

専大玉名、東京都市大塩尻はともに初出場。守りの野球で1勝を狙う。専大玉名は江藤・園道に2枚看板が、東京都市大塩尻は堤・吉田の2年生二遊間の守備力が重要となる。

https://www.youtube.com/watch?v=VcvSAOvftZ8

https://www.youtube.com/watch?v=3Jirvr_ihT8

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