2012年夏の甲子園振り返りまとめ

2012年

大阪桐蔭が史上7校目の春夏連続優勝を達成。史上初となる春夏連続同一カードとなった決勝戦を制した。大会に入っても一度もリードを許すことなく、無風で優勝した感が強い。近年でもこれほど圧倒的に勝ち上がったチームはなかなかないと思われる。エース藤浪(阪神)の好投とタレントぞろいの強力打線がかみ合い、危なげない内容だった。

史上初の3季連続の甲子園準優勝を記録した光星学院は素晴らしい成績を残した。春夏ともに大阪桐蔭の前に散ったが、田村(ロッテ)・北條(阪神)を中心とした強力打線は素晴らしく、投手陣も金沢・城間の右の2枚看板が安定して試合を作った。

ベスト4の明徳義塾と東海大甲府はそれぞれしたたかな野球で4強入り。強豪校の貫禄を見せる内容だった。

ベスト8の顔ぶれを見ると、関東勢が38強入り。ベスト16にも5校残り、元気なところを見せた。例年と比べると少し番狂わせと言われるような試合は少ない大会だった。

大会で衝撃的な存在だったのは桐光学園の松井裕樹(楽天)。初戦の22三振に始まり、4試合で計68三振と大谷翔平(日本ハム)が予選で消えた寂しさを吹き飛ばす活躍を見せた。

全体的に打高投低の大会でホームランは56本を記録。龍谷大平安・井沢、光星学院・天久、倉敷商・藤井、桐光学園・鈴木、大阪桐蔭・森と5本の先頭打者ホームランが、しかもそのうち4本は3回戦以降で飛び出した。相手投手を丸裸にするというよりは、自分から打っていくスタイルの1番バッターが増えてきた印象がある。また、エンドランを多用するチームも多く、攻撃的野球がトレンドになってきている。

大阪桐蔭は盤石の野球で春夏連覇を達成。西谷監督いわく春は「粘って負けなかった」が、夏は「勝ち切った」と言える勝利だった。初戦は2回戦からと日程的にも余裕のある展開。1回戦は激戦区千葉を勝ち抜いた木更津総合だったが、140キロ台の速球を投げ込む黄本相手に打線は初戦から爆発。初回に大阪大会の打率25分だった笠松がいきなり2点タイムリー。選抜に続いて甲子園男ぶりを発揮すると、中盤には選抜の骨折から復活した田端と笠松がホームラン。藤浪も序盤は相手4番の高野に1発を浴びるなど苦しんだが、徐々に復調。2失点完投勝利を収めた。3回戦は濟々黌相手に序盤は先発・澤田(オリックス)が暴投で失点して追いつかれる嫌な展開。しかし、中盤以降に澤田・森(西武)・田端のホームランで加点し、62と勝利。9回は満塁のピンチを招くもしのぎ切った。嫌な流れだったが、個人能力で勝利したともいえる内容だった。

エース藤浪(阪神)と剛腕・澤田(オリックス)の2枚看板がいた大阪桐蔭だったが、打線の良さも際立っていた。大阪府内の高校の監督が「全盛期のPLに匹敵する」というほど。抜群のミート能力と長打力を持つ1番森、打率こそ低いがつなぎの仕事を自在にこなす2番大西、両手の握力が60キロを超えて逆手の押し込みが強い3番水本、アウトコースのボールにめっぽう強いパワーヒッター田端、柔らかい打撃が持ち味の5番安井、甲子園での勝負強さが光る6番水本と多士済々な面々が並んだ。下位にも白水、藤浪と長打のある打者が並び、相手投手が息の抜けない打線だった。準々決勝では昨秋唯一公式戦で敗北した天理を森の先頭打者弾などで返り討ち。準決勝では明徳義塾の右サイド福永に苦しむも、中盤安井のタイムリーで攻略した。

エースの藤浪は試合を追うごとに成長。150キロ台の速球にカットボール、スライダー、チェンジアップ、フォークと球種も多彩。内外のコントロールも投げるたびに精度が上がっていった。藤浪に限らず、このチームがすごいところは選抜優勝に誰一人おごることなく成長し続けたところ。優勝しながらどこよりも勝利に渇望したきた強さがあった。西谷監督就任後、初めて3季連続で甲子園を逃したことが勝利への飢えをここまで強くしたのかもしれない。選抜決勝でホームランを打った小池がスタンドで旗を持ち、近畿屈指の左腕と言われた3番手の平尾が一度も甲子園で出番なく終わってしまった選手層の厚さもすごいものがあった。また、ショートの妻鹿を中心に守備も堅守

決勝は選抜に続いて光星学院と対戦。東北勢初優勝を狙う光星の方が勢いを感じたが、藤浪森のバッテリーが田村・北條の34番を完全に封じた。数々の好投手を打ち砕いてきた最強コンビを外角のボールの出し入れで抑え込む。中盤には内角球も混ぜるなど1試合通しての配球で抑え込んだ。真っすぐにめっぽう強い1番天久にはほぼ変化球のみで攻めるなど相手を見ての配球ができていた。打線は不調だった白水のホームランとバントエラーでの2点による計3点だったが、この日の3点は光星学院にとって計り知れない重さの3点だった。3点目が入った時の光星・田村の表情がそれを物語っていた。結局選抜で計5安打を許した田村・北條を9回の田村のヒット1本に抑える完勝。この5年間で3度の甲子園優勝と大阪桐蔭時代を告げる勝利だった。

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光星学院は3季連続の準優勝。田村・北條の中軸をドラマチックな勝ち上がりを見せた。初戦は常連校の遊学館を相手に城間が春夏連続となる完封勝利をマーク。選抜よりも球威が増し、自慢のコントロールと相まって遊学館を翻弄。小林・谷口と1年生から主力を張った面々が揃う打線を寄せ付けなかった。打線も8番木村の活躍で得点し、9回には北條のセンターバックスクリーンへのホームランでダメを押した。

3回戦では神村学園と昨秋の神宮大会の再戦。1年間九州地区負けなしの強豪の挑戦を受けたが、序盤から光星学院が圧倒。この試合から光星学院の上位打線が大爆発した。リベンジに燃える光星学院の速球派右腕・柿沢(楽天巨人)のストレートを狙い撃ち。1番天久が先頭打者ホームランを流し打ちでレフトポール際に放り込むと、4番北條は高め速球をものの見事に引っ張ってレフトスタンドでホームラン。相手の心をへし折るには十分な当たりだった。2人に刺激を受けた3番田村も3回に高めのストレートをジャストミートしてスタンドイン。チームの顔ともいうべき3人の1発で50とリードした。中盤詰め寄られたが、光星打線も2番手の技巧派左腕・平藪を攻略。結局94と大差で九州王者を返り討ちにした。

準々決勝では今大会再注目ともいえる好カード。桐光学園の松井裕樹と光星の強力打線の対戦となった。序盤は松井裕樹のスライダーに手も足も出なかった光星打線だったが、試合の中で徐々に対応。浦添商や常総学院が様々な策を使って攻略しようとしたなかで、光星学院は近距離打撃で鍛えた自分たちのフルスイングを崩さずに攻略していったのはさすが2季連続で決勝に進んでいるチーム。自分たちの野球に全くブレがなかった。また、失敗には終わったが、重盗を敢行するなど足でもプレッシャーをかけた。8回、8番木村のヒットからチャンスをつかむと、田村がストレートを、北條がスライダーをきっちりたたいて3点先取。田村は初回の打席と比べると足の上げ方を若干すり足気味にして松井の速球に対応した。そして、もう一人のエース金沢が素晴らしい投球。角度のある速球と落ちるボールを駆使して、桐光学園打線をわずか3安打で完封した。準決勝では東海大甲府の速球派右腕・本多を早々と攻略。北條の2打席連続弾、田村の3ランなどで93と完勝を収めた。

決勝では春に続いて大阪桐蔭と対戦。東北勢初優勝への機運は高まっていたが、この日の藤浪はけた違いの出来。コントロールミスも少なく、その上森とのコンビも抜群。見事な配球で抑え込まれてしまった。特に1番天久、3番田村、4番北條の3人で合わせてヒットが1本。準決勝までの25得点のうち7割ほどはこの3人がたたき出していたのだから、彼らが抑えられると苦しかった。また春から夏にかけてクロスステップの打法に変えて打撃が急上昇していた5番大杉もこの日は不調。準決勝まで5割付近の高打率をマークしていたが、決勝ではバント処理を悪送球して痛恨の2点を献上し、打席でもノーヒット。この日は挑戦者の光星学院の方にどちらかというと固さが目立つ展開となった。ただ、この日の藤浪の出来だとその2点がなくても結果は変わらなかった気がするし、準決勝まで大活躍の彼を攻めることはできないだろう。東北勢通算10回目となる決勝戦はまたしても準優勝に終わったが、3季連続の決勝進出はまぎれもない大偉業だった。

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明徳義塾は夏の大会3度目のベスト4入り。寺本(ロッテ)を擁した1998年、森岡(ヤクルト)を擁して全国制覇した2002年と比較すると戦力的には及ばなかったが、見事な戦いでベスト4までコマを進めた。初戦は酒田南と対戦。優勝した2002年の初戦と同じ組み合わせとなった。会沢下妻(楽天)の大型バッテリーを相手に初回3年連続出場の6番捕手の杉原が満塁から2点タイムリー。エースの福は内角速球と外角へのスライダーを配して、6回途中までノーヒットピッチングを展開。終盤追い上げられたが、1点差で逃げ切り完投勝利を収めた。

3回戦の新潟明訓戦は雷雨の中での試合となったが、集中力を切らさず試合を展開。相手の好投手・竹石を相手にワンチャンスを活かし、主将の合田とこちらも1年時から経験豊富な3番伊與田のタイムリーで4点を先取した。投手陣も変則サイドの福永から1年生の速球派・岸への継投で2安打完封勝利。試合巧者ぶりを発揮してベスト8進出を決めた。

準々決勝ではシンカーの使い手の倉敷商・西と対戦。序盤西のシンカーに苦しんだが、中盤以降ストレート狙いが功を奏して攻略。宋のホームランで追いつくと、エース福が自ら2本のタイムリーを放つなどして好投手を攻略した。準決勝では6月の練習試合で破っている大阪桐蔭と対戦。しかし、今回は大阪桐蔭・藤浪の前に打線が沈黙。ただ、先発・福永の好投で中盤まではあわやの展開を作った。8回は継投した1年生岸が大阪桐蔭の上位打線から3者連続三振。次世代のエースへの期待を感じさせた。伊與田・杉原ら小柄ながらも野球センスのある選手が多く、過去2回ベスト4入りした時の大型チームとはまた違った良さがあるチームだった。

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東海大甲府は8年ぶりの出場でその8年前に並ぶベスト4入り。春夏通算で5度目の4強入りとなった。初戦は成立学園との対戦となり、関東屈指の好投手・神原が仁王立ち。力のある速球とスライダー・シンカーで打者を翻弄。初出場の相手を3安打でシャットアウトした。また、ショート渡辺(日本ハム)とセカンド新海のアライバプレーも観衆を魅了・大会の入りあとシーンの一つとなった。

2回戦では強打を誇る龍谷大平安との対戦となったが、神原が相手打線の速球狙いを逆手にとって変化球主体の投球で翻弄。初戦2ホームランの1番井沢、主将の3番久保田、プロ注目の4番高橋(広島)の上位打線に全く仕事をさせなかった。打っては1番渡辺と3番山本で7安打を記録。特に渡辺はフォロースルーの大きい打撃で外角のボールを引っ張ってホームランするなど大活躍を見せた。3回戦に入っても渡辺の活躍は続き、2点ビハインドの場面で右中間にタイムリー3塁打。少しこすったようにも見えたが、そんな影響は全く感じさせない打球が相手外野手のはるか上を超えていった。終盤エンドランでチャンスをものにして勝ち越し点を奪うと、最終回は自慢の二遊間が打球をさばいて、1点差で勝利をものにした。

準々決勝では優勝候補の一角の作新学院と対戦。3番山本の活躍などで序盤からリードを奪うと、エース神原は13安打を浴びながらも4失点で完投。下馬評の高かった相手を84で寄り切った。しかし、光星学院戦は前日完投の神原を先発させることはできず、代わりに投げた本多が光星学院・北條の2発を被弾。前日強打の作新学院が相手だったことを考えると、神原の起用法をやむを得ないところ。4強に入ったチームのうち唯一1回戦からの登場で過密日程になったことも響いた。3回戦まで大活躍の渡辺も最後の2試合は計1安打に終わり、最後は田村にダメ押しの3ランを献上して93で敗れた。ヒットエンドランを多用した攻撃に二遊間を中心に鉄壁の守備陣と見どころの多い好チームだったが、決勝を前に涙を飲む結果となった。

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ベスト84チームもそれぞれ見どころの多いチームだった。

神奈川・桐光学園の松井裕樹(楽天)の好投は今大会でも12のハイライトだった。今大会は桐光学園にとって意味の大きな大会だった。なぜなら県大会で初めて横浜高校を直接倒しての優勝だったからだ。これまで3度の大会ではいずれも反対の山で横浜高校が負けての出場だったが、今回は自力で選抜8強の横浜を倒しての優勝だけに意味の大きい優勝だった。初戦は愛媛の伝統校・今治西が相手だったが、松井は序盤から松井のスライダーに全くタイミングが合わない。今治西のキーマンの3番笠崎も3三振に切って取るなど、点を取れる気配が全くなかった。今治西はスライダーの曲がりが大きいため、中盤以降バットを長めに持って対応しようとしたが、余計に当たらなくなり万事休す。松井自身の3ランなどであげた7点を22奪三振の完封で守り切って素晴らしいスタートを切った。

2回戦は常総学院と関東対決。序盤から主将・田中の活躍などで主導権を握り、常総学院の投手陣を攻略。常総学院は打席の中で前にステップして対応しようとしたが、それを桐光バッテリーはそれを逆手にとって対応。常総も後半に猛反撃し、2年生の高島・内田(楽天)や主将・杉本のヒットで5点を返したが、結局19三振を奪われる結果となった。3回戦の浦添商はノーステップ打法を駆使。しかし、ここでも桐光学園バッテリーが打たせて取る投球にシフトし、三振数こそ減ったが無失点で進行。打線も1番鈴木の先頭打者弾と2点タイムリーなどで4点を先取。8回、相手の2番手投手照屋にホームランを浴びたが、ここから松井はギアチェンジ。結局89回は6三振を奪って41で勝利を収めた。この3試合でサード中野のところに打球が一つも飛ばなかったことが松井の投球のすごさを物語っていた。

準々決勝は強打の光星学院と対戦。前日完投の疲れが残る中、松井は懸命に力投。しかし、ここまで毎試合先制点を挙げていた打線がこの日は光星学院・金沢の前に沈黙。疲れのピークの8回についに松井が田村・北條につかまって3点を奪われた。打線も最終回ようやく山口が痛烈な打球を飛ばすなど、金沢をとらえかけたが得点には至らず。松井は4試合で68個もの三振を奪って甲子園を去った。松井の成績はすさまじく、何より一人の投手の一つの球種を巡ってここまで盛り上がった大会も少ないだろう。また、松井や34番の水海・植草をはじめ2年生が多いチームだったが、捕手・宇川、1番鈴木、主将・田中ら重要な場面で活躍した3年生の力も大きかった。学校史上初となるベスト8入りを果たし、桐光学園を一躍全国区の存在にした夏だった。

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名門・天理もベスト8進出。伝統校らしいしたたかな野球で上位進出を果たした。ここ数年毎年優勝候補にもあがる力がありながら不本意な形で敗れ、今年の選抜でも健大高崎の機動力に苦しめられて39と完敗。しかし、今年の夏は一味違った。県大会で青山(オリックス)-中道のバッテリーを中心に優勝候補大本命だった智辯学園が反対の山で敗れる幸運もあり、奈良代表を奪取。エース左腕中谷が腰の疲労骨折で投げられない中、山本・漆原らほかの投手が成長。打線も健大高崎の野球からヒントをつかんで機動力を自分たちのチームに落とし込んだ。

1回戦は宮崎工の好左腕・長峰に苦しめられるも綿世のタイムリー内野安打に好走塁を絡めて逆転勝ち。2回戦は昨秋の中国王者・鳥取城北を相手に2回に大量4得点。2塁ランナーがワンヒットで必ず生還する走塁の良さを見せた。3回戦は優勝候補の一角の浦和学院と対戦。相手エース佐藤拓也が出てくる前に、山口・小島の控え投手から大量6点を奪い、試合を決めた。相手捕手の悪送球に付け込んだり、大事な場面で主将・船曳にタイムリーが出るなど会心の内容だった。先発の中谷は中盤の満塁のピンチをしのぐなど強打の浦和学院を相手に2失点完投勝利を挙げた。後ろの投手を信頼するエースにも心の成長が見られた。

準々決勝では昨秋の近畿大会で破っている大阪桐蔭と激突。初回に森友哉の先頭打者弾を浴びるなど、大阪桐蔭が着々と加点。山本中谷のリレーだったが、相手打線を止められなかった、しかし、劣勢のなかでも笑顔の絶えない雰囲気は素晴らしく、9回には6番吉村の1発で藤浪の完封を阻止。力を出し切れずに敗れたここ何回かの大会とは違い、実にさわやかな去り際となった。

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昨年ベスト4の作新学院も2年連続ベスト8に顔を出した。今春までのエース大谷が不調に陥り、技巧派左腕・筒井から右の水沼へのリレーという形になった。また、2年生捕手の山下も打撃を活かすため、ファーストへコンバート。代わりに4番の高山が捕手に入り、バッテリーがまるごと入れ替わる形となった。ただ、そんな事情を補って余りある打力がこのチームの長所。初戦は佐久長聖の強打にさらされてあっという間に4点ビハインドになったが、山梨のタイムリー3塁打などで追い上げると、中盤に代打吉田の逆転ホームランと篠原の3ランで95と完勝。腰を据えてひっくり返す強さを見せた。

2回戦では立正大湘南の技巧派左腕・山下を中盤以降攻略。3番篠原、4番高山の連続ホームランに5番山下の3ランとクリーンアップの一発そろい踏みで193と圧勝した。3回戦では好右腕・渡辺擁する仙台育英と3回戦屈指の好カード。序盤に点を取り合う展開となったが、リリーフした水沼が仙台育英の強力打線を見事シャットアウト。右打者のインコスを突くシュートボールが威力を発揮して得点を許さなかった。終盤鶴田のタイムリーで勝ち越し点を奪って勝ち越した。スコアこそ32だったが、ヒット数は105と内容的には完勝。強力打線対決を制して、2年連続のベスト8を決めた。

準々決勝は東海大甲府と対戦。序盤から3回戦まで割とおとなしかった甲府打線が火を噴いて、山本のタイムリーなどで筒井に襲い掛かった。中盤追いつくも、バントを使って攻めるなど少し作新らしくない攻撃も見られ、同点どまり。終盤追い上げるも、リリーフで登板したエース大谷が打ち込まれ、84と敗れた。強打を前面に押し出して勝ち上がったが、最後はバッテリーを含めたディフェンス面でのひずみが出てしまった印象。大谷山下のバッテリーのまま順調に進んでいけば、大阪桐蔭や光星学院ともためを張れる存在と思われていただけにもったいないと感じさせられた。ただ2年連続の上位進出で伝統校復活は印象付けられた。

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倉敷商は昨夏の関西に続いて岡山県勢として上位進出を果たした。エース西の成長と打線の援護で2勝を挙げ、エース竹本を擁して選抜優勝校の東邦を破った平成元年以来のベスト8進出となった。選抜では作新学院と対戦し、雨中の戦いの中エース西が守備ミスから崩れ、打線も相手エース大谷の内角球に力負けして3得点に終わっていた。しかし、エース西はその後左打者だけでなく右打者へもシンカーを投じられるようになり、打線も力をつけた。決勝では前年選抜出場のメンバーが全員残る創志学園を延長の末振り切って2年ぶりの夏の甲子園を決めた。

初戦は好左腕・竹内諒を擁する松阪と対戦。中盤に逆転を許すも西は必殺のシンカーで11奪三振の力投。打線も終盤8回清水、片山の連続ポテンヒットのタイムリーで逆転。決して派手な逆転ではなかったが、振り切ったために竹内のボールに負けなかった。3回戦は投打ともに完ぺきな内容。初回1番主将・藤井の先頭打者弾で先制。初回に追いつかれるも、中盤以降着実に加点。大物うちはいないが、4番道下を筆頭に上位から下位までセンター方向へはじき返す打撃が目立った。エース西は生涯最高ともいえる投球を披露。無四球10奪三振で1失点完投勝利を収めた。シンカーさえ投げておけば打たれないという自信が垣間見られた。

準々決勝では西が投球されて、試合巧者の明徳に敗れたが、久しぶりのベスト8進出。西の好投が光り、打線もしっかり援護。特に1番の藤井は10打数7安打2ホームランの大爆発を見せた。2008年夏の勝利以来甲子園4連敗中だったが、今大会は会心の内容で伝統校の底力を見せた。

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今大会は3回戦敗退のチームにも好チームが目白押し。それだけ3回戦が面白い大会だったともいえると思う。

この1年九州地区負けなしで臨んだ神村学園は右の速球派・柿沢(楽天)、左の技巧派・平藪の強力2枚看板と足を絡めた攻撃が武器の打線で本大会優勝候補の一角として臨んだ。特に柿沢は鹿児島大会3ホームランで投打での活躍が期待された。初戦の相手は平成の常勝軍団・智辯和歌山。2回に相手のエラーからつかんだチャンスに9番の二河が先制の2点タイムリー2塁打。9番にこのチャンスに強い打者を置けるところがこのチームの強さだった。3点のリードをもらった柿沢は智辯の7番天野に2点ダイムリー2塁打を浴びるも、そのあとは危なげない投球。スコアは32だったが、試合は終始神村が押し気味のペースで推移。常連校を圧倒した。

3回戦は光星学院とのリターンマッチ。昨秋の神宮大会ではタイブレーク制の末、延長で逆転負けを喫した因縁の相手。柿沢をはじめナインは燃えに燃えていた。しかし、初回いきなり天久に先頭打者弾を被弾。さらに北條にも2ランを浴び、先手を取られた。柿沢の直球勝負を読まれていた節もあった。さらに、田村にも高めに浮いた真っすぐを2ランされてまさかの5点ビハインド。そこから6番永尾のうまいタイムリーなど打線がつながりを見せて3点を返すも、中盤リリーフした平藪が打たれて万事休す。自慢の2枚看板が大量9失点では、いくら神村の打線をもってしても苦しかった。光星にあって神村になかった空中戦の威力が勝負を決めてしまった。

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熊本県唯一の全国制覇経験校の濟々黌は1994年以来実に18年ぶりの出場。県大会では優勝候補大本命の九州学院を破って出場してきただけに力はあるとみられていた。初戦は選抜ベスト8の鳴門と対戦。先発・大竹の伸びのある速球を先輩捕手・西口が好リード。打ってもホームランを放ち、攻守で2年生エースを援護した。守っては1アウト13塁でライナーゲッツーかと思いきや、サードランナーが優先権を持っていてホームインするという頭脳プレー。野球のルールブックを開いて勉強するよい機会となり、さすが濟々黌といった印象だった。

続けて番狂わせを狙った大阪桐蔭戦は左腕・大竹が3ホームランを被弾。しかし、序盤は同点に追いつくなど、おそらく大阪桐蔭が今夏戦った試合の中では最もやりにくかった試合の一つだったと思われる。相手・先発の澤田(オリックス)をよく攻め、9回には満塁のチャンスも築いた。守ってもホームランこそ打たれたが、流れの中での失点は少なかったと言えるだろう。2年生大竹は来年も期待される逸材。熊本の伝統校が復活を果たそうとしている。

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新潟明訓は名将・佐藤監督が最後の夏となった。エース竹石が初戦の県岐阜商戦で好投。140キロ台の速球と低めの変化球で打たせて取る投球を展開。ドカベン捕手・宮島とのコンビで抑え込んだ。打線も着実に得点を重ねて2年ぶりの甲子園での白星を手にし、2009年夏の準決勝に続いて新潟勢が県岐阜商を倒した。。3回戦は試合巧者の明徳義塾戦。4点は取られたが、失点はこの1イニングだけ。竹石はよく投げたが、打線がリリーフした明徳の1年生岸の速球をはじき返せず、2安打と沈黙。2年前に並ぶベスト8とはならなかった。しかし、日本文理とともに新潟勢を引っ張り、ここ3大会はすべて初戦を突破。佐藤監督の残した功績の大きさを感じさせられた夏だった。

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秋田商業は初戦で開幕戦を制した福井工大福井と対戦。ナックルカーブを操る菅原秀(楽天)を相手に県大会のチーム打率が出場校中最低の秋田商業が立ち向かった。初回に絶対エース近藤が2点を先制される苦しい展開となったが、その裏打線が菅原を攻略。見送ればほとんどボールになるナックルカーブを振らない待球作戦で菅原をわずか2回でノックアウトした。大量リードをもらったエース近藤は右スリークオーターから繰り出す140キロ台の速球とスライダーで強打の福井工大福井を3点に封じた。3回戦で倉敷商・西のシンカーをとらえることはできなかったが、前年能代商が県勢の連敗を13で止めた秋田県勢が2年連続の勝利をものにした。

https://www.youtube.com/watch?v=trfppXoKQBw

仙台育英は渡辺の好投と強力打線がかみ合って3回戦に進出。これでこの5年間で3度の3回戦進出と安定した力を見せている。初戦は2007年の全国制覇以来の出場となる佐賀北と対戦。佐賀北・末次の緩いボールをしっかり引き付けてはじき返して攻略。特に2年生4番の上林は4安打を放ち、打撃センスの高さを示した。2回戦は同じく九州勢の福岡・飯塚と対戦。いきなり渡辺が相手打線につかまって3点の先制を許すも落ち着いて逆転。1回戦で好投を見せた飯塚・西の重いストレートに負けずにはじき返し、5番早坂の一発や渡辺の長打などであっさり逆転。「SSK打線(鋭いスイングを極めるの頭文字)」と名付けて鍛え上げた打力を見せつけた。エース渡辺も140キロ台の速球とスライダーを武器に2戦連続で完投。ヒットは打たれても要所で踏ん張る投球を見せた。3回戦で

作新学院との強打対決に敗れたが、ライバル東北を決勝で破ったように宮城県のレベルの高さを見せつけた。

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浦添商は4年ぶりの甲子園出場で2勝をマーク。しかも、愛工大名電・滝川第二と激戦区を勝ち抜いたチームを倒しての2勝だけに素晴らしかった。初戦はいきなり大会屈指の左腕・濱田(中日)を擁する優勝候補が相手だったが、4番宮里のホームランや呉屋の満塁走者一掃のタイムリー3塁打などで5点を先取。本調子ではなかったとはいえ、剛腕・濱田を攻略した打撃は沖縄のレベルの高さをうかがわせた。中盤以降、名電の強力打線に捕まったが、照屋への継投でしのぎ、1勝を挙げた。2戦目はエース宮里が好投。打線も右スリークオーターの相手エース佐藤を左打者が攻略。61と快勝を収めた。宮里・照屋の強力2枚看板は相手にとって脅威だった。3回戦は松井裕樹擁する桐光学園と対戦。先発・宮里が1番鈴木に先頭打者弾を含む3打点を献上するなど苦しい展開。しかし、終盤は照屋のホームランなどで食い下がり、ノーステップ打法で松井に対する工夫も見せた。最後は及ばなかったが、印象に残る好チームだった。

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選抜8強の浦和学院は関東屈指の実力をいかんなく発揮。初戦は群馬のミスターゼロこと高崎商・南の前に序盤は苦戦したが、中盤以降変則ホームにも慣れてきて対応。笹川のホームランなどで6点を挙げ、春以降力強さを増したエース佐藤も完封勝利を挙げた。2戦目はいきなり聖光学院・園部(オリックス)に3ランを浴びる展開も、打線が東北屈指の好投手・岡野を攻略。1戦目より調子が悪かったとはいえ、鋭いスイングとパワーで大量11点を挙げて、春の東北チャンピオンを粉砕した。

ここまでは本来の姿だったが、3回戦の天理戦は本来の力を出し切れず。対戦前に勝てば準々決勝で選抜で敗れた大阪桐蔭との対戦が決定。意気込みが空回りしたのか、序盤から先発した2年生山口がつかまり、失点。特に2回は2アウトランナーなしから四球を出すと、連続長打で2失点。流れを逸した。捕手・林崎の考えられないような送球ミスもあり、5回で626回からエース佐藤が登板した時には試合はほぼ決まってしまっていた。関東では無類の強さを誇る浦学だが、甲子園ではまだ不完全燃焼の印象。ただ、ここ最近続いていた初戦敗退の流れは払しょくし、春夏とも2勝を挙げた。

https://www.youtube.com/watch?v=sp8E5ZTJ9Bg

宇部鴻城は2003年選抜以来の出場で夏は初出場。見事2勝をマークした。左サイド気味のエース笹永と西野のバッテリーを中心に守りに定評のあったチームだが、甲子園では打線が好調。初戦は強打の富山工業にいきなり4点を先行されるも、すぐに追いつく反発力。中軸を中心によどみなく打ち、9回はセカンドへの痛烈な当たりがサヨナラエラーとなり、思わぬ初勝利を手にした。2回戦は好左腕・木村を擁する佐世保実を相手に中盤リードを許すも、金丸のホームランなどで大量12得点。2戦連続の逆転勝利で勢いを見せた。3回戦でも中盤に下位打線から3連続2塁打が出るなど、チーム打率は36分を記録。逆転負けは喫したものの、山口県勢の連敗を6でストップし、久しぶりに上位に顔を出した。

https://www.youtube.com/watch?v=CZy3JUZ7QS4

注目の4番高橋(広島)を擁する龍谷大平安は1回戦で旭川工と大乱打戦を展開。1番井沢が2ホームランを放つなどして、追い上げると9回裏は2アウトランナーなしから中軸3人がつないで同点に追いつく粘りを見せた。最後は延長11回に2年生嶋田がサヨナラ打を放ち、3大会ぶりの甲子園勝利。2回戦は東海大甲府のエース神原を前に、井沢・久保田・高橋が沈黙して敗れたが、新湊相手に打線が湿った前年と違い、持ち前の打力は存分に見せた夏だった。

https://www.youtube.com/watch?v=DCTsrUbHYvQ

常総学院は2003年優勝の夏以来、6大会ぶりの甲子園勝利。優勝経験のある2人の兄を持つ、1番大崎を中心に機動力野球で初戦は杵築に140と大勝した。2回戦では初戦22三振の桐光学園・松井裕樹と対戦。序盤からリードを奪われる苦しい展開だったが、終盤に反撃。高島・内田と2年生がタイムリーを放って19三振を奪われながらも5得点。常総学院に意地を見せた大会だった。

https://www.youtube.com/watch?v=WVKnTLyiccU

飯塚は全国初勝利をマーク。激戦を制してきた広島工のエース辻駒をとらえ、リリーフした西は重みのあるストレートで相手強力打線を封じ込めた。2回戦は仙台育英に敗れたが、2年生が多く残るチームは来年に期待が持てる。

https://www.youtube.com/watch?v=KIAZJCY0_Sc

聖光学院は初戦で昨夏の王者の日大三と対戦。エース岡野が抜群の制球力を見せて好投。打線も少ないチャンスをものにして、21と競り合いを制した。2回戦で浦和学院の打力に屈したが、今年も全国上位の強豪を相手に白星を挙げた。

https://www.youtube.com/watch?v=Cr1LcUn80fg

昨秋の中国王者の鳥取城北は香川西と対戦。重量打線が機能して3点を挙げると、守ってもエース平田が粘投。11安打を浴びながらも、アウトコースを丹念に突く投球でピンチをしのぎ、念願の甲子園初勝利を手にした。鳥取県勢としては2003年の八頭以来、実に9年ぶりの初戦突破だった。

https://www.youtube.com/watch?v=A22s-35NF5I

滝川第二と北大津は初戦で関西勢同士の対戦となったが、レベルの高い一戦を展開。それぞれ駆け引きを見せたが、最後は11安打を浴びながら滝川第二・佐藤が踏ん張り、福沢(中日)を擁した1999年以来の勝利を手にした。

https://www.youtube.com/watch?v=DsRxs7Xd-jY

福井工大福井は全国で最後に代表の座を射止め、開幕戦で全国一番星をGET。初回に常葉橘のエース宮崎から5安打を集中して3得点。エース菅原(楽天)は必殺のナックルカーブでタイムリーを許さず2失点完投。今大会印象に残る変化球の一つだった。

https://www.youtube.com/watch?v=WjbW4iBroV4

打撃優位の大会だったが、大会序盤で敗れた投手の中でも好投手は多くおり、成立学園・谷岡(巨人)、松坂・竹内、宮崎工・長友、佐世保実・木村、立正大湘南・山下、酒田南・会田、高崎商・関は好投を見せた。

https://www.youtube.com/watch?v=itGcExO1LrQ

https://www.youtube.com/watch?v=N8vjii1MlXI

https://www.youtube.com/watch?v=7bERqvwscnw

https://www.youtube.com/watch?v=rX3iV-qFz04

https://www.youtube.com/watch?v=qtUUH0pVsxg

https://www.youtube.com/watch?v=q0x_3mwWn3Q

また、初戦で敗れたとはいえ、富山工・広島工・香川西は持ち味の打力を発揮。もう一つ攻めきれない場面も見られたとはいえ、接戦を展開した。

https://www.youtube.com/watch?v=mhny3KiyJks

https://www.youtube.com/watch?v=DsRxs7Xd-jY

愛工大名電・濱田は愛知大会での疲れがあったのかストレートが走らず、140キロ台は数えるほど。序盤の大量失点が響き、打線の反撃も及ばず。これだけの強力チームをもってしても、今年も初戦突破はならなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=J_W8uSNVvVI

8年連続出場となった智辯和歌山は九州王者の神村学園を相手によく食らいついて接戦を演出。2年生左腕・吉川が再三のピンチをしのいだが、あと1点が届かなかった。8年間連続で出ているとはいえ、4回が初戦敗退。かつての王者もここ最近は勝ち上がれない展開が続いている。

https://www.youtube.com/watch?v=IPV2Qi-9ZhM

昨夏王者の日大三は常連校の聖光学院と対戦。強力打線が相手エース岡野の外角の際どいボールをとらえきれず。8回まで無得点。9回に主将・金子のバックスクリーン弾で1点差に迫るも届かなかった。しかし、秋春と勝ち切れなかったチームが夏は都大会決勝で見事に逆転勝ちしての甲子園出場。それだけでも十分胸を張れる結果だった。

https://www.youtube.com/watch?v=cNEF4wzsqbQ

佐久長聖は昨夏4強の作新学院を相手に先制パンチ。いきなり456番の3連続タイムリーで3点先取した。特に6番の2年生小川は3安打を放ち、力を示した。PL学園出身の藤原監督が就任し、チームカラーは攻撃的に。守備型のチームが多い長野の野球に旋風を巻き起こそうとしている。

https://www.youtube.com/watch?v=_fO-gYSyFOw

札幌第一は聖光学院の斎藤監督から高評価を受けるなど、投打に実力の高いチーム。昨選抜8強の北海の右腕・玉熊を打ち込むなど、自信を持っての甲子園出場だった。しかし、初戦の佐世保実戦ではエース知久が制球に苦しんで5失点。打線も相手左腕・木村に11安打を浴びせながら3点に終わり、力を出し切れない夏となってしまった。

https://www.youtube.com/watch?v=rX3iV-qFz04

2年ぶり出場の常葉橘は開幕戦に登場。初回にエース宮崎が福井工大福井打線に5安打を集中されて、3点を失い苦しい展開。打線も相手エース菅原秀(楽天)の前に暴投による2点のみに終わった。しかし、1年生トップバッター木村を中心に下級生が多く残り、来年の躍進に期待だ。

佐賀北は2007年の全国制覇以来の甲子園出場。右サイドハンドのエース末次を中心に終盤まで強打の仙台育英に食らいついたが、最後は力負け。9安打を放ちながら2得点に終わった。しかし、守備力の高さは健在でこの試合も無失策。佐賀北らしい好チームだった。

https://www.youtube.com/watch?v=CGHTI43D348

旭川工は初戦で龍谷大平安を相手に見事な戦いぶり。相手投手陣を打ち込んで、大量リードを奪っていた。しかし、終盤に平安打線の反撃にあい、9回裏は2アウトランナーなしから2点差を追いつかれ、延長11回裏にサヨナラ負け。5度目の甲子園で初勝利はならなかったが、最も甲子園勝利に近づいた試合だった。

https://www.youtube.com/watch?v=e9b_zCO4EqE

木更津総合は初戦でいきなり選抜王者の大阪桐蔭と対戦。140キロ右腕のエース黄本が相手の重量打線に序盤から捕まる苦しい展開。打線も相手エース藤浪の150キロのストレートと多彩な変化球に苦しんだ。しかし、継投した1年生右腕・千葉など下級生も残っており、来年再びの夏の甲子園を目指す。

https://www.youtube.com/watch?v=WBzrDna5EO8

盛岡大付は県大会決勝で花巻東のエース大谷翔平(日本ハム)を打ち込んでの甲子園。初回いきなり4番二橋の先制タイムリーが飛び出して幸先の良いスタートを切ったが、エース左腕出口が中盤以降立正大湘南のホームラン攻勢に苦戦。変化球に全くタイミングが合っていない中で、取りに行った真っすぐを打たれてしまった。試合は延長戦に進み、12回表についに決勝点を許して惜敗。投打ともパワフルなチームだっただけに惜しい敗戦となった。

https://www.youtube.com/watch?v=DjeBWCerj0o

選抜8強の鳴門は濟々黌のエース左腕・大竹の前に苦戦。エース後藤田は好投したが、1アウト13塁のピンチで打ち取りながら、相手のトリックプレーで得点を許すなど、歯がゆい展開に終始した。2年生が多いチームだけに来年に期待大だ。

https://www.youtube.com/watch?v=e9WLxUaQsIA

2004年夏に対戦している遊学館と県岐阜商の常連2校はともに相手の好投手を前に打線がそれぞれ沈黙。遊学館は光星学院に粘って食らいつくも9回に北條(阪神)に特大2ランを被弾。今年の初戦突破はならなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=d6TTxr7Q-ao

杵築・今治西はともに関東の強豪校に大差で完封負け。特に今治西は松井裕樹に22三振を奪われる記録的な敗戦となったが、あの日の松井は打てというほうが酷なくらいの出来だっただけに致し方ないところだ。

https://www.youtube.com/watch?v=jdw5G_-8pjM

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