2014年春の選抜甲子園大会前予想

2014年

神宮大会決勝は歴史に残る逆転劇となった。8-0と日本文理の一方的な試合になっていたが、78回だけで沖縄尚学が9得点し、逆転。奇跡の逆転優勝を飾った。選抜もおそらくはこの2校を中心に優勝争いが回りそうだ。

沖縄尚学は3季連続の甲子園。明治神宮大会では終盤に勝負強さを発揮して優勝を飾った。エースはライアン投法の山城。昨夏の福知山成美戦の好投で自信をつけ、秋の九州大会では34イニングで自責点3と好投。140キロを超す真っすぐを持つが、それに頼らず打たせて取る投球も見せた。神宮大会では神里、久保も好投。特に久保は143キロのストレートでぐいぐい押し、山城の打たれた後を抑えた。打線は赤嶺、久保、西平と経験者を頭から並べ、45番の安里、上原と長身バッターが返した。チーム全体で勝負所を逃さない勘の良さもあり、相手のすきにつけ込んだ。比嘉監督は選手・監督としてそれぞれ優勝経験があり、選抜の戦い方は熟知している。昨年の選抜では開幕戦で大敗しただけにまずは1勝し、その後通算3度目の優勝を目指したい。

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日本文理は昨夏の甲子園出場時のメンバーが多数残り、秋は力強い立ち上がり。エースの飯塚は140キロを超す真っすぐで押す投球もさることながら、神宮大会での打撃が衝撃的であった。神宮大会決勝で2本のアーチ。特に2本目は神宮のバックスクリーンを超える140メートル弾。衝撃の飛距離を見せた。神宮決勝ではチームで5ホームラン。1番星、4番池田、8番鎌倉も1発を放ち、山城をKO。準決勝でも今治西の好左腕・神野を打ち砕いており、その打力は監督のお墨付き。2009年準優勝で甲子園を席巻したチームより上とのこと。大エースと強力打線で堂々北信越初優勝を狙って乗り込む。

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近畿勢は昨年春夏ともベスト81校も残れなかったが、今大会は粒ぞろいだ。近畿大会決勝を戦った2校は優勝を狙う力を秘めている。

昨秋の近畿大会優勝の龍谷大平安は打力が持ち味のチーム。亀岡グラウンドができて冬の間も打撃練習ができるようになったことがいい影響を与えている。1番俊足の徳本や4番の河合ら昨年の選抜に出場したメンバーが5人残る。2番には元4番の大谷が座り、簡単に送らず打って出る。67番の常・石川も力があり、打力に関しては出場校でも1,2を争う。神宮では日本文理と互角に打ち合った。守備もショートの石川を中心に堅い。投手陣は2年生左腕の高橋(ヤクルト)が成長。近畿初戦の近江戦では9回途中まで無失点に抑えた。

3年生エースの中田、左腕・犬塚も控えており層は厚い。あとはもう一人の2年生の技巧派左腕元氏の復活を待ちたい。名門校初の選抜優勝を狙える絶好の機会だ。

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智辯和歌山は自慢の強打が久しぶりに戻ってきた。近畿大会では3試合連続のコールド勝ち。4試合で40得点の破壊力を見せた。特に36番の山本、長、片山、西山の4人は長打力があり、3ホームランを記録。近畿大会で相手投手を震え上がらせた。片山はお父さんも高嶋監督のもとで指導されていた。捕手ははじめは主将の長がつとめていたが、近畿大会では2年生の西山になった。本番の起用はどうなるか。投手は2年生の中野が先発し、3年生エース吾妻が抑える。吾妻はアウトコースに140キロを超える真っすぐを集め、投げっぷりがよい。ここ数年苦戦が続いていたが、今回は久しぶりに上位を狙える戦力。常勝軍団復活のきっかけとしたい。

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関東勢では佐野日大、横浜の2校が優勝争いに絡む力を持つ。

佐野日大は大会No.1サウスポー田嶋の左腕にかける。最速145キロを誇り、右足をインステップしてスリークオーターから投げ込む。経験豊富で見た目以上に打ちにくい投手だ。コントロールもよく、昨秋は優勝候補の横浜を左右の揺さぶりで抑え込んだ。2番手には長身右腕・稲葉が控えるが、本番はエースに任せそうだ。打線はしぶとい左打者を並べ、得点力がある。長沢、竹村ら足のある打者でチャンスを作り、4番の主砲稲葉が返す。稲葉は横浜戦で先制3ランを放った。主将の吉田はチームの首位打者。精神的支柱でもある。近年躍進著しい北関東勢。作新に追いつき追い越せで結果を残したい。

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名門・横浜は関東5番目の椅子を滑り込みで手にしたが、出れば堂々の優勝候補。なにせ昨夏甲子園をスタメンで経験したメンバーが8人残っているのだ。打力には自信を持っており、昨夏松井裕樹からホームランを打った浅間(日本ハム)、高濱(日本ハム)は大会屈指の強打者だ。浅間はバットコントロールに優れ、5割近い打率を残した。高濱はツボにはまれば1発のあるスラッガーだ。昨夏は甲子園でホームランを放った。二人以外にも1番俊足巧打の川口、渡辺監督の孫の5番渡辺、主将・松崎ら好打者が並ぶ。守備もセンターラインを中心に堅い。課題は投手力か。計算が立っているのはエース左腕の伊藤のみ。伊藤は低めに変化球を集めるコントロールが持ち味。球威はさほどではないが、切れで抑えるタイプだ。課題の立ち上がりさえ乗り切れれば抑えられそうだ。持ち味の打力で伊藤を援護し、優勝を目指したい。

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三重高校も昨夏のメンバーが多数残り、東海大会を制した。昨夏済美・安楽に痛打を浴びせた長野・宇都宮・世古が1,3,4番に座り、強力打線を形成。神宮大会でも敗れたとはいえ平安の強力打線と互角に打ち合った。長野は自ら主将に立候補し、リードオフマンとしてチームを引っ張る。宇都宮は足を大きく上げる豪快なフォームから打球を遠くに飛ばせる。4番世古は確実性がある。5番の西岡も強打者だ。投手は左腕・今井がエース。公式戦すべてを投げぬいたタフネス左腕だ。スライダーを低めに集め、内外角の出し入れで勝負する。ところどころ混ぜるチェンジアップも効果的だ。まずは昨夏逃した1勝を果たし、その後上位を目指す。

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美里工業は沖縄尚学を県決勝で破り優勝。九州大会決勝ではリベンジを許したが、相手の倍以上のヒットを放ち決して内容では負けていなかった。実力は間違いなく全国上位だ。浦添商業で伊波を擁して2008年夏に4強入りした神谷監督の就任で力をつけた。投手力を武器とした守りの野球で勝負する。今回のエースも名前は伊波。MAX142キロの真っすぐでインコースをお構いなくぐいぐい攻める。相手校が「社会人野球のような配球をする」と驚いた攻めの投球を見せる。2番手の長嶺はコントロールの光る技巧派。自慢の2枚看板は大会でも屈指の投手力だ。打線は上位打線に力があり、走力も備える。1番神田が出て、34番のスラッガー宮城、花城で返していく。秋は残塁が多かっただけにそのあたりを改善すれば上位に食い込む力は十二分に持っている。

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今治西は四国大会で優勝。近年甲子園では勝ち星を挙げられていないが、今大会は久しぶりに上位を狙えそうだ。エースは左腕の神野。コンパクトのテイクバックから右打者のインローでスライダーをねじ込む。このボールがしっかり決まりさえすればそうは打たれない投手だ。神野を支える捕手の越智の成長も大きい。大野監督も「神野より越智が成長したから抑えられた」と絶賛。四国大会初戦では初回に5連打を浴びたエースを見事に立ち直らせ、2点に抑えた。打線は昨年からの経験者の田頭・越智・神野を1,3,5番に配置。4番に長距離砲の福原を置き、バランスのいい打線となった。8番には昨秋の四国大会で明徳の岸から満塁走者一掃のタイムリーを放った秋川が座り、下位まで穴がない。ここ最近、桐光学園の松井裕樹や済美の安楽など好投手が立ちふさがり、苦戦を強いられたが、バックスイングをほとんど取らない打法を編み出すなど工夫を凝らしてきた。まずは5年ぶりの1勝を果たし、そののち上位に食い込みたい。

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明徳義塾はエース岸がいよいよ最上級生となり、四国3位出場ながら優勝を狙う。岸は昨夏に前年度覇者の大阪桐蔭を1失点完投で下すなど成長した姿を披露。直球の精度を高め、球速も140キロを超す。これにスライダー・カットボールを交えて相手を押し切る。漫画・ダイヤのエースに出てくる薬師高校の真田のような投球スタイルだ。昨秋は今治西戦で満塁から高めに浮いた真っすぐを痛打されて敗れた。一本調子にならないような投球をしたい。打線は1番大谷、3番多田に期待。特に多田は打撃センス抜群でエースの岸の負担を軽くしたい。守りも例年の明徳と同じく堅い。守備から崩れる展開は考えにくい。岸を中心として大黒柱の負担を好守でどれだけ軽くできるかが上位進出のカギになるだろう。

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豊川は東海大会決勝で逆転負けを喫したが、終盤まで三重相手にリードを奪った。大会屈指の剛腕田中空良を擁し、激戦区愛知を勝ち抜いた侮れない存在だ。田中は若干スリークオーター気味の角度から140キロを超す真っすぐとスライダーを外角に集める力投派。昨秋は中京大中京を下し、東海大会4試合を一人で投げぬいた。初戦の日本文理との対戦は全国で通用するかの試金石となるだろう。3番捕手の氷見は好守で中心となる存在。左打席からシュアな打撃で得点を奪う。4番の高桑も強打者であり、その後ろを打つ打者がどれだけ機能するかが試合の行方を左右する。初出場ながら森福(ソフトバンク)のいた時以来愛知では常に上位をにぎわしていた。全国で通用する力は十分に持っているだろう。

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八戸学院光星は3季連続準優勝以来の甲子園。校名は変わったが、打って勝つチーム作りは変わらない。今大会も強打のチームだ。1番ショートの北條は準優勝時の4番の北條史也(阪神)の弟。お兄さんと似た豪快なフォームから柔らかい打撃を見せ、長打力も併せ持つ。一方、ショートの守備ではまだ荒っぽさがあり、課題は残る。3番深江、4番蔡も1発があり、ツボにはまればスタンドに運ぶ。特に4番の蔡は途中からの入学なので、この春が最後となるため意気込みはすさまじい。投手陣は2年生エースの中川が頭一つ抜けてきた。コントロールがよく2年前の城間に似ている。これに3年生の佐藤や2年の八木・呉屋らが絡んで投手陣を形成するがまだ柱は定まり切ってない状態。継投で回すことになりそうだ。

昨秋は花巻東の4強入りに貢献した細川や今治西のエース神野ら好左腕との対戦に苦戦したため、左腕対策もカギになりそう。いずれにせよ東北勢初優勝を狙う力はあるチームだ。

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ここまでに挙げたチームがトップ集団を形成しているが、この後に挙げる高校も差は少ないだろう。

関東一高は粘りの野球で勝負。神宮で沖縄尚学を終盤までリードしたようにどこが相手でも自分たちの野球をすれば互角の展開に持ち込めるだろう。エースは長身の羽毛田。目に見えてすごいボールはないが、スライダーを武器に投球術で抑える。捕手の池田は2塁まで1.8秒の強肩。昨夏からマスクをかぶり、中村(広島)・醍醐の両輪をリードした。打線は

関東一らしい機動力が健在。50メートル6秒台前半の選手が多く、上位から下位まで機動力が使える。1番熊井が塁に出るとリズムがよくなる。捕手の池田は打撃でもパンチ力がある。ここ3大会は出れば必ず2勝以上しており、戦いぶりにも安定感が出てきている東京王者。十分他の強豪と渡り合う力を持つ。

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駒大苫小牧は初優勝時の主将・佐々木孝介が監督となって戻ってきた。投手陣は2年生エース伊藤大が急成長。神宮では沖縄尚学相手に5失点したが、自責は1.スライダー・真っすぐともに低めに制球できれば打てないだろう。菊池も180㎝からリズムよく投げ、北海道大会で好投を見せた。打線のキーマンは1番伊藤優。同大会では2番だったが、打率6割を超え、神宮では1番に抜擢。3安打を放った。俊足に加えて、長打も併せ持ち、絶好のリードオフマンだ。中軸の長打力は少し見劣りするが、つなぐ姿勢でカバー。持ち味の走塁・カバーリングは健在で自分たちらしい野球で北の王者復活を目指す。

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履正社・智弁の近畿常連2校も侮らない力を持つ。

履正社は前年の3年生投手陣東野・阪本・東が抜け、その他のメンバーもかなり入れ替わったが、見事4年連続の選抜を射止めた。昨秋の府大会ではライバル大阪桐蔭を13-1で一蹴。

原動力となったのは、溝田・永谷の2年生2枚看板だ。溝田は140キロを超すストレートとスライダーを外角低めに丁寧に集め、試合を作る能力が高い。一方、永谷は回転数の多い真っすぐで狙われても三振の取れる投手。持ち味の違う2枚看板で勝負をかける。打線のキーマンは3番ショート吉田。ボールを捕らえるセンスが高く、昨秋の近畿大会では負傷するもそのまま試合に出続けたファイターでもある。1番井上も昨年からのメンバーでこの二人が得点源となる。4番の大砲中山も意外と器用さを持ち合わせており期待できる。

ここ数年の経験値でいえば全国でも上位に入るだけにそろそろ2011年以来の上位進出を狙いたい。

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智弁学園は大会No.1スラッガー岡本(巨人)を擁し、上位をうかがう。岡本はホームランバッターとして注目されているが、タイプ的には「柔」のバッター。懐が柔らかく、度の球にもアジャストできる器用さがある。その中で捕らえたボールはスタンドまで飛んでいく。決してただの1発屋ではない。その他にも35番の吉岡・吉田や主将・高岡ら好打者が並び、打力なら全国でも上位クラスだ。エース左腕尾田は球威は今一つだが、きれとコントロールで補うタイプ。連戦に耐えるためにも浦中ら次に続く投手の台頭が待たれる。持ち味の打力で試合のペースをつかめれば最高成績の4強を上回る可能性はある。

https://www.youtube.com/watch?v=3YP7hKjoSHw

白鴎大足利は比嘉、桐生第一は山田とエースの投球に期待が集まる。白鴎大足利の大下は

スイングスピードが速く、大会屈指のスラッガーだ。

https://www.youtube.com/watch?v=DAKBS_P3iYA

https://www.youtube.com/watch?v=o90k-K9vhRA

岩国・広陵はともに柳川・山岡という絶対的エースを擁する。柳川のスライダーは切れ味抜群。山岡は豪快なライアンフォームから真っすぐで相手を押し込む。ともに機動力を擁するチームなので、どれだけ打線がエースを援護できるかで決まるだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=iOSH5PRtxqM

https://www.youtube.com/watch?v=pVyBYQfGA4s

報徳学園は昨選抜を経験した岸田が捕手&リリーフエースとしてチームを牽引。初戦でいきなり沖縄尚学と対戦となったが、彼の働きが重要となる。エース中村、技巧派・田中をどれだけ引っ張れるか。

https://www.youtube.com/watch?v=B1VoDIH_LZE

福知山成美はエース左腕石原が成長。持ち味のカーブで緩急をつけ相手を牛耳る。佐野、西田、木村ら昨夏甲子園を経験した打者たちが援護したい。福知山成美らしいバントを使わない攻撃野球も見ものだ。

https://www.youtube.com/watch?v=JTCbxzb1ZNw

山梨学院は清峰を長崎勢初優勝に導いた吉田監督が就任。攻撃的野球に生まれ変わったチームが甲子園にお目見えだ。

https://www.youtube.com/watch?v=78eB45NXgKg

神村学園は2年生スラッガー・山本を中心に打力が持ち味。投手陣は継投でしのぎたい。

https://www.youtube.com/watch?v=uqv10FGMIY8

名門・池田は久しぶりの甲子園。エース名西を粘り強い打線が援護する。オールドファンも喜びそうだ。

https://www.youtube.com/watch?v=M8weU8rds5Q

鎮西のアンダースロー須崎は昨秋の九州大会で優勝候補の九州国際大付を沈めた。技巧派の持ち味を出していきたい。

https://www.youtube.com/watch?v=MWVLH-SRPJU

東海大三の高井ジュリアン、創成館の広渡・鷲崎も好投手だ。

https://www.youtube.com/watch?v=pVyBYQfGA4s

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東稜は被災地代表としての出場。2年生エース佐藤の出来にかかる。

https://www.youtube.com/watch?v=x1YWrCrNV5U

21世紀枠の小山台・伊藤、海南・岡本はともにプロも注目する存在。特に岡本は昨秋の近畿大会で履正社打線を2点に抑えた。大物食いを誓う。

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大島は鹿児島離島勢初出場。攻撃野球で快進撃を見せたい。

https://www.youtube.com/watch?v=G6TJ-M6WKrw

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