2017年選手権2回戦 広陵vs秀岳館(9日目第1試合)

2017年

大会9日目第1試合

広陵

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 0 0 2 0 3 6
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1

秀岳館

 

広陵   平元→山本

秀岳館  川端→田浦

優勝候補同士が激突した2回戦屈指の好カード。平元中村のバッテリーを中心に会心の内容で広陵が勝利し、優勝に向けて大きな壁を越えた。

試合

立ち上がりから平元川端の両投手とも好調なピッチングを展開し、序盤は0行進。平元が決め球のカーブを引くに好投すれば、川端は縦スピンのキレイに効いた速球と縦スライダーで広陵打線を封じていく。

しかし、4回表に広陵の強打者・中村が突破口を開く。川端の得意とする低めに落ちるスライダーを見事にとらえてレフト前にはじき返すと、4番加川の犠打を川端が悪送球。ノーアウト2,3塁のビッグチャンスが到来する。ここで川端もよく踏ん張って2アウトまでこぎつけたが、7番吉岡の打席で痛恨のワイルドピッチ。この回ミスが2つ絡んで広陵が1点を先行する。

広陵・平元の曲がり落ちるカーブの前に苦戦していた秀岳館打線だったが、5回裏に反撃。7番幸地が低めに落ちるカーブを救い上げた打球はレフトスタンドへ飛び込む同点ホームラン。抑えられていた決め球を狙っての一打だったが、下位打線にこういう長打を打てる打者を置けるところが秀岳館打線の分厚さだと感じさせられた。この回得点にこそ結びつかなかったが、1番竹輪・2番半情も連打し、徐々に平元のボールに対応し始める。

試合は1-1のまま7回に進み、7回表広陵は先頭の6番大橋川端の外角球をセンター返しして出塁。さらに犠打失敗で追い込まれた7番吉岡がレフト前に打ってつないで、ノーアウト1,2塁とチャンス拡大。この辺りは広陵らしいといえば広陵らしい攻めだった。

犠打で送って1アウト2,3塁から打席には9番平元。カウント0-1からスクイズした打球は投手・川端の足元を通過。川端としても処理の難しい打球だったが、結果は内野安打となり、広陵が大きな勝ち越し点。さらに、続く1番高田誠の当たりをセカンド・渡辺が取り切れず、2点目。終盤にきて広陵が大きなリードを手にする。

中盤にかけて流れを持ってきかけていた秀岳館だっただけに、この展開は何とも惜しいところ。7回表のミスは常連校でも独特の雰囲気でプレッシャーに飲まれてしまったのかもしれない。そして、何より秀岳館の強打者のインサイドを強気に突き続けた平元のピッチングが見事。8回を投げ終えて8安打を浴びながらも1失点に抑え、先発としての役割を十分に果たした。

試合は9回表、広陵は先頭の村上がスライダーをうまく拾ってヒットで出塁すると、1番高田誠もセンターへ打ってつないで1,2塁。広陵らしい積極的な攻めでランナーをためると、3番中村が秀岳館の2番手田浦のインサイドの速球を完璧にとらえてレフトスタンドへ3ランホームラン。2試合連続3本目となるホームランで広陵が試合を決め、6-1で優勝候補対決を制したのだった。

まとめ

広陵はこの日は攻守とも会心の内容。平元は初戦より内容が良くなり、カーブをカウント球にも決め球にも使って、自在のコントロールで秀岳館打線を翻弄した。そして、秀岳館の強力左腕2人を打った打線も素晴らしく、途中出場の村上が2安打するなど層の厚い攻撃陣が積極的な攻めで6点をたたき出した。潜在能力が高いと言われながら、なかなか全国まで勝ち上がれなかったチームがようやく本領を発揮。3回戦は2010年夏に敗れた聖光学院とのリベンジマッチに臨む。

一方、敗れた秀岳館は終盤まで互角の展開だったが、らしくない守備ミスが響いて敗退。3季連続ベスト4でこの夏こそと念願の全国制覇を狙ったが、2回戦で幕を閉じた。ただ、走攻守投において完成度が非常に高いチームだったのは誰の目にも明らか。外人部隊など度揶揄されることもあった中で、この2年間結果を残し続けた鍛治舎野球は素晴らしいものだった。熊本の高校野球のレベルアップに一役買って、ひとまず秀岳館の挑戦は一区切りをつけた。

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