2019年選手権準決勝 星稜vs中京学院大中京(13日目第2試合)

2019年

大会13日目第2試合

中京学院大中京

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
1 1 4 0 0 0 3 0 × 9

星稜

 

中京学院大中京 不後→元→赤塚→村田→不後

星稜 奥川

準決勝第2試合は序盤から星稜打線が爆発!エース奥川(ヤクルト)も安定感抜群の投球を見せ、投打に中京学院大中京を圧倒して24年ぶりの決勝進出を決めた。

試合

星稜は準々決勝で奥川を温存しながら、仙台育英に大勝。3回戦までやや湿りがちだった打線から4ホームランが飛び出し、打線は上り調子で準決勝へコマを進めてきた。奥川は3回戦の智辯和歌山戦から中2日となるが、150キロ台の速球とスライダーを武器にここまで失点はわずか1。勝負強い中京学院大中京の打線を相手にどのような投球をするか注目だ。

一方、中京学院大中京は3回戦で東海大相模、準々決勝で作新学院と近年の甲子園V校を相手に鮮やかな逆転勝ちを飾ってきた。初戦の北照戦から合わせると、3試合連続の逆転勝利であり、いずれも終盤の7回に得点を挙げるという黄金パターンを確立している。好投手・奥川が相手だけにこの試合はエース左腕・不後(オリックス)、赤塚の継投でより最少失点に抑えていきたいところ。継投のカードは躊躇なく切っていきたいだろう。

 

ここまで終盤の猛攻で勝ち進んできた中京。上位から下位まで高打率の打者がずらりと並び、奥川にとってもしんどい相手と思われたが、この日は立ち上がりからボールの走りが素晴らしい。1回表に1番高畠にスライダーをセンターに返されるが、2番申原のバントを失敗させると、後続も打ち取って無失点で切り抜ける。

相手が奥川だけにいつもの1点が2点にも3点にもなる状況。失点を抑えていきたい中京だが、準々決勝で火がついた星稜打線が初回から不後に襲い掛かる。好調の1番東海林のヒットと四球でランナーをためると、犠打で送って1アウト2,3塁から4番内山(ヤクルト)がきっちり犠飛を打ち上げて先制点を奪う。両チームにとって大きな意味を持つ1点だった。

不後の立ち上がりは決して悪い印象はなかったが、星稜の各打者がコーナーに決まったボールを巧みに打ち返す。2回裏には下位打線が2四球を選んで2アウト1,2塁とすると1番東海林が2打席連続のヒットとなるライトへのタイムリーで1点を追加。準々決勝で仙台育英投手陣の速球を打ち砕いた星稜打線だが、この日は技巧派の不後を巧みな打撃で攻略した。

中京は東海林のタイムリーが出たところで2番手のをマウンドへ。この点差がデッドラインと判断したか、準々決勝の投打のヒーローをマウンドに挙げて勝負に出る。

しかし、3回裏に星稜打線がいよいよ止められなくなる。3番知田のストレートをとらえてチャンスを作ると、2アウト後に6番福本にタイムリーが飛び出して1点を追加。さらに7番岡田に四球を与えたところで3番手の赤塚にスイッチするが、9番山瀬(巨人)が満塁からセンターにタイムリーを放ち、センターの後逸もあってこの回一気に4点を挙げる。

赤塚とストレート主体の投球で緩急も使いながら抑えようとしてきたが、速球派に対しては星稜打線も慣れがあったか、まったく苦にせず攻略していった。また、各打者の選球眼も素晴らしく、カウントが不利になって取りに行ったボールをとらえられた。終盤勝負を目論んでいた中京にとっては、あまりにも厳しすぎる序盤のビハインドとなった。

奥川にとっては4試合目で最も序盤からリードをもらった展開となり、2回から7回2アウトまで一人のランナーも許さない圧巻の投球を展開。前年夏や選抜の経験を経てたくましさを増したエースが中京のしぶとい打線に全く仕事をさせなかった。中京のラッキーイニングであった7回も無難に切り抜け、結局7回を投げて球数はわずか87。余裕をもって後続にマウンドを託した。

追加点の欲しい星稜は7回に入って再び猛攻を仕掛ける。ロングリリーフとなった速球派右腕に対して4番内山、5番大高の連打で赤塚を降板させると、再び登板すた不後から8番奥川、9番山瀬のバッテリーが連続2塁打を放って3点を追加。中京の小刻みな継投に全く惑わされることなく、得点を重ねた。

星稜は8,9回と左腕・寺沢が登板。昨年の済美戦で逆転サヨナラ満塁弾を打たれた投手もまた、心身ともにたくましくなって戻ってきていた。8,9回と中京のしぶとい打線を6人で抑えるパーフェクトピッチング。投攻守すべてにおいて総合力の高さを見せた星稜が盤石の野球で決勝進出を決めた。

まとめ

星稜はこれまで4季連続の甲子園出場で重ねてきたすべての経験を糧として強さを増してきたが、この試合でもその積み上げてきたものが発揮された。速球派にも技巧派にも対応できる攻撃力、絶対的エース奥川の圧倒的な投球に加え、控え投手までスキのない投手陣。継投が通じずに敗れた前年夏の済美戦や習志野の継投にかわされた選抜での戦いなど、悔しい経験をばねにした成果が表れていた。

奥川に頼りすぎない戦で、星稜史上最高と呼べるチームがつかんだ決勝の舞台。満を持して石川県勢初の優勝を狙う。

 

対する中京学院大中京も総合力の高いチームだったが、序盤のビハインドでゲームプランが崩れ、中京の良さが出る前に試合が決してしまった。特にこれまで3試合とも我慢強く試合を作ってきた不後が早い段階で星稜打線につかまってしまったのが痛かったか。しかし、これも星稜打線のうまさを褒めるしかないだろう。

何よりチームとして初の甲子園4強であり、3試合とも鮮烈な逆転勝ちで強烈な印象を植え付けたのは紛れもない事実。愛知の中京だけでなく、岐阜にも「中京」があるぞ!と十分アピールできた戦いぶりだった。

2019年夏甲子園 準決勝 星稜vs中京学院大中京 試合ハイライト – YouTube

コメント

  1. […] […]

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