2019年選手権2回戦 鶴岡東vs習志野(9日目第2試合)

2019年

大会9日目第2試合

鶴岡東

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 5 0 0 0 0 0 3 1 9
0 0 0 2 0 0 1 2 0 5

習志野

 

鶴岡東  影山→池田

習志野  山内→飯塚

戦前は選抜準優勝の習志野に鶴岡東が挑む展開かと予想されたが、鶴岡東打線が習志野投手陣を完全に攻略!初戦の四国王者・高松商に続き、今度は選抜準V校も倒し、2戦連続の大物食いをやってのけた。

試合

鶴岡東は初戦で高松商の好左腕・香川を攻略。キレのあるボールを投じる四国屈指の左腕を相手に持ち前のパワフルな打撃で攻略した。逆転打を放った5番丸山を中心に下位からでもチャンスを作れることができる。投手陣は影山池田という持ち味の異なる両左腕の継投でしのぐ。粘りの投球を見せる2人を打線がどれだけ援護できるか。

選抜で優勝まであと一歩に迫った習志野は初戦で底力を見せる戦いぶりで沖縄尚学に逆転勝ち。リリーフエースの飯塚が3者連続三振の圧巻の投球で流れを引き寄せ、勝負強い打線が得点を重ねた。終盤勝負に自信を持つだけに、そつのない攻撃のできる打線で食らいついていき、競り合いに持ち込みたいところだ。

 

習志野の先発は左腕・山内。コーナーを丁寧に突く投球が持ち味であり、立ち上がりを完ぺきな投球で3者凡退に抑える。快調な滑り出しに見えたが…

初回に習志野はチャンスを作りながらも鶴岡東の影山が踏ん張ると、2回表に鶴岡東打線が猛攻を見せる。1アウトから四球のランナーを出すと、6番が高めに浮いたスライダーを見事な流し打ちで1,3塁とする。左打者攻略の理想的な打撃だ。続く7番山路も初球のスライダーを狙って1,2塁間を破り、1点を先制する。

山内は調子を崩し始めた感じはなかったが、鶴岡東打線の狙いを定めた攻撃に飲み込まれていく。2アウト後に9番影山もインコースのスライダーをものの見事にとらえてライトオーバーの2塁打とし、2点を追加。各打者が完全にスライダーに的を絞った速攻だった。習志野ベンチとしては、交代のタイミングを図るのも難しかっただろう。

止まらない鶴岡東打線は、1番河野、2番竹花も連打。習志野はたまらず飯塚をマウンドに送るが、3番山下は代わり端の初球ストレートを鮮やかにセンターにはじき返し、この回5点目。打力で強奪したこの5点は、鶴岡東にとっては狙いのはまった、習志野にとっては想定外の大量点であった。

大量援護をもらった鶴岡東・影山は2,3回と落ち着いた投球で習志野打線を抑え込む。試合巧者で攻撃の引き出しの多い習志野だが、長打力のある打者が多いわけではなく、苦しい展開が続く。それでも4回裏、死球のランナーを5番高橋の2塁打で返すと、7番兼子にもタイムリーが飛び出し、2点を刻む。長身の影山の角度のあるボールに対して徐々に対応し始める。

リリーフした習志野のエース飯塚は3回以降は鶴岡東打線の勢いをぴたりと止める。選抜で強豪校を苦しめた回転数の多い速球とスライダーを武器に真っ向勝負。7回表には味方の攻撃に勢いをつけるかのように、1回戦を彷彿とさせる3者連続三振で流れを引き寄せる。

7回裏、習志野は2番手の2塁打の飯塚を皮切りに角田の内野安打などで満塁のチャンスを築く。2番小沢はきっちり犠飛を放って1点を返すも、続く3番根本が打ち取られて追加点を奪えない。一番疲れの出る時間帯だったが、鶴岡東・影山も要所で力強いボールを投じ続ける。

この習志野ペースとなった試合の流れを変えたのは、またもや鶴岡東の豪打であった。8回表、5番丸山飯塚のインハイのストレートを完ぺきにとらえると打球はレフトポールをまくホームランとなり、貴重な追加点を挙げる。習志野バッテリーにとって生命線であったこのストレートをとらえられたショックは大きかっただろう。この回、1番河野はスライダーをとらえて2点タイムリーを放ち、再び点差は5点に広がる。

コツコツ返した点数を再びビッグイニングで返された習志野だが、終盤に選抜準優勝の意地を見せる。8回裏、代わった2番手の池田をとらえ、6番和田、7番兼子の連打で2点を返す。習志野打線も派手さはないものの、シャープなスイングで着実に得点を重ねていった。

しかし、この反撃の流れも最終回に丸山の打棒で断ち切られる。9回表、今度はアウトコースのストレートを豪快に流し打つと、打球はそのままライトスタンドへ飛び込んでダメ押しの1点を追加する。持ち味の豪打で主導権を奪い続けた鶴岡東が最終回の習志野の反撃を封じ、初の1大会2勝目をマーク。痛快なジャイアントキリングで3回戦進出を果たした。

まとめ

鶴岡東にとってはまさにしてやったりの快勝。序盤に山内のスライダーを狙い打ち、終盤は飯塚の武器の真っすぐを仕留める。強打で打ち勝つというだけでなく、相手投手の傾向と強みを分かったうえで攻略するという理想の流れであった。試合巧者の習志野と駆け引きを行っては分が悪く、あくまで自分たちの良さを貫いたうえでの快勝劇だった。

影山池田の両左腕の踏ん張りも見逃せず、粘っこい習志野の攻撃を相手によく耐えた。ここ数年着実に地力をつけてきた鶴岡東が大きな1勝を大舞台に刻み込んだ。

 

対する習志野も持ち味の粘りを発揮し、序盤の5点ビハインドをよく追い上げた。しかし、終盤に飯塚がストレートを打たれて浴びた2発はチームの終盤戦に対する自信を奪うものとなってしまったか。鶴岡東の打棒が見事だったとしか言いようがない失点でもあった。競り合いでのしぶとさに強みを発揮するだけに点差を離された展開も痛かった。

ただ一発を浴びた後の8回の粘りは素晴らしかったし、何より近年大舞台から遠ざかっていた千葉の強豪にとっては大きな足跡を残した一年になったのは間違いない。再び甲子園で「レッツゴー習志野」の演奏が聴ける日を楽しみに待ちたい。

[熱闘甲子園2019]習志野対鶴岡東 – YouTube

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