2020年交流試合 大坂桐蔭vs東海大相模(6日目第1試合)

2020年

大会6日目第1試合

東海大相模

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 2 0 0 2
1 0 0 0 0 0 1 2 × 4

大坂桐蔭

 

東海大相模  石田→笠川→諸隈

大坂桐蔭   藤江→松浦

高校球界を代表する東西の横綱の激突は、終盤に二転三転する好ゲームに。終盤に主将・薮井の勝ち越し打が飛び出した大阪桐蔭が4-2で接戦を制した。

試合

大坂桐蔭は、2018年に春夏連覇を達成していたが、2019年はライバルの履正社の後塵を拝し、その履正社が夏の甲子園で初優勝を達成。大阪の覇権奪回に向け、新チームの指揮は高かった。大阪大会決勝ではそのライバル履正社に9-6と打ち勝つと、近畿大会でも準優勝。再びの全国制覇を狙っていたところでコロナウイルスによる甲子園中止という悲劇に見舞われたが、チームは交流試合に向けて懸命の調整を続けた。

エース左腕の藤江は左腕からのキレのある速球とスライダーを武器に三振の取れる左腕。やや球質が軽いことが課題だったが、体重アップに成功して一気に球威も増した。後ろには関戸・松浦(日本ハム)の2年生本格派コンビも控えており、投手力に不安はない。打線はパワーヒッター西野、左の好打者の船曳、仲三河(西武)を中心に4割打者がずらりと並ぶ。投打に厚い選手層を誇り、2年前のチームに勝るとも劣らない陣容になった。

一方の東海大相模も前年夏に甲子園を経験した野手が複数残り、1年生で甲子園のマウンドを経験した石田(巨人)やエース左腕・諸隈も成長。神奈川大会を圧倒的な力で制すると、関東大会でも4強に進出し、選抜切符を獲得していた。大会が開かれていれば間違いなく優勝候補に挙げられていただけに、大会中止は惜しい結果であった。

打線は、鵜沼、山村(西武)、西川(ロッテ)と長打力のあるパワーヒッターが初回から相手投手陣に圧力をかける。ロングヒッターにありがちな脆さもなく、確実に甘いボールを仕留める打撃は脅威だ。下位まで強打者が並び、次の塁を果敢に狙うアグレッシブベースボールでチャンスを拡大する。投手陣は諸隈の制球が安定し、石田も球威がアップ。昨夏中京学院大中京に大逆転負けを喫した悔しさを晴らしたいところだ。

また、両校はともに対関東勢、対関西勢に圧倒的な相性の良さを持っており、大阪桐蔭が対関東勢に18勝2敗、東海大相模が対関西勢に11勝2敗とともにカモにしている。この両校の対決で果たしてどちらに軍配が上がるのかという点でも非常に見ものである。

 

先発は大阪桐蔭がエース藤江、東海大相模が2年生左腕の石田で始まった。

大坂桐蔭の藤江は立ち上がりボールがやや荒れ気味になるも、東海大相模の強打者の懐を強気に突く。右打者のインサイドをえぐっておいて変化球を落とす投球で立ち上がりの相模の上位打線を抑え込む。昨秋の投球を見ると、ボールの回転はいいものの、当たったら飛ぶ印象があったが、この日のボールを見る限り、そんな印象は吹き飛んだ。

対する大阪桐蔭は1回にいきあんり2年生の池田(オリックス)がスライダーをとらえてレフトオーバーの2塁打で出塁。2番加藤のファーストゴロで相模のファースト茂谷が好守を見せ、3塁を狙った池田を封殺するが、続く3番西野の四球と船曳の右中間へのフライによるタッチアップで2アウトながら1.3塁とチャンスを広げる。ここで5番吉安がインサイドに入ってくるスライダーを逃さず、ライトへ引っ張り、大阪桐蔭が1点を先制する。

立ち上がりから両チームの強打と攻守が入り乱れ、甲子園決勝と言われてもなんら不思議でないハイレベルな攻防を見せる。

2回以降は、両チームの先発投手が好投。藤江は何度も言うが、昨秋の天理戦でホームラン攻勢にあった面影はなく、抜群のキレに球威も加わり、東海大相模打線を翻弄。関東屈指の強打者たちに全く自分の打撃をさせない。一方、相模の2年生左腕・石田も伸びのある速球とスライダーを武器に2回以降は強力・大阪桐蔭打線を無失点に封じ込んでいく。

両投手の好投に加えて、バックを守る内外野も堅守を見せ、得点はおろかスコアリングポジションにもランナーが進まない展開。5回裏には東海大相模のセカンド加藤がセンターに抜けようかという当たりを好捕し、失点のピンチを防ぐ。強力打線を擁するチーム同士の対戦だけに打撃戦も考えられたが、試合は息詰まる投手戦となって進んでいった。

それでも、百戦錬磨のこの両チームがこのままで終わるわけがない。6回までわずか1安打しか放てなかった相模打線が、7回についに藤江をとらえる。

この回、先頭の3番加藤が四球を選んで出塁すると、4番西川の打席でエンドランを敢行。西川はインサイド低めのスライダーをぼてぼての当たりながらライトへはじき返し、1.3塁とチャンスを広げる。西川が盗塁を敢行して2.3塁とすると、チーム初ヒットを放っていた6番神里がインサイドのストレートを詰まりながらもセンターにはじき返し、2者が生還。ワンチャンスをものにして見事逆転に成功する。

今度は追いかける展開となった大阪桐蔭。だが、こちらも簡単に引き下がるわけがない。7回裏、先頭の5番仲三河が高めの速球をうまくライトへ流し打つと、石田のボークで二進。犠打が失敗してチャンスが潰えかけるが、畳みかける大阪桐蔭は代打・増田の四球で1,2塁とランナーをためる。ここで1番池田が投手強襲の当たりを放つと、石田はなんと素手で捕球を試みる。3塁へ送球するもセーフとなり、満塁とピンチが広がってしまう。

大事を取るか注目されたが、門馬監督の判断で石田は続投。気迫の投球で立ち向かったが、2番加藤は地面すれすれのスライダーをうまく拾ってレフトへの犠飛とし、大阪桐蔭が同点に追いついた。

大坂桐蔭は8回から2年生左腕・松浦にスイッチ。藤江よりも球威のある剛腕が力のある速球を武器に再び東海大相模打線を鎮火させると、その裏大阪桐蔭打線が勝負を決めにいく。

相模の2番手・笠川から先頭の4番船曳が痛烈なレフト前ヒットで出塁すると、続く5番吉安もこの日3本目となるヒットをセンターに放って1,2塁とランナーをためる。犠打で1アウト2,3塁とし、ここで打席には途中出場の主将・薮井。苦しい期間チームを引っ張ってきた主将がひたすらファウルで粘ると、9球目のインサイドの速球を軸回転の打撃で詰まりながらもレフト線に落とし、2者が生還。この1年間の苦労が報われるような一本が飛び出し、大阪桐蔭が2点を勝ち越した。

最終回もマウンドに上がった松浦は東海大相模の上位打線の粘りに合いながらも懸命に投げ抜いて3者凡退。高校球界屈指の強豪同士のスピーディーな投手戦を制した大阪桐蔭が交流戦でも凱歌を上げた。

まとめ

大坂桐蔭はこの試合は何といってもエース藤江の投球が光った。7回に捕まったとはいえ、6回まであのタレントぞろいの相模打線を1安打に封じた投球は見事の一言。守りからしっかりリズムを作り、チームに貢献した。また打線も主将・薮井の勝ち越し打をはじめとしてしぶといヒットを連発。タレント軍団と言われるが、こういう基本に忠実な打撃ができるのが「TOIN」の強さなのだと改めて感じさせられた。歴代の先輩たちと比較しても引けを取らない好チームであった。

一方、東海大相模も逆転負けを喫したものの、さすが相模と思わせる内容の試合であった。特に7回表に一気に藤江から得点を奪ったスピーディーな攻撃は、アグレッシブベースボールの真髄を見せつけるものであった。2年生左腕・石田も大阪桐蔭の強力打線に対して、終盤までよく投げ抜き、7回2失点の力投。素手で打球に反応する気の強さも見せた石田が新チームではチームを引っ張っていくことになりそうだ。

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