2021年選手権1回戦 日本航空vs東明館(1日目第3試合)

2021年

大会1日目第3試合

東明館

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 1 0 3 × 4

日本航空

 

東明館   今村→加藤

日本航空  ヴァルデナ

日本航空・ヴァルデナ、東明館・今村の投手戦は終盤に日本航空打線が今村の投球を攻略。ヴァルデナが今大会初の完封勝利を記録し、2005年以来16年ぶりの勝利を挙げた。

試合

試合序盤は両先発投手が好投。東明館の今村は伸びのある速球と手元で動くカットボールを武器に、日本航空打線に内野ゴロの山を築かせる。2年生ながら佐賀大会を今シーズン負けなしで駆け抜けたことを納得させるような投球を見せる。

これに対して、日本航空の左腕・ヴァルデナは188㎝の長身からコントロールよく変化球を決めていき、2回以降ランナーを出しながらも得点を与えない。3回表には2アウトランナー2塁で2番久保が痛烈な打球を放つも、ショート久次米がダイビングキャッチを決め、ピンチをしのぐ。

日本航空の堅守の前に、東明館は押し気味の展開にも関わらずなかなか得点を挙げられない。6回表にはエラーも絡んで2アウト1,2塁のチャンスをつかむと、8番成沢がセンターへのクリーンヒット。ようやく得点なるかと思われたが、センターのエドポロ・ケインが矢のような好送球を見せ、ホームタッチアウト。再三のチャンスをものにできない。

これだけチャンスを逃し続けると、流れは自然と日本航空へ傾く。6回裏、先頭の9番ヴァルデナが変化球をうまく拾ってセンターへのヒットで出塁。さらに1番久次米のバントは小フライになりながらも野手の間にポトリと落ちるバントヒットとなる。犠打で1アウト2,3塁となり、中軸を迎える。

ここで先ほど好返球を見せたばかりの3番エドポロの痛烈な3塁線の当たりをサード藤田が横っ飛びで好捕。超ファインプレーで危機を脱したかに思われたが、ここで1塁ランナー・エドポロがスタートすると、捕手がセカンドで送球する間に3塁ランナーが好判断でホームへ。ダブルスチールが見事に成功し、日本航空が待望の先制点を足で手にする。東明館の守備陣も想定はしていたが、日本航空の3塁ランナー久次米のスタートが上回った。

流れをつかんだ日本航空はヴァルデナが終盤に入って東明館打線に付け入るスキを与えず、淡々と打者を打ち取っていく。変化球のキレ、コントロールともに精度が高く、打てるボールがなかなかない印象。7回にはレフト和泉が背走しながらキャッチを見せるなど、相変わらずの堅守で反撃の芽を摘み取っていく。

すると、8回裏に今村が日本航空打線に捕まってしまう。疲れからややカットボールが高めに入るところを逃さず、2番、3番エドポロ、4番和泉の3者連続タイムリーで3点を追加し、勝負あり。相手投手がスキを見せたところを鋭く切り込む攻撃は、さすがハイレベルな関東でもまれてきたチームだと感じさせられた。

結局、ヴァルデナは終盤3イニングはヒットを許さずに東明館打線を5安打でシャットアウト。味方守備陣の堅守に支えられ、今大会完封一番乗りを果たした。

まとめ

日本航空は堅守と好走塁で流れを引き寄せる会心の試合運び。豊泉監督としては序盤の攻撃にやや不満が残ったようだが、それでも初戦としては申し分ない内容だったのではないだろうか。特に内外野の好守の連発は観衆を沸かせ、エース・ヴァルデナの投球を力強く後押しした。打線も8回の攻撃を見るとまだまだ破壊力を秘めており、2回戦以降も日本航空の戦いぶりが非常に楽しみである。

一方、東明館としては投打に実力を出し切れていた感じはしたが、あと一歩のところで得点につながらず流れを逸してしまった。2年生エース今村はコーナーに決まるカットボールは一級品であり、終盤まで日本航空打線を1点に抑えたことは実力の高さを証明していた。投打に手ごたえを感じる試合内容であり、エースが残る新チームで再び来年の全国切符をめざしていく。

2021年選手権1回戦予想 日本航空vs東明館 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

『ハイライト』 東明館 vs 日本航空 第103回全国高校野球選手権大会 第1日 2021年08月10日 – YouTube

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