2021年選手権3回戦 智辯和歌山vs高松商(11日目第2試合)

2021年

大会11日目第2試合

智辯和歌山

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 3 0 1 0 0 1 0 5
0 0 0 0 0 1 0 0 2 3

高松商

 

智辯和歌山  中西→伊藤

高松商    徳田→大平→坂中→渡辺和

強打を誇る高松商と初戦が不戦勝で長い間待たされた智辯和歌山の対戦。序盤から着実に得点を重ねた智辯和歌山がエース中西の力投でリードを守り切り、最終回の高松商の反撃も封じて13年ぶりのベスト8進出を決めた。

試合

ともに強力打線を誇るチーム同士の顔合わせとなったが、智辯和歌山は和歌山大会決勝から実に1か月近くのブランクが空いており、試合勘が戻るかどうかが心配された。

高松商の先発は前の試合に続いて左腕・徳田。小柄な体ながらキレのあるボールを投げる左腕はストライク先行の投球で打たせて取り、バックの好守備もあって1,2回を無失点で切り抜ける。

対する智辯和歌山の先発・中西は自慢の快速球に制球されたカーブを交え、高松商の好調な上位打線を寄せ付けない。ミート力の高い高松商打線だが、初戦の作新学院の投手陣より中西の方が球威があり、ボールの「圧」で強力打線を封じていく。

ある程度の失点を覚悟していた高松商だったが、やはり先制点はやりたくないところ。しかし、智辯和歌山打線が3回に入って徳田を捕まえる。先頭の9番大西が真ん中寄りのスライダーをセンターに運ぶと、1番宮坂の犠打の後、2番大仲もスライダーをセンターに運んで1,3塁。ここまで全員初球攻撃であっという間にチャンスを作る。

ここで3番角井は2球目の変化球をまたまたセンターに返すと、続く4番徳丸はストレートをライト線に落として2点目。さらに5番岡西もセンターへ犠飛放ち、この回3点を先行する。打撃の基本はセンター返しという高嶋監督時代からの教えが脈々と受け継がれていることを感じさせる攻撃だった。

継投で流れを変えたい高松商は4回から右腕・大平をマウンドに送るが、5回表に智辯和歌山は1番宮坂、2番大仲の連打を足掛かりに暴投で加点。今年は目立った長距離砲は4番徳丸くらいだが、全員が鋭くセンター中心にはじき返す迫力は全盛期にも決して劣らない。県内のライバルである市立和歌山・小園を打ち崩さんと磨いてきた攻撃が甲子園で輝きを放つ。

智辯和歌山のエース大西の前に5回まで2安打無得点の高松商だったが、6回に期待の長距離砲に一発が飛び出す。強打の2番打者として注目されていた2番浅野が真ん中に入ったスライダーを救い上げると、打球は浜風に乗ってぐんぐん伸び、レフトスタンドに飛び込むホームランとなって1点を返す。

しかし、試合の主導権は相変わらず智辯和歌山にある。必死の継投で追加点を阻まんとする高松商に対し、8回表に智辯は右腕・坂中から2アウト後に6番渡部、7番高嶋、8番中西の3連打で1点を追加。上位から下位まで鋭い振りの打者が並ぶ打線は、今大会も例外に漏れず強力であることを示していた。

4点のビハインドを背負った高松商。しかし、県大会準決勝、決勝と連続して4点差をひっくり返してきた自信がナインを支える。9回裏、2アウトから5番山田が粘って四球をもぎ取ると、6番末浪はアウトコースのストレートをセンターにうまく落として1,2塁。さらに7番主将の山崎へはすっぽ抜けたボールが直撃して死球となり、満塁のチャンスを作りだす。

一発出れば同点の場面で8番向井の打球はショート深い位置へのゴロとなる。捕球した宮坂は2塁フォースアウトを狙うも、送球がそれてしまい、2者が生還。高松商が怒涛の追い上げを見せる。ここで智辯和歌山はエース中西をあきらめ、2番手に右サイド右腕の伊藤を送る。和歌山大会で好投を見せてきた速球派のサイド右腕は代打・大坪のインサイドに臆することなく投げ込み、ショートゴロを今度は宮坂がさばいてゲームセット。

智辯和歌山が高松商の追い上げを必死の思いでかわし、2008年以来実に13年ぶりのベスト8進出を果たした。

まとめ

智辯和歌山にとっては実戦感覚が失われていないかが不安な戦いだったが、エース中西の投球もセンター返しに徹した打線も普段通りの力を発揮しているように見えた。特に市立和歌山・小園を攻略した自信を胸に、打線は高松商の継投した投手4人のうち3人からしっかり得点を挙げた。

宮崎商の出場辞退で不戦勝となり、実戦感覚の不安があったが、初戦を突破したことで、今後は日程面で最もゆとりのある立場となった。まだまだ余力を秘めたかつての常勝軍団が、再びの頂点に向けて牙を研いでいる。

一方、高松商は初戦とは違って先行される中で粘って試合を作り、最終回に一打サヨナラまで追い込んだのはさすが名門校といった戦いぶりであった。失点数は試合前の長尾監督の予想通りであったため、敗因を挙げるなら序盤・中盤に中西の強いボールに押されてしまったことか。

それでも伝統になりつつある強力打線の威力は今年も十分に発揮されており、来年最終学年を迎える2年生浅野のさらなる成長も楽しみである。

2021年選手権3回戦予想 智辯和歌山vs高松商 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

8月24日 高松商 (香川) vs. 智弁和歌山 (和歌山)ハイライトvsホームラン | 第103回高校野球選手権 – YouTube

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