2021年選抜1回戦予想 三島南vs鳥取城北

2021年

2021年選抜1回戦

三島南vs鳥取城北

40% 60%

 

21世紀枠からの初出場校と鳥取の常連校の対戦。対照的な顔合わせとなった。

 

三島南のエース植松は右サイドから丁寧な投球で抑える技巧派。サイドから繰り出す、持ち味の縦に落ちるカーブを武器に県大会では県下の強豪・静岡を1失点完投で下した。球速はなくとも安定した制球力で試合を作ることができ、侮ると手痛いしっぺ返しを食らいそうな投手だ。後ろには速球派右腕の前田も控えており、継投の可能性も十分にある。

対する鳥取城北打線は上位から下位まで切れ目のない打線で、昨秋の公式戦で打線が完全に抑え込まれた試合はなかった。5番徳山は5割近い打率で、2ホームランも放っており、頼りになるポイントゲッターだ。例年パワフルな打線を形成してくる印象があり、力強さでは他の強豪にも見劣りしないだろう。

 

一方、鳥取城北の投手陣は右の廣田、中野、山内に左の奥田とタイプの違う投手を複数擁し、層の厚さには自信を持つ。あとは軸になる存在が出てくるかだが、昨秋エースナンバーを背負った制球力のある廣田が筆頭候補か。鳥取城北らしい、上から投げ下ろすタイプの好投手だ。継投の戦いに慣れている分、山木監督の思い切った起用にも注目だ。

対する三島南打線はチーム打率は2割5分6厘と低いが、前田、小堂の中軸を中心に上位打線には力がある。特に4番の小堂は3割5分を超す打率でチームの打点の3分の1ほどをたたき出した好打者だ。勝負所で選手の判断で仕掛ける機動力にも定評があり、少ないチャンスを確実に活かす野球で活路を見出す。

 

実力通りにいけば鳥取城北が優位な気もするが、勝負は何が起こるかわからない。自分たちの野球ができれば三島南にも十分チャンスはありそうだ。

 

主なOB

三島南…市川ラク(漫画家)

鳥取城北…川口和久(広島)、能見篤史(阪神)、藤原良平(西武)

 

静岡 鳥取

春  1勝  3勝

夏  2勝  0勝

計  3勝  3勝

春は鳥取が、夏は静岡が勝ち越し。選抜では米子東や「山陰の暴れん坊」の異名を取った倉吉北が勝利を収めている。一方、夏は静岡高校が2勝をマーク。1999年夏の1回戦では静岡のエース左腕・高木(近鉄)が倉吉北打線から18三振を奪う快投で、初戦突破を飾った。果たして、今回の結果はいかに…

 

思い出名勝負

2003年夏2回戦

静岡

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 0 0 0 1 1 3
0 0 0 1 0 0 0 1 0 2

八頭

 

静岡  増井

八頭  河野

 

静岡は左腕・川口、右腕・鶴田の強力左右2枚看板を擁する投手陣と勝負強い打線を擁し、4年ぶりに夏の甲子園に出場。県大会決勝では、選抜出場校の浜名を川口が会心の出来で4-0と完封し、弾みをつけた。迎えた甲子園初戦は長崎日大との実力校対決に。中盤まで3点のリードを許すが、2番西川の2ランで追い上げると、最終回にサヨナラ暴投が飛び出して逆転サヨナラ勝ちを収めた。

優勝候補が次々と序盤で姿を消した2003年の大会で高校野球創成期からの伝統校が存在感を現し始めていた。

一方、八頭は鳥取県勢として1994年の同校以来の初戦突破を達成。主将・山田が選手宣誓を務めるなど、この大会は八頭に風が吹いている感じがあり、初戦は栃木大会で強打を誇った小山を相手にエース河野の粘りの投球と集中打で3-2と逆転勝ちを収めた。

 

静岡は現オリックスの増井の弟が先発。川口でも鶴田でもない第3の男は、兄そっくりのフォームから繰り出すストレートと落ちるボールを武器に序盤。八頭打線を完ぺきに抑え込んでいく。

対する八頭の河野は初回から再三ランナーを背負うも、静岡打線に決定打が出ず、なかなか得点が入らない。初戦の小山戦と似たような展開となり、名門校に嫌な雰囲気が流れる。

しかし、その雰囲気を突き破ったのも増井であった。4回表、四球で出たランナーを犠打で進めると、増井が自らタイムリーを放って1点を先制する。河野のウイニングショットのカーブをとらえての一打。打って投げての千両役者ぶりだ。

だが、この1点が逆に硬さになったか、4回裏に増井も先頭打者に四球を与えると、犠打で二進後に3番浅田が一塁線を破って八頭が同点に追いつく。八頭にとっては初めて出したランナーがホームを踏む理想の展開。両チームともに四球出たランナーをタイムリーで返すという、同じような形で得点を挙げ、一進一退の攻防が続く。

7回まで両チームとも4回の1点止まりだった試合は8回に再び動く。静岡はランナーを2塁において強打の1番青池が河野の低めのカーブを救い上げるようにレフト前に落として1点を勝ち越す。しかし、八頭も負けじとその裏、ランナーをサードにおいて、4番石破の打席で増井の暴投が飛び出し、再び取られた直後の得点で同点に追いつく。

この緊迫した攻防を最後に打開したのは静岡の主将のバットだった。1アウトでランナーを1塁において5番一之宮がアウトコースのボールを逆らわずに打ち返すと、打球は左中間を転々。一塁ランナーが長駆生還し、静岡が貴重な勝ち越し点を奪う。その裏、八頭はこちらも選手宣誓をした主将の山田が代打で打席に立つも出塁はかなわず。増井が粘りの投球で2失点完投し、静岡が16強最後の椅子をものにした。

 

静岡はその後、3回戦で優勝した常総学院のかき回す野球の前に0-7と完敗を喫した。今度は相手が奇襲作戦で登板させた2年生左腕・仁平に完全に翻弄されてしまった。しかし、それでも接戦を次々制してベスト16入りした戦いぶりは見事。伝統校が存在感を示した大会だった。

一方、八頭は長く続いた鳥取県勢の連敗を止め、2回戦でも敗れはしたものの接戦を演じた。その後も2008年選抜、2014年夏に勝利を挙げており、苦戦の続く鳥取県勢にあって地元の選手だけで勝つ姿は地元に勇気を与えている。

2021年選抜1回戦 鳥取城北vs三島南(2日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

[プロ 野球 – ハイライト動画] 【熱闘甲子園】2003日ハム増井 弟 静岡VS八頭 ED – YouTube

コメント

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