2021年選抜1回戦予想 八戸西vs具志川商

2021年

2021年選抜1回戦

八戸西vs具志川商

55% 45%

 

2013年の遠軽vsいわき海星以来となる21世紀枠対決となった。フレッシュな初出場対決を制すのはどちらか。

 

八戸西のエース福島は190㎝の長身から繰り出すストレートを武器とする本格派。ボールの角度という点では天理の達と並んで、今大会双璧の投手と言えるだろう。変化球も長身を活かした縦に落ちるボールであり、東北大会準々決勝では強豪・花巻東を2点に抑えて完投しており、失点は計算できそうだ。2番手の廣田もストレートに力のある好投手。

対する具志川商打線は公式戦のほとんどを2桁安打で勝ち上がったように、打撃には自信を持つ。5割近い打率でチームを牽引した1番上原から始まって打って走れる面々が揃ったバランスのいい打線だ。福島が長身なだけに、足元から崩すような攻撃ができれば面白い。

 

一方、具志川商の投手陣は新川と伊波瀬は2人ともオーソドックスなタイプの右投手。新川は最速144キロのストレートを武器に九州大会では2試合に完投し、伊波瀬頼みだった投手陣は厚みを増した。ただ、昨秋はバックの守備力が少し不安だった面があり、冬場の練習でどこまで改善しているか。まずは守りからリズムを作っていきたい。

対する八戸西の攻撃陣は小川監督も自信を持つ破壊力を誇る。特に1番相前から5番津嶋までの上位打線は全員パンチ力を秘め、全国レベルでも見劣りしないだろう。2番桐山は犠打だけでなく、強攻・エンドランも絡められるなんでもできるタイプだ。エース福島が安定しているだけに、初回から得点を挙げて流れをつかめれば勝利はぐっと近づきそうだ。

 

ともに打線に自信を持つが、投手力・守りの差でやや八戸西に分があるか。初出場同士だけに、先制点の占めるウェートは自然と増しそうだ。

 

主なOB

八戸西…中村渉(日本ハム)、佐々木剛(ラグビー)、下山貴裕(バスケットボール)

具志川商…國場翼(西武)、宮城雅史(サッカー)

 

沖縄 青森

春  2勝  0勝

夏  0勝  2勝

計  2勝  2勝

春は沖縄が、夏は青森がそれぞれ2勝ずつを挙げている。選抜では2005年に沖縄尚学の強力打線が青森山田の剛腕・柳田を攻略。強豪校同士の対戦は16-3と意外な大差がついた。一方、夏は平成元年に弘前工が石川に5-1と完勝。次戦で準優勝した仙台育英にも善戦し、充実の夏を過ごした。

 

思い出名勝負

2013年夏2回戦

沖縄尚学

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 0 0 1 1 0 3
1 0 0 3 0 0 0 0 × 4

弘前学院聖愛

 

沖縄尚学    比嘉→宇良→山城

弘前学院聖愛  小野

 

2013年の2回戦で実力校同士の好カードが実現した。

沖縄尚学は前年秋の九州大会で優勝し、V候補の一角として乗り込みながら開幕戦で敦賀気比の強打の前に2-11と大敗。比嘉・宇良の左右エースが打ち込まれ、打線も相手エース岸本(中日)に封じ込まれた。リベンジに燃える夏は初戦で強打の福知山成美に先行されるも、打線が相手守備陣の乱れにも付け込んで逆転。最後は3番手の2年生山城大が踏ん張り、8-7とルーズベルトゲームを制した。

一方、弘前学院聖愛は青森からの初出場校。光星学院と青森山田の2強の壁を破って、青森出身の選手だけで県予選を勝ち上がった。エース小野は右サイドながら伸びのある速球を武器に、初戦では玉野光南打線をわずか4安打で完封。岡山県予選で関西の好左腕・児山(ヤクルト)を打ち崩した打線を寄せ付けなかった。打線も6得点を挙げて完勝し、青森県のレベルアップを示すとともに、東北の初出場校が西日本の常連校を大差で下す様は隔世の感があった。

 

試合は初回から激しい攻防を見せる。沖縄尚学は1回表2アウトランナーなしから3番名嘉がショートへの内野安打で出塁すると、4番柴引が小野のストレートをとらえて痛烈なタイムリー2塁打を放ち、1点を先制する。1回戦で逆転勝利した勢いそのままに小野に今大会初失点をつける。

しかし、沖縄尚学はこの日も先発の左腕・比嘉がピリッとしない。長い腕からキレのあるボールを武器にのらりくらりとかわすタイプだが、どうにも制球が定まらず、2番藤元、3番一戸の連打ですぐに同点に追いつかれてしまう。

その後、小野が立ち直ったのに対して、比嘉は毎回のようにランナーを背負う展開に。バックの好守備でなんとか2,3回と無失点に切り抜けるが、いつ捕まってもおかしくない雰囲気が漂う。

そして、4回裏についに聖愛打線が比嘉をとらえる。7番森山、8番北畠の連打と犠打で1アウト2,3塁のチャンスをつかむと、強打の1番外川が比嘉のストレートを痛烈にレフト線に流し打って2点を勝ち越し。さらに、3番一戸も2番手の宇良からタイムリー2塁打を放ち、3点のリードを奪う。

これでなお落ち着きを取り戻した聖愛の小野は持ち味のキレのあるストレートで2回から6回まで沖縄尚学打線を無安打に抑え込む。前年まで精神面の弱さが見られたエースは最後の夏に成長した姿を見せつける。

しかし、1回戦で3点差をひっくり返した沖縄尚学打線は再び終盤に追い上げを見せる。7回表に6番平良が会心の打球を放つと、打球はライトスタンドへ飛び込むホームランとなって2点差に。さらに8回表には2塁打で出た9番具志堅を1番諸見里が基本に忠実なセンター返しで迎え入れ、ついに1点差に迫る。

だが、最後まで制球力の安定していた小野は9回に2アウトからこの日3つ目となる四球を出すも、後続を落ち着いて打ち取り、ゲームセット。先頭打者を出したイニングは2回だけと最後までリズムを崩さなかったエースの好投で、弘前学院聖愛が初出場で2勝を挙げる快挙を成し遂げた。

 

勝利した弘前学院聖愛は続く3回戦でこの大会準優勝する延岡学園に0-10と完敗。エース小野が先発を回避して左腕・一戸が先発したが、序盤から流れをつかめなかった。ただ。オール青森出身のチームが甲子園で堂々たる戦いぶりで2勝を挙げたことは誇るべきことであり、光星・山田によって引き上げられた青森の野球が県全体で底力をつけたことを示す戦いぶりだった。

一方、敗れた沖縄尚学はこの日も3番手で好投した山城大が新チームでエースに成長。つながりのある打線を背に、神宮大会を制覇し、春夏の甲子園でも8強入りした。2008年の選抜優勝以来、興南の隆盛もあって甲子園から遠ざかっていたが、再び一時代を築いた。

2021年選抜1回戦 具志川商vs八戸西(3日目第1試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

聖愛、沖縄尚学を破り3回戦へ(第95回選手権大会) – YouTube

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