2021年選手権1回戦 松商学園vs高岡商(2日目第3試合)

2021年

大会2日目第3試合

松商学園

1 2 3 4 5 6 7 8 9
4 3 4 0 1 1 0 3 1 17
0 0 3 1 0 0 0 0 0 4

高岡商

 

松商学園  栗原→渡辺創

高岡商   川淵→堀内→田中→桑名→川淵

北信越の常連校同士の対戦は松商学園打線が序盤から高岡商投手陣を攻略。17安打17得点の猛攻で2回戦進出を果たした。

試合

ともに打線に破壊力を秘めたチーム同士の対戦。両投手陣の踏ん張りがカギを握ると思われたが、高岡商のエース川淵が初回から松商学園打線に捕まってしまう。

1回表、1アウトから2番間中が四球を選ぶと、3番織茂・4番齋藤が高めの変化球を軽打して満塁とチャンスを広げる。ここで5番熊谷の二遊間の打球をショートが捕球しかけるもこぼして先制を許すと、なおも満塁から6番金井に左中間を深々と破るタイムリー2塁打を浴び、この回松商学園が一挙4点を先制する。

この初回の得点が試合を決めたといってよかった。立ち上がり川淵のボールは決して走っていなかったわけではないが、ファウルで粘って自分の打てるボールをじっと待ち、甘いボールを1球で仕留める技術はさすが「強打の松商」と思わせるものであった。

2回に入っても攻撃の手を緩めない松商学園は1アウトから四球の1番今井をきっちり犠打で得点圏に送ると、3番から再び4連打で3点を追加。各打者がコンパクトに振り抜き、かつフォローするの大きい打撃でヒットを連ねた。富山大会5試合を5失点で勝ち抜いた川淵だったが、この試合に関しては松商学園の技術に屈した形となった。

一方、大量リードをもらった松商学園・先発の2年生左腕・栗原はキレのあるストレートと曲がりの大きいスライダーを武器に1,2回まで4三振を奪う快調な乙球を展開。躍動感あるフォームから勢いのあるボールを投じており、今後が楽しみな左腕だ。

すると、3回表には松商学園がリリーフした高岡商の2番手・堀内もとらえる。2アウトをとられるが、その後上位打線がつながっていき、中軸に3度目の打席が回る。1,2打席目で硬さが完全に取れたか、3番織茂、4番齋藤がのびのび振り抜くと、それぞれ2塁打、ホームランを放ってこの回4点。軽打も長打もできる素晴らしい対応力で試合の流れは完全に決した。

このままでは終われない高岡商打線は3回に入って松商学園・栗原をとらえる。各打者が決め球のスライダーに食らいつき1番石黒のヒットや2番本多のファーストを襲う打球で1点を返すと、3番堀内もスライダーを捕まえて右中間を破る2塁打とし、3点を返す。ここ数年全国レベルで争ってきた高岡商打線の破壊力を見せつけた。

高岡商は3回途中からマウンドに上がった3番手の左腕・田中が好投。県大会では多くのイニングを投げたわけではなかったが、角度・キレともに申し分ないストレートを武器に4イニング余りを投げて失点2と踏ん張る。また、打っては4回に自らセンターにホームランを打ち込むなど、投打にわたってチームに流れを引き戻す活躍を見せた。

また、大量失点をした高岡商だったが、内外野陣は懸命の守備で投手陣を盛り立てた。センター本田のダイビングキャッチに始まり、終盤にはショート石黒がファウルゾーンのフライでフェンスに臆することなく突っ込むなど、ファイトあふれるプレーでチームを鼓舞した。点差は開いたものの、こういったプレーが試合に緊張感を生み、最後まで目を離させなかったのは間違いないだろう。

松商学園は2年生左腕・栗原が中盤以降、立ち直り7回まで4失点と先発の役目を果たした。3番織茂の5安打の活躍などで、終盤にも再度得点を重ねた松商学園が17-4と圧勝で北信越対決を制し、力強く2回戦へコマを進めた。

まとめ

松商学園の打者は決して大振りにならずにファウルで粘り、一球で好球をとらえて高岡商投手陣を攻略した。2回には川淵もやや立ち直りそうな気配を見せたが、松商学園の各打者の技術がそれを許してくれなかった。また、相手のスキを逃さない機動力も伝統として根付いており、今大会でも屈指の攻撃力と言えるだろう。投手陣の踏ん張り次第で上位進出も十分可能なチームだ。

一方、敗れた高岡商はここ数年は2018年の左腕・山田や2019年のサイドハンド右腕・荒井などエースがきっちり試合を作り、打線が年々力強さを増していたが、今回はディフェンス面から崩されてしまう形となった。ただ、点差が開いた中でも打撃・守備で取り返そうと懸命にプレーしたナインの姿は確実にスタンドで見ていた下級生に届いたはず。再び帰ってくる日を楽しみに待ちたい。

2021年選手権1回戦予想 高岡商vs松商学園 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

『ハイライト』 松商学園 vs 高岡商 第103回全国高校野球選手権大会 第 2 日 2021年08月11日 – YouTube

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