2021年選手権2回戦 日大山形vs浦和学院(8日目第2試合)

2021年

大会8日目第2試合

浦和学院

1 2 3 4 5 6 7 8 9
2 0 0 0 0 0 0 1 0 3
2 0 2 0 0 0 0 0 × 4

日大山形

 

浦和学院   吉田匠→芳野→金田→宮城

日大山形   斎藤→滝口

開幕戦を制した日大山形と49代表校最後の登場となった浦和学院の試合は、投攻守にハイレベルな好ゲームとなった。浦和学院の追撃を堅守でしのいだ日大山形がベスト16進出を果たした。

試合

ともに攻撃力に自信を持つチーム同士の対戦。互いの投手起用が決め手になると思われた試合は、浦和学院が先発に2年生左腕・宮城でなく右腕・吉田匠を立ててきた。

経験に勝る相手に対して先制点の欲しい浦和学院は開幕戦で好投を見せた日大山形・斎藤の初回をとらえる。2アウトから3番松嶋がセンターに詰まりながらも落とすヒットで出塁すると、続く4番吉田瑞はアウトコースやや高めの変化球をセンターフェンス直撃の3塁打として1点を先制。さらに5番藤井も低めの変化球をうまくセンターにはじき返し、この回2点を挙げる。

さすがの迫力で2点をもぎ取った浦和学院だが、1回裏に先発・吉田匠がうまく立ち上がれない。1番秋葉に対して四球を与えると、犠打で1アウト2塁となって3番の強打者・佐藤を迎える。佐藤はアウトコース寄りの変化球を逆らわずに打ち返すと打球はセンターの頭上を破るタイムリー2塁打となって1点を返す。さらに続くチャンスで5番伊藤もインサイドの速球をレフトに運び、初回でたちまち同点に追いつく。

埼玉大会では多彩な変化球で相手をかわしてきた吉田匠だったが、この日は初回落ち着かないうちに好球を狙い打たれてしまう。ただ、この後日大山形はセンターフライでランナーが飛び出して併殺に、さらに2回にもけん制でランナーが飛び出してタッチアウトと序盤で流れを失いかねない走塁ミスが続く。

だが、このミスに引っ張られずに先発・斎藤が踏ん張りを見せると、3回裏に再び上位打線が浦学投手陣をとらえる。振り逃げのランナーを2塁において再び3番佐藤を迎えると、今度は2番手の左腕・芳野の低めの変化球を救い上げてライナーでライト頭上を襲う勝ち越しタイムリー2塁打とし、逆転に成功。さらにこの回6番梅津にもタイムリーが飛び出し2点のリードを奪う。

ただそうはいっても序盤の2点のリードなど強打の浦和学院相手ではあってないようなもの。しかし、ここから日大山形の堅守がその反撃の行く手を阻んでいく。5回には浦和学院の2番金田のレフト頭上を襲う打球を伊藤が好捕すれば、続くピンチでは梅津が好送球で盗塁を狙ったランナーを刺す。地道に一つずつ堅守でアウトを積み重ねる野球で徐々に関東の強豪を追い詰めていく。

6回からは初戦で9回に好リリーフを見せた滝口が登板。伸びのある速球で浦学打線を寸断し、6回・7回と0を刻む。8回表にセンターの後逸も絡んで1点を失うが、先発・斎藤とは違う持ち味で好投を見せた。

しかし、森監督の勇退が決まっている浦和学院も最後まで粘りを見せる。9回表に8番宮城、2番金田がともに高い打撃技術でヒットを放ち、満塁までチャンスを拡大。この日2本の3塁打を放っている4番吉田瑞に打席が回る。一打逆転の場面であったが、最後は滝口の力のあるストレートに刺しこまれてショートゴロでゲームセット。日大山形が選抜Vの経験もある強豪を下し、3回戦進出を決めた。

まとめ

日大山形は荒木監督の掲げる泥臭く勝つ野球で浦和学院から会心の1勝をもぎ取った。特に2本のタイムリー2塁打を放った3番佐藤は内外、高低すべてのコースに対して素直にバットが出ており、今大会でも注目の打者になりつつある。投手陣も斎藤滝口のリレーが定着してきており、連戦の心配もなさそう。地に足のついた強さを見せる日大山形が虎視眈々と上位をうかがっている。

一方、浦和学院としては上位に左の好打者が並ぶ日大山形が相手だっただけに、左腕・宮城の先発かと考えていたが、まあチーム事情などもあるだけに仕方ないだろう。とにもかくにも序盤の失点を最後まで跳ね返させなかった日大山形の守備を褒めるしかないのかもしれない。打線は10安打を放って塁上をにぎわせたが、あと一本が出なかった。

今大会が最後だった森監督の夏はあっけなく幕を閉じてしまったが、これまでの功績は素晴らしいものがあり、間違いなく埼玉の高校野球のレベルを引き上げた監督であった。今後は息子さんが思いを引き継いで浦学野球の継承を目指していく。

2021年選手権2回戦予想 日大山形vs浦和学院 – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

8月21日 【日大山形 vs 浦和学院】ハイライトvsホームラン | 第103回全国高等学校野球選手権大会 – YouTube

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