2021年選抜1回戦 常総学院vs敦賀気比(5日目第3試合)

2021年

大会5日目第3試合

 

常総学院

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
0 4 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 4 9
0 0 0 0 0 0 3 2 0 0 0 0 0 5

敦賀気比

 

常総学院  秋本→大川

敦賀気比  竹松→本田→上加世田→本田

強豪同士の激しい打ち合いとなった第3試合はなんと選抜史上初めてのタイブレークに突入。最終回に猛攻を見せた常総学院が接戦を制して2回戦進出を決めた。

試合

ともに打力に自信を持つ両チーム。秋本大川の2枚看板を擁する常総学院に対して、敦賀気比の左腕・竹松がどこまで踏ん張れるかがカギと思われた。

しかし、常総学院の鋭い攻めが2回表に竹松に襲い掛かる。1アウトから5番秋本が四球を選ぶと、6番田辺は強攻してライトへの強烈な2塁打。この後四球で満塁となると、ファーストゴロ併殺を狙った捕手の送球がそれる間に常総が1点を先制。相手のミスを逃さない常総はさらに満塁から暴投と2番伊藤のタイムリーでこの回4点を先行する。

リードをもらった常総の先発・秋本は持ち味の球威ある速球にスライダー、チェンジアップを交え、緩急も駆使して要所で併殺を奪う。本格派投手に見えるが、時折見せる技巧派投手の横顔が敦賀気比を困惑させたか。

一方、得意のスライダーの制球がおぼつかない竹松を早々とあきらめた敦賀気比はサードを守っていた本田が登板。投手経験は多くないが、強肩を活かしたストレートとキレのあるスライダーで常総学院打線を封じる。本当に野手に専念していたのかと思わせるほどの投球に、さすが敦賀気比も選手層が厚いと感じる。

なんとか流れをつかみたい敦賀気比は7回裏にようやく秋本を捕まえる。先頭の上加世田が死球で出ると、代打・小西はやや球威の落ちたストレートをライトへ打ち返す。ここで続く本田の犠打がエラーとなって1点を返すと、さらに無死2,3塁から内野ゴロと犠飛でそつなく得点を重ね、1点差に。常総の楽勝ムードだった試合は風雲急を告げる。

ここから両チームの攻防は激しさを増す。8回表に常総は3番手の上加世田から5番秋本がスライダーをうまく拾う打撃でタイムリーを放ち、1点を追加するが、敦賀気比もすぐさま追撃する。その裏に2番手の大川からエラーと上加世田のヒットでチャンスをつかむと、暴投で2,3塁に。ここで小西の犠飛と本田のタイムリーが飛び出し、ついに敦賀気比が同点に追いつく。

ともに低めの変化球をうまく拾うヒットを放つなど、打撃技術の高い両チーム。相手にミスにすかさず付け込むそつのなさもあり、常連校同士のつばぜり合いは見ていて非常に面白かった。この後常総は大川が、敦賀気比は再び登板した本田が好投し、試合は延長戦に突入する。

ただ、2枚看板の一人が投げている常総に対して、敦賀気比は本来野手の本田がどこまで持つかは心もとない。試合は進んでいき、12回裏にはサヨナラのチャンスで途中出場の渡辺優が高めのストレートを痛烈にレフトに引っ張ったが、高々と上がった打球は背走した常総のレフト鳥山のグラブに収まり、試合を決めることができない。

すると、タイブレークに突入した13回表、試合が決する。ランナー1,2塁から5番秋本に対して島田監督はバスターを敢行。これがタイムリーとなって均衡を破ると、この後は堰を切ったように常総の猛攻が続いた。野手の間に落ちる幸運なヒットなどもあり、この回4点を勝ち越した常総が裏の攻撃を0点にしのぎ、強豪同士の好カードを制して2回戦進出を決めた。

まとめ

常総学院は最後は木内監督張りの「島田マジック」で勝ち越し点を奪い、長い攻防に終止符を打った。序盤に相手左腕が落ち着く前に大量点を奪うなど、試合運びのうまさは常総学院というチームの伝統なのだろう。ただ、終盤敦賀気比の嵩に懸かった攻撃を止めきれなかったのは反省材料か。島田新監督の元、どのように修正してくるか注目したい。

対する敦賀気比は序盤にエースがKOされながら、本当によく追いついた。特にサードから緊急登板となった本田は厳しい場面で常総学院の攻撃によく耐え続け、好試合を演出した立役者となった。最後も延長12回の打球は紙一重であったし、勝利の差は紙一重であった。敗れたものの、さすが敦賀気比と思わせる粘りの試合を演じ、ナインは聖地を後にした。

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