2021年選抜1回戦予想 健大高崎vs下関国際

2021年

2021年選抜1回戦

健大高崎vs下関国際

60% 40%

 

関東王者・健大高崎と2018年夏に8強入りの旋風を巻き起こした下関国際の対戦。近年甲子園を沸かせている両校の対戦となった。

 

健大高崎は昨秋は故障で投げられなかった速球派右腕・今仲とツーシームが武器の技巧派右腕・野中の2枚看板を形成。野中は強豪ひしめく関東大会で決勝の常総学院戦以外は大量失点はなく、今仲が戻ってくればより盤石となる。技巧派タイプの多い印象だった健大高崎だが、今仲が本領発揮するとより強固な布陣になるだろう。

対する下関国際の打線は2018年と同様に機動力としつこさが売り。2年生がスタメンに多く名を連ねる打線だが、簡単に凡退する打者は少なく、コツコツとランナーを進めてくる。勝負所で盗塁をしかける度胸も備わっており、チャンスで勝負強い4番捕手の守に回したいところだ。大量点の望める打線ではないが、しぶとく3~4点は奪いそう。

 

一方、下関国際の投手陣は左腕・古賀から右腕・松尾への継投策で勝負をかける。古賀は最速138キロのストレートで押す本格派左腕で、昨年秋は投げるたびによくなってきた成長株だ。一方、松尾はスライダーを武器にする技巧派で、タイプの違う2投手の継投で試合を作る。

対する健大高崎打線はかつての「機動破壊」の概念を超えた強力打線を形成。県内のライバル前橋育英の守り勝つ野球に対抗し、3番櫻井・4番小澤を中心とした長打力で相手を粉砕するスタイルになっている。スタメンの高校通算ホームラン総数が200本を超すという破壊力で、一気に試合の主導権を握る。止めるのは容易ではない。

 

地力では強力打線を擁する健大高崎に分があるか。終盤まで接戦に持ち込めれば下関国際の機動力が活きてきそうだ。

 

主なOB

健大高崎…三ッ間卓也(中日)、長坂拳弥(阪神)、湯浅大(巨人)、山下航汰(巨人)、柘植世那(西武)

下関国際…宮崎敦次(ロッテ)

 

群馬 山口

春  1勝  2勝

夏  4勝  2勝

計  5勝  4勝

対戦成績は春は山口が、夏は群馬がリード。健大高崎は2014年夏は岩国、2015年選抜では宇部鴻城に勝利しており、山口勢には相性がいい。一方、山口勢の勝利で印象深いのは1985年夏3回戦。宇部商が4番藤井の2本のホームランで東農大二に勝利して勢いに乗り、決勝まで進出。KKコンビのいたPL学園と決勝で死闘を演じ、一躍強豪校の仲間入りを果たした。

 

思い出名勝負

2009年選抜1回戦

南陽工

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 2 0 1 0 0 0 1 4
1 1 1 0 0 0 0 0 0 3

前橋商

 

南陽工  岩本

前橋商  野口

 

南陽工は前年秋の中国大会で準優勝し、2006年以来3年ぶりの選抜出場。2年生エース岩本(阪神)は重いストレートとフォークボールを武器とする本格派で、「津田2世」の呼び声高い期待の右腕だった。打線は上位の竹重、中川、国弘を中心に勝負強い打者が並び、チームは本気で全国制覇を狙って甲子園へと乗り込んできた。

対する前橋商はエース野口や主力打者の後藤(オリックス)、箱田がともに2年生の若いチーム。野口は162㎝と小柄な体格からキレのあるボールを投げる好左腕で、前年秋は守り勝つ野球で関東4強の座をつかんだ。3番の後藤は走攻守3拍子揃った好選手であり、まだまだ若い面々ながら上位を狙う手ごたえを感じていた。

 

試合は序盤から前橋商が攻勢をかける。立ち上がりから硬さの見える南陽工・岩本に対して1回裏、先頭の後藤が死球で出塁すると、犠打で二進後に3番箱田のヒットと4番高野の犠飛で1点を先制する。

さらに2回裏には下位打線もつながり、ヒットで出た7番市村を送って9番野口がタイムリー3塁打を放って2-0。ストレート、変化球ともに高めに浮きがちな岩本に対して、前橋商の期待の2年生が躍動する。

反撃したい南陽工は3回表、打者2巡目に入って期待の上位打線が機能する。死球で出た2番竹重をランナーにおいて、3番中川、4番国弘が連続長打を放ってすぐさま同点に。やや球威にかけた野口のボールを中軸打者が引き付けてはじき返し、仕事を果たした。

追いつかれた前橋商だったが、まだ安定しない南陽工・岩本をとらえて3番箱田と4番高野の連打などで満塁のチャンスをつかむと、犠飛で1点を勝ち越す。しかし、バタバタしている印象の岩本から3イニング連続で得点は挙げたもののすべて1点どまり。これが中盤以降に響いてしまう。

再び1点を追うこととなった南陽工は5回表、センター後藤の失策からランナーを出すと、前の打席で2点タイムリーを放った4番国弘が再び野口のボールを引っ張ってタイムリーにし、同点に追いつく。国弘はこの日2本の同点タイムリーで計3打点を上げる活躍を見せた。

その後は、前橋商・野口、南陽工・岩本がともに立ち直り、試合は投手戦の様相を呈していく。特に岩本は4回以降、緊張も解けたのか、伸びやかな投球を取り戻し、前橋商打線にヒットは許すものの、勝負所で決定打を許さなかった。

こうなると、追いついた側がやや気持ちの面で優位だったか。9回表、南陽工は先頭の9番河村が2塁打で出塁。犠打で三進後に勝負強い2番竹重がきっちり犠飛を打ち上げて勝ち越し点をたたき出す。その裏、前橋商も2安打を放って追いすがるが、最後は期待の3番箱田が打ち取られてゲームセット。両2年生エース同士の緊迫した投げ合いを制して、南陽工が31年ぶりに選抜で凱歌を上げた。

 

接戦を制した南陽工はその後、2回戦ではPL学園と対戦。9回まで相手エース中野に無安打無得点に抑え込まれながらも、0-0で延長戦に持ち込み、10回に4安打で勝ち越して8強入りを決めた。準々決勝で菊池雄星(マリナーズ)擁する花巻東に敗れたが、南陽工らしいしぶとく守り勝つ野球で31年ぶりにベスト8に進み、存在感を示した。

一方、敗れた前橋商は翌年、エース・野口、主砲・後藤を中心に1年間群馬県内を負けなしで通過。夏は見事代表権をつかんで甲子園行きを決めた。甲子園では野口が巧みなけん制も見せて、宇和島東の牛鬼打線をわずか3安打で完封。2回戦で北大津の強力打線の前に敗れはしたものの、全国の身長の低い選手に勇気を与える戦いぶりを見せた。

2021年選抜1回戦 健大高崎vs下関国際(1日目第3試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

2009年春 全国高校野球選抜大会 南陽工×前橋商 – YouTube

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