2021年選抜2回戦予想 東海大菅生vs京都国際

2021年

2021年選抜2回戦

東海大菅生vs京都国際

54%  46%

〇4-3  聖カタリナ 〇5-4  柴田

 

投打に充実した戦力を擁する東海大菅生に2人の2年生エースを中心として勢いのある京都国際がどう挑むか。面白い試合になりそうだ。

 

東海大菅生は3投手の継投で聖カタリナの反撃を抑えての勝利。先発・鈴木の角度のあるボールは魅力があり、またエース左腕本田を最終的に使わずに勝利したことを考えると、怪我などがないのであればかなり余力のある投手陣と言えるだろう。1回戦同様に相手がリズムをつかみそうになったところで先手先手を取って継投していきたい。

対する京都国際の打線は初戦は柴田のエース谷木の前にかなり苦しんだ。まともなチャンスは3イニングくらいしかなく、長身ではないが角度のあるストレートに中盤までは対応に苦しんだ。同じように角度のあるボールを持つ鈴木に対して、どう対応していけるか。最終回に見せたような右方向への打撃を見せていきたい。

 

一方、京都国際は森下が立ち上がりスライダーが高めに浮いて先制点を許し、苦しい試合となった。長打力のある菅生打線には命取りになるだけに今度は注意したところ。平野が真っすぐ主体に好投しただけに、今度は投げる順番をひっくり返す可能性はある。試合の中で調子を見ながら、小牧監督が柔軟に対応していきたい。

対する東海大菅生打線は奪った点数こそ4点だったが、相手エースの決め球を狙い打って2本のホームランを放った打撃は迫力がある。相手のミスを逃さないしたたかさもあり、京都国際投手陣が初戦のようにスキを見せれば一気の大量点もありうる。軸となる3番千田は初戦でホームランを放っており、まずは彼の前にランナーをためてまわしたい。

 

実力的には東海大菅生の方がやはり上だとは思うが、やってみないとわからないのが高校野球。京都国際が終盤まで粘って小差で食らいつけば、可能性は広がりそうだ。

 

主なOB

東海大菅生…笹川隆(ソフトバンク)、金森敬之(日本ハム)、南要輔(楽天)、高橋優貴(巨人)、勝俣翔貴(オリックス)

京都国際…曽根海成(広島)、清水陸哉(ソフトバンク)、上野響平(日本ハム)

 

東京  京都

春  10勝     4勝

夏  6勝  6勝

計   16勝   10勝

対戦成績は春は東京勢の圧勝、夏は6勝6敗の五分となっている。選抜では2013年に龍谷大平安の好左腕・福岡に早稲田実打線が6回まで無安打に抑えられながらも終盤の集中打で一挙4点を挙げ、試合をひっくり返している。

一方、京都勢の勝利で印象深いのは1998年夏。選抜で初戦敗退を喫した京都成章の古岡が全国制覇の経験を持つ桜美林打線を相手になんと1安打で完投。5-1と快勝でベスト8入りし、ここから古岡の投球が徐々に凄みを増していった気がする。果たして今回はどちらに軍配が上がるか。

 

思い出名勝負

2018年夏3回戦

龍谷大平安

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 0 2 0 1 0 0 3
0 0 2 0 0 1 0 1 × 4

日大三

 

龍谷大平安  小寺

日大三    広沢→河村

 

2018年の3回戦最後の試合で東西の強豪同士の屈指の好カードが組まれた。

龍谷大平安は前年夏に府大会決勝で敗れた悔しさをばねにエース小寺が成長。低めの制球力を鍛え上げて安定感を増し、府大会では四死球の数が前年と比較して激減した。一方、打線も4番主将の松田を中心に勝負強い打者が揃い、1番水谷、2番安井を中心に足を使った攻めも使えた。

初戦は鳥取城北の好投手・難波に苦しんだが、最終回に1番水谷が二盗、三盗で相手をかき回すと、2番安井がサヨナラ打を放って念願の甲子園通算100勝を達成した。勢いに乗った2回戦はここ5年で3度目の対戦となった八戸学院光星を14-1と一蹴。古都の伝統校が虎視眈々と上位を狙いだしていた。

対する日大三は2011年に圧倒的な強さで全国制覇を成し遂げたが、その後は3大会連続で初戦敗退。2013年夏は日大山形との日大対決に、2017年選抜では履正社とのV候補対決に敗れ、苦しい戦いが続いていた。2018年選抜では初戦で由利工の好投手を打ち崩して連敗を止めたが、2回戦で三重の定本の落ちるボールに対応できず、0-8と完敗。波に乗れない大会が続いていた。

しかし、例年のような長距離砲はいなくとも3番主将の日置を中心につながりのある打線は今年も破壊力十分。春夏連続出場で迎えた初戦は初出場の折尾愛真を16-3と圧倒すれば、2回戦では地元の大声援を受ける奈良大付を相手に冷静な試合運びで8-4と勝利した。速球派の右腕を並べた先発陣が試合を作り、左腕の河村が締めるパターンも確立し、戦い方が安定してきた印象だった。

 

日大三の先発はこの大会初登板の広沢。190㎝近い長身から繰り出すMAX140キロ台後半のストレートを前に、龍谷大平安打線が序盤全く手が出ない。ミート力の高い打者が多く並ぶが、高めに伸びるストレートにバットが空を切る。複数の投手陣が登板する日大三だが、まだこんな投手を隠し持っていたのかとびっくりするほどのボールを投げる。

この流れに打線が応えたのは3回裏。1,2回戦ほどボールにキレがない平安・小寺に対して、1番金子のホームランでまず1点。さらに2番木代の3塁打と3番日置のライト前ヒットとこの回わずか5球で2点をたたき出した。いずれも小寺のストレートをたたいたもので、相手の投球の軸となるボールを狙い打った。

ただ、伝統校の平安もただでは引き下がらない。5回表、ここまで飛ばしに飛ばしてきたことで疲れの見え始めた広沢から連続四球を選ぶと、送って2,3塁から小寺が自らセンターにタイムリーを放って同点に追いつく。押されっぱなしの展開の中で、わずか2本目のヒットで追いつく当たりは、さすがというかそつのない攻撃である。

6回裏、日大三は代打・飯村がサード強襲の内野安打で出塁すると、続く8番女房役の佐藤英がセンター横を破る3塁打で勝ち越し。小寺のスライダーにも徐々にタイミングを合わせ始める。一方、平安も直後の7回表に2番手河村を攻め、四球を足掛かりに2アウト2塁とすると、代打・生水のライト前タイムリーですぐに試合を振り出しに戻す。強豪校同士の激しいつばぜり合いに観衆も沸き立つ。

勢いに乗る平安は8回表、連続四死球を足掛かりとし、5番田島の内野安打の間に2塁ランナーの松田がホームを突く好走塁を見せる。しかし、これは間一髪タッチアウトとなり、流れを呼び込めきれない。非常にハイレベルな走塁であったが、落ち着いて守った日大三内野陣が一枚上手であった。

これで反対に勢いを得た日大三は8回裏、5番中村の幸運なテキサス性の2塁打でチャンスを迎えると、2アウト後に四球と相手のミスで満塁にチャンスを広げる。打席にはホームランを放っている一番金子。2-3から小寺の渾身のストレートは金子の背中に当たる死球となり、日大三の貴重な勝ち越し点が入った。

リードを得た河村は9回の平安の攻撃を三者凡退で封じ、優勝した2011年以来の8強入りを達成。強豪復活を印象付けた。

 

日大三はその後、準々決勝では下関国際の鶴田に7回まで無安打に抑えられながらも、8回に一挙3点を奪う会心の逆転勝利を達成。例年のような大型チームではなかったが、しぶとい打者と層の厚い投手陣で成し遂げた4強入りは小倉監督に新たな自信を与えるものだっただろう。

一方、この大会で通算100勝の呪縛から解き放たれた龍谷大平安は翌年春も主将となった水谷を中心に8強まで進出。そつのない戦いと勝負強い打撃、安定したディフェンスは脈々と受け継がれており、これからも平安が甲子園を沸かせてくれそうだ。

2021年選抜2回戦 東海大菅生vs京都国際(8日目第2試合) – 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

日大三 対 龍谷大平安 甲子園 – YouTube

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