2022年選手権1回戦 明豊vs樹徳(1日目第2試合)

2022年

大会1日目第2試合

明豊

1 2 3 4 5 6 7 8 9
3 0 0 0 0 1 0 3 0 7
0 0 0 0 3 0 0 0 0 3

樹徳

 

明豊  野村→坂本→森山

樹徳  亀井

強力打線の明豊と好投手を擁する樹徳の対戦は、明豊打線が先制・中押し・ダメ押しと理想的な攻撃で相手エースを攻略。2017年以来となる初戦突破を果たした。

試合

明豊は昨年選抜準優勝を経験した竹下を中心に今年も打線は強力。群馬大会で前橋育英、桐生第一、健大高崎と強豪を次々封じ込んだ樹徳のエース亀井をどう攻略するか注目されたが、初回からいきなり襲い掛かってきた。

1回表、明豊は1番高木が四球を選ぶと、2番宮崎には強気の強攻策。センターへのポテンヒットになるも、ここは樹徳のセンター今野が好送球で1塁ランナーを3塁で刺す。初回から激しい攻防となるが、攻撃の手を緩めない明豊は3番後藤のセカンドゴロに悪送球が絡む間に先制点を奪うと、4番竹下、5番嶽下の連打と内野ゴロの間に計3点を奪う。

樹徳のエース亀井にとっては、落ち着いて自分のリズムを築く前に奪われた3点。甘いボールを逃さない積極性もさることながら、各自がセンターから逆方向への意識をしっかり持って打席に入っており、常連校らしい攻撃でまずは出鼻をくじくことに成功した。

明豊の先発は右スリークオーターの野村。こちらも立ち上がり、1番、2番高木に連打を許すが、3番今野の痛烈な打球をサード宮崎がさばき、5-5-3の併殺でピンチを脱する。昨年の選抜でも再三見られた明豊の堅守。若き指揮官・川崎監督の元、本当に鍛えられている。

初回に3点を奪われた亀井だったが、2回以降が伸びのある速球とスライダーが低めに決まるようになり、自分の投球を取り戻す。一方、明豊の右腕・野村は持ち味の打たせて取る投球で内野ゴロを打たせ、リズムを作る。4回裏には再びサード宮崎がダイビングキャッチで併殺を奪い、明豊らしい守りのリズムが生まれる。

膠着した展開となってきたが、中盤に入って野村の投球フォーム、球筋に樹徳打線が慣れ始める。5回表の満塁のピンチを亀井が踏ん張ると、その裏、野村を一気に攻略する。5番館野、6番がともに高めのストレートをとらえて連打を放つと、内野ゴロの間にまず1点。さらに8番亀井はバスターの構えからアウトコース高めの速球を右中間にはじき返して2点目を挙げると、2アウト後に1番は三遊間を破り、ついに同点に追いつく。

この回の樹徳の打者陣はバスターの構えから右打者がアウトコースのボールをきっちり右方向に打ち返し、チームとして打撃方針の徹底ぶりが伝わってきた。やや変則のスリークオーター右腕を攻略するにはこうすればいいという、お手本のような攻撃で同点に追いつく。

3-3のタイスコアで試合は後半へ。グラウンド整備明けの6回は試合の流れが変わりやすいが、ここでも先手を取ったのは常連校の明豊であった。

6回表、先頭の6番西村がレフトへのヒットで出塁。犠打で二進すると、続く8番牧野はアウトコース高めの速球をとらえてライトの右横を破るタイムリー3塁打とし、再び勝ち越し点を奪う。この回ややボールが高くなった亀井だったが、そこを逃さない明豊の打棒がさすがであった。

その裏、明豊は2番手に左腕・坂本を送るが、樹徳は3番今野・5番館野がヒットを放ち、1アウト1,3塁とチャンスメーク。しかし、ここでまたもサード宮崎が3塁線を破りそうな打球を好捕し、失点を防ぐ。すかさず、川崎監督は3番手に2年生右腕・森山を送り、後続を打ち取ってこの回を無失点でしのいで見せた。

この6回の攻防が大きかったか。同点のピンチを防いだ明豊に流れが傾く。8回表に明豊は球数が100球を超えた亀井から5番嶽下の2塁打を皮切りにチャンスを作ると、内野ゴロの間に1点を追加。さらに9番森山、1番高木の連続タイムリーが飛び出し、大勢を決めた。

明豊は3番手の森山が3回1/3の1安打1四球と樹徳打線の勢いを完全にシャットアウト。怪我に苦しんできた2年生投手が大舞台で見事復活し、明豊は初戦敗退に終わった昨年の雪辱を晴らす1勝を手にした。

まとめ

明豊は、ここ数年選抜で4強、準優勝と結果を残してきたことがよくわかる戦いぶりであった。試合の流れがかわりやすい初回、6回で積極的なスイングをかけた攻撃陣、サード宮崎に代表される堅守、ここと見るや継投を躊躇しない川崎監督のタクト。投打に際立った選手はいなくとも、投攻守で相手にペースをつかませない野球で初戦突破を果たした。

昨年は専大松戸・深沢(DeNA)に完封負けを喫したが、今年は同じ関東勢の好投手を攻略。大分の強豪が順調なスタートを切った。

一方、樹徳にとっては30年ぶりの大舞台とあって、やや経験値の差が出てしまったか。右打者の多い打線が中盤に相手の変則右腕を右打ちの姿勢で攻略したが、あわよくばその攻撃が序盤からできていれば、結果はまた違ったかもしれない。ただ、群馬の強豪3校を次々に破って代表の座をつかんだ戦いぶりは素晴らしく、来年以降の群馬の勢力図が変わることを予感させるものであった。

明豊 樹徳を破り2回戦進出 [2022夏 明豊vs樹徳] – YouTube

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