2022年選手権1回戦 鶴岡東vs盈進(2日目第3試合)

2022年

大会2日目第3試合

鶴岡東

1 2 3 4 5 6 7 8 9
4 2 1 1 0 0 2 2 0 12
0 1 2 1 0 1 0 2 0 7

盈進

 

鶴岡東  小林廉→渡辺

盈進   向井→寺田→岡→佐々木→花岡

日差しが照りつける中で行われた第3試合は、両チームの打線が活発に打ち合う展開に。序盤から築いたリードを守り切った鶴岡東が3年前に続いて初戦突破を決めた。

試合

広島大会をノーシードながら打ち勝つ野球で制した盈進と準決勝まで無失点の盤石の投手陣で山形大会を勝ち抜いた鶴岡東。しかし、試合が始まると打棒を発揮したのは鶴岡東の方であった。

盈進の先発は広島大会でエース格として役割を果たしてきた右腕・向井。スライダーのキレが光る技巧派右腕に対し、鶴岡東打線は積極的な攻撃をしかける。1番武田がショート強襲のヒットで出塁すると、すかさずスチールを敢行。1アウト後に3番古賀のショートゴロで飛び出した2塁ランナーをランダンプレーで挟殺できず、1アウト1,2塁とピンチを広げてしまう。

48年ぶりの出場とあってか、やや地に足がついていない盈進。続く4番前田に死球を与えて満塁となると、5番浜田の犠飛で鶴岡東が1点を先制する。挟殺で殺しはずのランナーがホームを駆け抜けると、続く6番小林はすかさず甘く入ったスライダーをとらえて2点目。さらに、この回暴投と7番のタイムリーで計4点を先制する。

さらに2回表にはショートゴロの悪送球で先頭打者が出ると、犠打で1アウト3塁から2番土屋が真ん中高めのスライダーを完ぺきにとらえ、レフトへ2ランホームランを放つ。継投策を頭に入れていた盈進だったが、2回で向井が6点を失ったのは想定外だっただろう。守備のミスなどもあり、なかなか本来の打たせて取る投球ができなかった。

3回表にも2番手の寺田が1点を失った盈進だったが、いい意味で開き直ったか、2回以降持ち前の打線は真価を発揮する。鶴岡東のサイドハンド右腕・小林廉に対し、5番山藤・6番中島の左打者コンビが連打を放って1点を返すと、3回にも1,2番の連続四球から再び5番山藤がタイムリー2塁打を放ち、2点を返す。サイド右腕に対してボールの見やすい左打者が結果を残した。

4回表に四死球と失策から押し出し死球で1点を失った盈進だが、3番手で登板したが直球主体の投球で踏ん張りを見せる。5回に初めてスコアボードに「0」を刻むと、6回も強気の攻めで無失点ピッチング。これにこたえるかのように、6回裏には先頭の1番朝生が8球粘って四球で出塁。内野ゴロで二進すると、2アウト後に4番杉浦のサードゴロが失策を誘って、ついに3点差まで詰め寄る。

しかし、この試合を支配したのは「鶴岡東の打力」であった。直後の7回表、1アウトから2回にホームランを放った2番土屋が再び甘く入った変化球をとらえると、再び打球はレフトスタンドへ飛び込むホームランとなって9点目。さらに2アウト後、4番前田がインサイドの速球を引っ張って再び打球はレフトスタンドへ弾み、差を5点に広げる。盈進に流れを呼びこんだ岡から打ったこの2本のホームランは殊の外、大きな意味があった。

8回表にも暴投と1番松原のタイムリーで2点を加えられた盈進だが、打線は最後まで粘りを見せる。8回裏、鶴岡東の2番手の右腕・渡辺を再び攻め、1アウトから2番西野がヒットで出塁すると、広島大会で打率6割越えと大当たりだった3番秋田が持ち味の逆方向を意識した打撃に切り替え、しっかり呼び込んで左中間へヒットを放つ。1塁ランナーが一気に3塁を奪うと、送球間に打った秋田も2塁へ。盈進らしい攻撃的走塁が見られた。

4番杉浦は四球で満塁となると、当たっている5番山藤はライトへ痛烈なライナーを放ち、犠飛でまず1点。さらにこの日3安打と当たっている6番中島が左中間へ理想的な打撃で2塁打を放ち、再び5点差に詰め寄る。これだけの点差をつけられながら、懸命に自分たちの打撃を続けた姿勢は素晴らしかった。

盈進は5人の投手が登板し、最終回はその5番手の花岡が無失点に抑えて反撃を待った。しかし、最後は鶴岡東の渡辺が丁寧な投球で9回の盈進の反撃をしのいでゲームセット。鶴岡東が大乱打戦を制し、2回戦進出を決めた。

まとめ

鶴岡東は2019年に強打で高松商、習志野と強豪を連破した戦いを思い起こさせるような、鮮やかな打撃であった。3本のホームランが出た長打力もさることながら、好球と見るや積極的にバットを出していくスタイルが盈進の投手陣を後手後手に回させたと言えるだろう。

「先手必勝」でリズムをつかんだこの日の試合は、ここ数年出場を重ね、チームとして甲子園慣れしていることを感じさせる戦いぶりであった。2回戦で近江のエース山田をどこまで苦しめるか、注目だ。

一方、盈進はディフェンス面では5失策、6四死球と実力を発揮できなかったが、大量ビハインドを背負いながら攻め続けた打線の分厚さは、さすが激戦区・広島の代表と思わせるものであった。特に5番山藤、6番中島のコンビは2人で6安打5打点と大爆発。強引に打ちに行きたくなる場面でもきっちりボールを引き付けて快打を放って見せた。敗れはしたものの、攻撃力で存在感を見せつけた夏となった。

48年ぶりの出場!広島代表盈進高校が登場 盈進vs鶴岡東 – YouTube

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