2023年選抜2回戦 広陵vs二松学舎大付(3日目第2試合)

2023年

大会3日目第2試合

広陵

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 3 0 0 1 0 5
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

二松学舎大付

 

広陵      高尾→倉重

二松学舎大付  重川→大内

2018年夏以来となった両校の対戦は、広陵が分厚い攻めとエース高尾の好投で二松学舎大付を圧倒。前回のリベンジを果たし、2年連続での初戦突破を決めた。

試合

広陵は高尾、二松学舎大付は重川とともに右腕投手が先発のマウンドに上がった。

大事な立ち上がり、重川が苦しむ。じっくり選球してくる広陵打線に対し、1番田上・3番真鍋に四球を与え、暴投も絡んで1アウト1,3塁とピンチを広げてしまう。ここで4番小林はショートゴロとなり、併殺崩れの間に田上が生還。広陵が先制点奪取に成功する。

これに対し、広陵の先発・高尾は初回から安定したピッチングを展開。上背はそれほどではないが、球威のある速球を武器に、二松学舎打線を封じ込める。どこか2019年のエース河野(広島)を思い出させるようなパワフルなピッチングだ。秋の大会でイニング数以上の三振を奪ったのも納得である。

早く追いつきたい二松学舎大付は2回裏に広陵守備陣の乱れに乗じ、4番五十嵐が出塁。四球・犠打も絡めて1アウト2,3塁とチャンスを迎える。相手のミスから得た貴重なチャンスだったが、ここは後続が内野ゴロと三振に取られ、決定機を逃す。高尾は走者を背負っても落ち着いた投球を見せる。

2回以降はなんとか無失点でしのぐ二松学舎・重川だが、失点こそしないものの、広陵打線の分厚い攻撃陣が確実に「圧」をかけていく。立ち上がり方重川の武器である速球に対し、各打者がしっかり対応。3回には、広陵の走塁死に助けられて失点こそなかったものの、2番谷本から真鍋小林と3連打を浴びる。二松学舎としては、序盤は押され気味の雰囲気になっていただろう。

反撃したい二松学舎打線だが、高尾の投球の前に決定打が出ない。3回、4回と2人ずつランナーをだすものの、球威のある速球で右打者の胸元をしっかり攻め、スライダーを投じていくため、各打者が容易には踏み込めない。ヒットを打たれても次の打者への布石となる投球ができていると言えるだろう。3回は4番五十嵐にあわやホームランかという当たりが飛び出すも、打球にあと一伸びが出なかった。また、野手陣もショート小林を中心に堅守でエースを援護する。

追加点の欲しい広陵は、4回表の攻撃を三者凡退に封じられるが、各打者がこの回、重川のストレートが走りだした兆候を感じ取る。インサイドを強気に攻める姿勢も光り、二松学舎バッテリーとすればこれで乗っていけるかという投球だったが、広陵はここから攻略の糸口をつかんでいく。

5回表、1アウトから1番田上がインサイド低めの速球を引っ張り、ライト線への2塁打で出塁。内野ゴロで三進すると、打席には注目のスラッガー真鍋が入る。一発もある強打者だが、ここは重川の速球が高めに入ったのを、素直にレフトへ流し打つ。こういう打撃ができると、バッテリーは逃げ場がなくなる。さらに4番小林、5番只石が立て続けにストレートをとらえて連続タイムリー2塁打を放ち、この回計3点を追加する。

この回は4安打すべてが浅めのカウントからストレートを仕留めたもの。二松学舎とすれば、真っすぐ主体に立ち直りかけていたが、その得意のボールを真っ向から攻略した、まさに強者の野球で奪った追加点であった。

リードを広げてもらった高尾はここからさらに乗っていく。5回以降もランナーこそ許すが、低めに落ちるスプリット、スライダーを武器に、二松学舎打線を翻弄する。強打者・片井をインローの速球で見逃し三振に切って取るなど、相手の意表を突く配球も素晴らしい。高さを間違うボールが少ないため、フルスイングが身上の二松学舎打線がなかなか長打を生み出すことができないのだ。1イニング1イニング確実に0を並べていく。

これ以上の失点は何としても防ぎたい二松学舎。しかし、広陵打線の圧力は6回から2番手で登板した大内にものしかかっていく。8回表、7番田村、8番松下と下位打線が巧みなミートで連打を放つ。松下は昨年も経験している選手。こういう巧打者タイプが下位打線でヒットを連ねていくのもまた広陵の強さか。1,3塁から9番高尾のサードゴロの間に田村が生還し、貴重な1点を追加する。ここでもエンドランをかけてスタートを切らせる抜け目のなさを発揮していた。

セーフティ圏内に入った広陵は、最終回に2番手・倉重を投入。盤石の継投に。今後勝ち抜くうえで必要不可欠な左腕は、先頭に四球を出したものの、後続を確実に打ち取って試合終了。広陵が投打で二松学舎大付を上回り、3回戦へとコマを進めた。

まとめ

広陵は投打に盤石の内容で初戦を完勝。何といっても素晴らしかったのはエース高尾の投球だろう。力のある真っすぐで懐を攻める強気の投球が光り、二松学舎の強打者たちに立ち向かっていく姿勢を見せた。ランナーを得点圏に背負っても慌てる素振りもなく、強豪校のエースの風格漂う投球は圧巻の一言である。左腕・倉重もマウンドを経験でき、順調なスタートと言えるだろう。

また、攻撃に関しても、二松学舎投手陣の強い速球を逆らわずに逆方向へ打ち返していき、12安打を記録。好調な滑り出しと言える。5回には相手投手の兆候を見て、各自が狙い球を絞るなど、考える力も高いのが広陵の強みだ。また、積極的な走塁も随所に絡めており、非常に総合力の高い攻撃陣である。昨年は、九国の香西の術中にはまって1-4と完敗を喫したが、そのリベンジに全員が燃えているはず。広陵の本当の戦いはここからだ。

一方、二松学舎大付としてはやはり、看板の打線が封じ込まれては勝機は薄かったか。3番片井、4番五十嵐を中心に各打者のスイング力はさすが強豪校と思わせるものであったが、要所で打てるボールの来ない高尾の投球が一枚上であった。2018年夏の広陵戦のように強打で先手を取ってペースをつかむのが二松学舎の野球なのだが、今回はその勝ちパターンにははまらず。雪辱を晴らすべく、夏の戦いに臨む。

2023年選抜2回戦予想 広陵vs二松学舎大付 | 世界一の甲子園ブログ (kosien.jp)

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