2023年選抜2回戦予想 東邦vs高松商

2023年

2023年選抜2回戦

東邦vs高松商

52%   48%

〇6-3  鳥取城北

春夏計4度目となる両校の対戦。両チームに大きな力の差はないように思うが、1回戦を見る限り、東邦の充実ぶりが際立つ。

 

東邦のエース宮國は最速140キロ台後半という触れ込みだったが、1回戦はコーナーを突く制球力と低めの変化球のキレが光った。特にスプリットは鳥取城北の各打者のバットがなかなか止まらず、キレのある速球との組み合わせで相手打者を翻弄した。時折制球を乱す場面があり、失点もしたが、粗削りと思われた印象から一転、「勝てる投手」というイメージに切り替わった。後ろの岡本、山北も登板を済ませており、投手陣は万全と言えそうだ。

b対する高松商打線は昨年の浅野翔吾(巨人)のような怪物スラッガーはいないが、今年もミートのうまい巧打者が並ぶ印象だ。選手宣誓も行った主将・横井は四国大会で5割を超す打率を残したように、一度打ち出すと止まらないタイプだろう。昨夏に近江・山田(西武)を追い詰めたように、つながりだすとかさにかかって攻め立てる打線で、得点力は高い。長尾監督曰く、「1番打者タイプが多い」ため、単なる犠打だけでなく、仕掛けていく野球を展開してきそうだ。

 

一方、高松商投手陣の軸は左腕・大室。昨夏は準々決勝の近江戦で先発し、すでに大舞台は経験済みだ。1学年上のエース・渡辺と同様に大室も速球にキレがあり、しかも188㎝の長身から投じるため、角度も備えている。自ら制球を乱すタイプではないため、長尾監督も安心して試合を任せられるだろう。後ろには2年生右腕の甲田と佐藤晋のコンビも控えており、冬場の成長次第では先発登板の可能性もあるかもしれない。東邦の強力打線に対し、失点をしても、「各イニング最少」で踏ん張りたい。

対する東邦攻撃陣は、いい意味で「嫌らしい打線」だ。目立つパワーヒッターがいるわけでないが、タイムリーを放った3番眞邊、主砲・石川を中心に、各打者が野手の間を抜くシャープなスイングを見せ、巧みなバントと走塁で相手守備陣をかき回す。初戦を見た限りでは、「これはかなり上位まで勝ち進めるのでは?」と期待を寄せてしまう攻撃陣だ。スタメンのほとんどから代打に至るまでヒットが飛び出しており、まるで穴のないため、相手投手としては非常に神経を使うだろう。

 

1回戦は投攻守走全てにおいて高い完成度を見せた東邦。付け入るスキがあるとすれば、エース宮國が試合中に時折制球が乱れる場面があったことか。高松商としてはそこを突いて流れを呼びこむ攻撃をしたいところだ。ある程度の失点は覚悟で点の取り合いに持ち込めるか。

 

主なOB

東邦…山倉和博(巨人)、山田勝彦(阪神)、朝倉健太(中日)、藤嶋健人(DeNA)、石川昴弥(中日)

高松商…山口富士雄(阪急)、大森剛(巨人)、神田義英(ロッテ)、松永昴大(ロッテ)、浅野翔吾(巨人)

 

愛知   香川

春  7勝  6勝

夏  2勝  1勝

計    9勝    7勝

戦前から伝統のある両県だけに対戦は多く、特に選抜は13回もの対戦がある。そのうち選抜9度、選手権は2度、高松商の絡んだカードであり、愛知勢と縁のある高校だ。

1977年は「バンビ坂本」こと1年生エースの坂本を擁する東邦が高松商に、1981年は工藤公康(西武)擁する名古屋電機が志度商にそれぞれ勝利と、愛知勢の好投手が香川勢を封じ込めた試合も多かった両県の対戦。1984年の選抜以来と久々の対戦カードであるが、果たしてどちらが勝利をものにするか。

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