2025年選抜準々決勝 健大高崎vs花巻東(9日目第1試合)

2025年

大会9日目第1試合

健大高崎

1 2 3 4 5 6 7 8 9
2 0 1 2 0 0 0 4 0 9
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1

花巻東

 

健大高崎   山田→島田→石垣

花巻東    浅利→万谷→高橋→千葉→赤間→金野

ともに分厚い投手層を誇るチーム同士の対戦は、健大高崎打線が序盤から花巻東の投手陣を攻略。大会初先発の左腕・山田の好投もあり、投打で圧倒して2年連続のベスト4進出を決めた。

試合

花巻東は浅利、健大高崎は山田とともに、左腕投手が先発のマウンドに。いずれもエース級の投手を後ろに回しての起用となった。

花巻東の浅利は立ち上がり、先頭の1番石田にストレートの四球を与えてしまう。左サイドぎみでどちらかというと1,2回戦で投げた万谷と同じタイプの投手だ。2番加藤が犠打できっちり送ると、3番秋山は初球の甘めのスライダーをとらえる。打球はショートを強襲するヒットとなり、2塁から石田が一気に生還。先制点を挙げる。さらに4番小堀もライト前へのヒットでつなぐく、ここで佐々木監督は早くも万谷をマウンドに送る。

花巻東サイドとしては、浅利でできるだけイニングを消化したいところだったが、目論見は外れる。さらに万谷も2アウト後、6番杉山に低めのスライダーをうまく拾われ、センター前へポトリ。これは2アウトしては少し守備位置が深かったか。花巻東は伝統的に外野の守備位置が深い傾向にあるが、この場面では裏目に出た。

一方、いきなりリードをもらってのマウンドとなった健大高崎の左腕・山田。コンパクトなテイクバックからテンポのいい投球が光る。立ち上がり、3番新田にヒットこそ許すものの、スライダーを主体に打者のタイミングをうまく外し、打たせて取っていく。注目の4番古城に対しても外のスライダーをうまく打たせ、内野ゴロに仕留めた。

山田が2回もうまく抑え、健大高崎に守りのリズムを作ると、3回表に健大高崎が万谷の攻略にかかる。先頭の2番加藤が四球を選ぶと、ガッツポーズでマウンドへ。犠打で2塁へ進むと、2アウト後に5番栗原はアウトコースのスライダーを見事に流し打ちでレフト前へ。やはり、試合前から相当返球していたのだろう、左スリークオーターのスライダー攻略のお手本のような打撃で追加点をもたらす。

なおも攻撃の手を緩めない健大高崎は4回表、1アウトから9番山田も流し打ちでレフトへ。続く1番石田のファーストゴロを古城が捕球しきれず、内野安打になると、ここで2番加藤はきっちり送ってくる。このあたりの点差と状況を見ての作戦も、健大高崎は自在にこなしてくる。ここで初回に先制タイムリーの秋山がセンターの前に貴重な2点タイムリー!各自がスライダーのイメージをしっかり持って打席に入っていた。

リードを広がれられた花巻東は、5回裏、1アウトから8番万谷が死球で塁に出ると、9番佐藤がスライダーをうまく流し打って左中間を破るタイムリー2塁打!中盤にきてようやく1点を返す。しかし、その後は山田が後続を抑えて、この回を1点でしのぎ、5回1失点。先発の役割は十二分に果たしたと言えるだろう。

なんとか反撃したい花巻東だが、6回裏、先頭の3番新田が四球で歩くも、4番古城の痛烈な当たりはサード石田の好守に阻まれ、併殺となる。強烈なスイングを見せる花巻東の中軸勢だが、この日は当たっていた5番赤間、6番高橋が無安打に抑え込まれ、打線を分断された。

花巻東としてはエースナンバーの金野で勝負したかったところだろうが、やはり疲労の影響は考慮したのだろう。このあたりは、2009年に菊池雄星一人で勝ち上がった時から時代の変遷を感じる。8回表、必至の継投を見せるも、満塁から2番加藤に走者一掃のタイムリー3塁打を打たれ、この回4失点で試合の大勢は決した。

そして、健大高崎は8回からエースナンバーの石垣がマウンドへ。脇腹の故障の影響が心配されたが、この日はそんなことを忘れさせるくらいの快投を演じる。立ち上がりから150キロ台の速球を連発すると、2番高間木の打席でなんと155キロを計測!あの球速が出やすいから出たと言われている等々力球場の158キロもあながちフロックではなかったのかもしれない。追い上げたい花巻東の心を完全にへし折るような圧巻の投球で2イニングを0封。完ぺきな試合内容で大勝した健大高崎が2年連続での4強入りを決めた。

まとめ

健大高崎は、ここからの上位も見据えての選手起用で先発に左腕・山田を持ってきたが、これが見事にはまった。テンポとコントロールのいい投球で花巻東の強力打線を相手に1失点の好投。強烈なスイングをする打者に対しても、ひるむことなくストライクゾーンで勝負した。また、打線も花巻東の万谷を一巡目から早々と攻略。対左投手の対応がきっちりなされており、明徳の池崎ら好投手と対してきた自信もあったのだろう。

大会前は昨秋のエースだった佐藤龍をTJ手術で欠き、現エース石垣も脇腹の故障と、まさに飛車角落ちの状況だった健大高崎。しかし、ここまで見ると、下重をはじめとする他の投手陣が見事にカバーし、余計に強さを感じさせる戦いになっている。打線も機動力と確実性のある攻撃で着々と得点を上げており、攻守にわたってスキのない健大高崎。大会連覇がいよいよ現実味を帯びてきたか。

一方、花巻東もエースナンバーの金野は最終回の1イニングだけにとどめた。疲労による故障を考慮してのことだろうし、この判断は決して間違ってないだろう。むしろもう一人のエース万谷をきっちり攻略してきた健大高崎打線を褒めるしかない。打線は今大会屈指の長打力を誇っていたが、この日は左の技巧派投手にうまくかわされる結果となった。ただ、甲子園に来たことで様々な投手との対戦を経験できるのもまた事実である。

久々の選抜8強という結果と収穫、そして課題を胸に、夏の岩手大会連覇を狙う大会へと向かっていく。

花巻東 vs 健大高崎 【センバツ 準々決勝 全打席ハイライト】 健大打線爆発!石垣がセンバツ最速155キロ!2025.3.26 甲子園 高校野球 選抜高校野球 高校野球ニュース

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