2025年選抜1回戦 山梨学院vs天理(3日目第2試合)

2025年

大会3日目第2試合

山梨学院

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 2 0 2 0 0 1 5
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1

天理

 

山梨学院   津島→藤田→板東

天理     下坊→伊藤→下坊

2022年夏の再戦となった試合は、山梨学院打線が中盤以降に天理投手陣を攻略。相手のミスや四死球から流れを引き寄せる試合巧者ぶりを見せ、5-1と快勝で3年前の夏のリベンジを果たした。

試合

山梨学院は本格派右腕・菰田の先発が予想されたが、予想に反して左腕・津島が登板。昨年の選抜を経験済みの投手にスターターを託した。一方、天理の右腕・下坊が登板。エースに先発を託した。

1回表、天理・下坊は好調な立ち上がり。1アウトから四球は与えるものの、スライダーを武器にストライク先行の投球で上位打線を抑える。

この流れに乗りたい天理。しかし、序盤から攻撃がかみ合わない。1回裏、注目の1番赤埴が四球を選ぶも、続く2番吉田が犠打を失敗してしまう。2アウト後、4番富田がインサイドの速球を引っ張り、ライト前に落とすヒットで、1,3塁とチャンスを拡大。ここで5番下坊がショート後方へのテキサス性の当たりを打つも、ショート万場が後方へのダイビングキャッチでこれをつかみ取り、先制点を与えない。

その後も、天理の攻撃はつながらず。2回にも津島に連続四球でランナーをもらいながら、8番金本が犠打失敗。1番赤埴のとらえた打球もセンターの正面を突き、得点にならずと、どうも流れが悪い。3回裏には3番永末のヒットを足掛かりに四死球で満塁のチャンスを作ると、7番石井の頭部への押し出し死球で待望の先制点をあげるが、この死球で正捕手の石井が退場。手放しでは喜べない先制点となったうえ、後続が2番手の右腕・藤田の前に三振に倒れ、追加点が奪えなかった。

すると、野球の神様がこの流れを見て、山梨学院に味方したか、直後の攻撃にすぐに表れる。4回表、1アウトから昨年の選抜を経験している5番梅村が痛烈なレフト前ヒットで出塁。続く6番平野の当たりはショート正面へのゴロになるが、セカンドへの送球が間に合わず、1塁もセーフで野選となる。1塁ランナーがスタートを切っていたため、アウトにするのは難しいタイミングではあった。内野ゴロの間にランナーがそれぞれ進塁すると、8番鳴海が左中間へ流し打つ、左打者の理想の打撃で2者を返し、逆転に成功する。

逆転を許した天理は4回裏にも先頭の9番林田が四球で歩きながらも、1番赤埴が犠打を失敗。これで4イニングで3度目の犠打失敗であり、藤原監督も渋い表情となる。この段階で点差は1点だったが、流れがどんどん天理から逃げて行ってる感覚があり、申し訳ないが、とても天理が勝ちそうな雰囲気が感じられなかった。

すると、6回表、天理は流れを変えようと、もう一人のエース格の右腕・伊藤をマウンドにあげる。2アウト1塁からの登板であったが、伊藤は緊張からかストライクが入らない。代わった捕手の豊田も懸命に励ますが、一度狂った歯車は戻らず。結局、4者連続の四球で、2者連続の押し出しとなり、山梨学院に大きな追加点が入った。

後半戦に入ると、山梨学院の2番手の藤田の制球も落ち着きだし、天理サイドとしてはランナーもなかなか出なくなる。攻撃力に自信を持つ天理だったが、この試合に関しては山梨学院の投手陣に力負けの感は否めなかった。

山梨学院は9回表にも再登板した下坊から6番平野が決定的となる5点目をたたき出す。中盤以降、大事なイニングで効果的に得点を上げ、試合を支配した。天理も最終回に代打・石黒のヒットを皮切りに打線がつながり、1アウト満塁と攻めるが、最後は中軸が打ち取られて試合終了。5-1と山梨学院が完勝で、2回戦進出を決めた。

まとめ

山梨学院は、序盤攻め込まれながらも、落ち着いた守りで天理の攻撃を寸断。中盤以降、相手投手陣の制球難にも付け込んで、着実に得点した。昨年の選抜を経験した横山万場平野梅村と内野陣がそのまま残っており、堅守と確実な攻撃で投手陣を援護した。どっしりした試合内容はさすが近年の選抜上位常連だった。

ただ、投手陣に関しては、津島藤田の二人で10四死球を与えてしまい、課題が残る。本格派右腕・菰田の登板はあるのかも含め、次戦以降の内容に注目したい。

一方、天理は序盤からの犠打失敗が痛かった。攻撃力自慢のチームが5安打1点に封じ込まれ、力負けした感は否めないが、野球は流れのスポーツであり、ミスがなければどうだったかとは感じずにはいられなかった。投手陣はよく踏ん張っていたが、正捕手の死球による離脱の影響は少なからずあったはず。6回の伊藤の制球難も責められないだろう。

この日は攻守に悔いの残る内容だったが、過去に選抜で悔しい思いをして、夏に勝ち上がったケースも多々あり、夏へ向けての捲土重来を期す戦いが明日から始まっていくことになる。

『山梨学院 甲子園ノック』2025年センバツ 天理高校戦

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