2025年選抜1回戦
聖光学院vs常葉大菊川
51% 49%
堅守を誇る東北王者と、蘇った静岡の攻撃野球の激突!対照的なチーム同士の顔合わせとなった。
聖光学院は、左腕・大嶋から右腕・菅野への継投が基本線。この戦い方で、秋の東北大会では強力打線を封じ込めた。特に、全国への胸突き八丁となった準々決勝・仙台育英戦では東北屈指のタレントが揃う強豪を相手に、序盤は大嶋のかわす投球で試合を作り、終盤に菅野の球威あるボールで押す展開で3-2と大一番をものにした。特に大嶋の成長度合いは素晴らしく、多彩な変化球を自在に操れるようになり、コントロールの面で大きな進歩を見せた。失点の計算できる陣容に仕上がってきている。
対する常葉大菊川打線は、昨秋の東海大会では3試合連続の2桁安打を記録。石岡監督就任以来、ディフェンス力ベースの印象が強かったが、今年は強打の菊川が戻ってきた印象だ。2008年~2009年に甲子園を席巻した、振って振って合わせていく打撃スタイルで、活路を見出す。1番橘木、4番児玉を中心に5人の左打者が並び、思い切りのいいスイングで相手を呑み込む。投手としても活躍する3番佐藤大加は、チームトップの打点を記録する、今年のキーマンだ。
一方、技巧派左腕・大村が軸。丁寧に打たせて取る投球で、守備からリズムを作る。四死球で崩れる心配は少ないため、安心して試合を任せられる。こちらも継投を基本線に置いており、同じく左腕の石黒や野手兼任の佐藤大加を後半に出して、相手打線の目先をかわす。守りは11試合で8失策と安定しており、内外野とも堅守を誇る。昨年からのメンバーが多く、落ち着いて守れるのが強みだ。
対する聖光学院打線は、そつのない攻撃を持ち味とする。チーム打率自体も3割6分台と高いのだが、それ以上に打席内での粘り強さや小技・四死球を絡めたうまさが光るチームと言えるだろう。伝統の細かい野球で相手のすきに付け込めるのが強みだ。そこに、1番芳賀の出塁率の高さ、何でもできる2番猪俣、勝負強い3番菊地らの個の能力が加算されれば、得点力はぐっと上がるはずだ。神宮では東洋大姫路の体格に圧倒された面があったため、この冬でパワーをどれだけつけられたかも注目したい。
試合巧者の聖光学院に対し、常葉大菊川が自慢の攻撃力を武器にどうペースをつかんでいくか。序盤は、聖光学院が守りでリズムを作っていく中、中盤以降に常葉打線がどう対応していくかという流れになりそうだ。
主なOB
聖光学院…佐藤都志也(ロッテ)、船迫大雅(巨人)、岡野祐一郎(中日)、湯浅京己(阪神)、山浅龍之介(中日)
常葉大菊川…門奈哲寛(巨人)、田中健二朗(DeNA)、桒原樹(広島)、奈良間大己(日本ハム)、安西叶翔(日本ハム)
福島 静岡
春 0勝 0勝
夏 1勝 1勝
計 1勝 1勝
対戦は夏の2回で、1勝1敗のタイ。
1971年夏の準々決勝では磐城と静岡学園が対戦。初戦でV候補筆頭の日大一を下し、勢いに乗る磐城はこの日も小さな大エースこと、田村投手が好投。静岡学園打線を完封し、そのまま決勝戦まで進出した。決勝は桐蔭学園の0-1と惜敗したが、価値ある準優勝。今でもこの大会の成績が福島県勢の最高成績となっている。
選抜では初となる両県の対戦。どちらが勝利をものにするか。
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