2025年選抜2回戦 健大高崎vs敦賀気比(6日目第3試合)

2025年

大会6日目第3試合

健大高崎

1 2 3 4 5 6 7 8 9
4 0 0 0 0 0 0 0 0 4
0 0 0 0 0 3 0 0 0 3

敦賀気比

 

健大高崎   下重→石垣

敦賀気比   菅田→五十子

甲子園をよく知る強豪同士の対戦は、健大高崎打線が初回に敦賀気比の先発・菅田を急襲!中盤に下重が捕まって、接戦となったが、最終回に登板した石垣が150キロ台の速球攻めで反撃のスキを与えず、2年連続で8強進出を決めた。

試合

健大高崎は初戦に続いて、下重が先発。今大会は彼を中心に回していくのだろう。一方、敦賀気比は初戦と違い、2年生左腕の菅田をマウンドに送った。

1回表、敦賀気比の先発・菅田は低めに安定して制球できているように見えたが、健大高崎打線が捕まえる。やはり、初戦で対戦した明徳・池崎に比べると、どうしても球質はワンランク下がるか。

1番石田がヒットで出塁すると、犠打で二進後、3番秋山はインサイドのスライダーを引っ張る。打球は痛烈な当たりで三遊間へ!これをショート岡部が横っ飛びで好捕し、素早くサードへ送球するも判定はセーフになる。両者ハイレベルな攻防となるが、結果的に1,3塁とチャンスは広がる。菅田は続く4番小堀に死球を与えて満塁となると、初戦で決勝打の5番栗原はアウトコースのスライダーをうまくとらえ、センターへのタイムリーに!健大高崎が2点を先行する。

菅田としては低めにボールを集めているのだが、逃げていくボールに石田栗原ともよくついていく。しかも、ボールゾーンの球には手を出さないため、カウントも整えづらい。2アウト後、7番杉山も低めのチェンジアップをうまくすくいあげて、レフト線へ。2者が次々ホームを駆け抜け、4点先行となる。ここで、敦賀気比は菅田をあきらめ、五十子へ継投。生命線の低めの変化球を初回で攻略下健大高崎打線のレベルの高さには脱帽だ。

一方、いきなり4点のリードをもらった下重は快調な投球を見せる。初戦で15得点の敦賀気比打線に対し、低めのチェンジアップを武器に空振りを奪う。真っすぐにキレがある分、より効果的となる。序盤、四球のランナーは出すものの、ヒットは許さず、強打の敦賀気比打線のスコアボードにHがなかなか灯らない。

苦しい展開になった敦賀気比だが、初戦でリリーフした五十子がチームを救う。スライダー、カットボールが武器の右腕だが、この日は特に右打者のインコースへしっかり投げこんでいく。初戦はアウトコース中心の配球に終始していたので、どうかと思われたが、やはり投げようと思えばしっかり投げ込める技術と度胸を持った投手であった。また、バックも堅守で2年生エースをサポート。機動破壊の健大高崎に対し、捕手・小林が好送球で刺すなど、つけ入るスキを与えない。

試合は2回以降、両投手が好投を続け、4-0のまま後半戦へ。敦賀気比がノーヒットであることには、観衆の方も気づいておられ、少しざわついた雰囲気の中、6回裏の敦賀気比の攻撃に入った。

この回、先頭の9番五十子が四球で出塁。続く1番岡部は注文通りショートゴロに打ち取って併殺かと思われたが、ショートの送球をセカンドが落球してしまう。併殺を少し焦ったか。動揺した下重が2番河村に四球を与えて満塁となると、3番小西は2球目を打ち上げてセンターへの高いフライに!これが犠飛となって、ノーヒットで1点を返す。

続く打席には4番捕手と攻守の要の小林。思えば、あの強打で甲子園をわかせて2014年夏も4番捕手の岡田がチームを牽引していた。下重の外寄りのスライダーを叩くと、打球は左中間を深々と破る2点タイムリー2塁打になる。ノーヒットノーランがついに途切れると同時に、1点差まで敦賀気比が迫ってきた。

なおも攻め立てる敦賀気比は、5番岩崎が初球をたたいてサードへの強い当たりに。これをサード伊藤がダイビングキャッチするも、送球は間に合わず、内野安打に。さらに、6番上加世田も高めに入ったチェンジアップを右方向へ打ち返し、3連打で満塁となる。下重の脳裏にあの強打の敦賀気比の残像が蘇ってきたか。

ここで、7番大谷はカウント2-2となり、ストライクの欲しい場面。すると、東監督はこの場面でスクイズを指示する。しかし、このバントがその場で弾んで、そのまま捕手が捕球。ホームベースを踏んで、1塁へ送球し、敦賀気比としては痛恨の併殺となってしまった。

そうはいっても、後半に入り、下重の投球に徐々に慣れてきた敦賀気比打線。8回裏には、4番小林、5番岩崎が連打を放ち、一打同点のチャンスを迎える。二人とも、これで2打席連続のヒット。さすが敦賀気比の中軸だ。打席には6番上加世田。お兄さんが2022年のエースで4番としてチームを牽引した選手だ。しかし、この場面で下重はカウント2-0と早くも追い込むと、最後は渾身の内角速球で空振り三振に!捕手もガッツポーズを繰り出すほどの会心の投球であった。

最終回、敦賀気比は五十子が健大高崎打線を三人で退け、無失点。初回からのロングリリーフで見事なピッチングだった。これは、夏に向けて大いに自信になるだろう。

1点を追って、9回裏、敦賀気比打線は2人が倒れて2アウトとなるが、代打・佐藤が粘って四球を選ぶ。打席にはここまで大会無安打の1番岡部。しかし、土壇場での打撃に期待がかかる。

すると、なんとここで青柳監督はついにエース石垣をマウンドへ。脇腹の故障でどうかと思われていたが、常時150キロ越えの速球で、押しまくる!さすがにこの状況でこれだけの投球をされては、岡部としてもなすすべがなかっただろう。5球目を打ち上げた打球はショートへのフライとなり、ゲームセット。健大高崎が苦しい試合を制し、2年連続で8強進出を決めた。

まとめ

健大高崎は初回に4点を先行しながら、その後は追加点を奪えない苦しい試合内容だったが、守りの面でしっかりマネジメントできたことで勝利をつかんだ。6回裏の満塁でのスクイズのシーンもそうだが、下重の投球・バックの守備ともに、大事な場面で乱れる様子が落ち着いてアウトを重ねていった。下重は後半にヒットは許したものの、この日も低めに決まるチェンジアップは威力十分。安定した投球で試合を支配した。

そして、何といっても大きいのは最後の最後に石垣が投げられたことだろう。まだ短いイニング限定かもしれないが、最後に150キロ投手が控えているということは相手にとっては大きな圧力になるだろう。選抜連覇へ向け、いばらの道が続いたが、徐々に視界が開けてきたか。

一方、敦賀気比は初回にいきなり菅田が4点を先行されたが、これは健大高崎打線を褒めるしかないだろう。低めに丁寧に投げていただけに、責めることはできない。むしろ、2番手で登板した五十子の投球が抜群!インコースに果敢に突っ込み、健大打線の踏み込みを簡単には許さなかった。あの強力打線に8回3分の1で被安打4、無四死球は自信になるだろう。

打線は、下重の変化球に苦労したが、高めに浮いてきた後半にとらえたあたりは流石。惜しまれるのは満塁からのスクイズ失敗の併殺打が、勝負は時の運であり、仕方ないだろう。ここ数年は初戦敗退が続いていた選抜だが、大きな一歩を踏み出せた大会になったのではないだろうか。

健大高崎 vs 敦賀気比 【センバツ 2回戦 全打席ハイライト】 甲子園が沸き上がる!8強をかけ白熱の大熱戦!2025.3.23 甲子園 高校野球 選抜高校野球 高校野球ニュース

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