2025年選抜2回戦 花巻東vs二松学舎大付(6日目第2試合)

2025年

大会6日目第2試合

花巻東

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 2 0 2 0 0 2 0 6
0 0 0 0 0 0 3 0 0 3

二松学舎大付

 

花巻東    金野→万谷

二松学舎大付 河内→及川

現役メジャーリーガーをOBに持つチーム同士の対戦は、序盤から花巻東が着実に加点。二松学舎大付も今大会初となる柵越えのホームランで追い上げたが、終盤に追加点をあげた花巻東が2番手左腕・万谷の好投で試合を締め、2018年以来となる8強進出を決めた。

試合

花巻東は金野、二松学舎大付は河内と、初戦と同じ先発投手が登板。花巻東は、ケガで初戦はベンチスタートだった古城が復帰し、より打線に厚みを増して試合に臨んだ。

河内は初戦と同様、ストライク先行の投球で臨む。例年よりパワフルさの光る花巻東だが、1回は河内が多彩な変化球を武器にテンポのいい投球で封じ込める。2回には、注目の4番古城のヒットを皮切りに満塁まで攻め込まれるが、9番佐藤をアウトコースいっぱいの速球で見逃し三振に切って取り、難を逃れる。

対する花巻東の金野は長身からの角度のある速球が武器。初回、いきなりキーマンの1番入山に対してカウント0-3となるが、立て直して打ち取ると、縦に落ちる変化球を有効に使って二松学舎打線をかわす。

1,2回を見た感じだと両投手とも持ち味を発揮し、なんだかんだで得点は与えずに進むかと思われた。しかし、3回に入り、二松学舎大付の守備陣の乱れに花巻東打線が付け込む。

3回表、1番山崎がショート入山の落球で出塁。続く2番高間木の犠打が野選を誘い、1,2塁とチャンスを広げると、3番新田が送って1アウト2,3塁になる。ここで4番古城は高めの速球を強引にレフトへ運び、パワーで犠飛として1点を先制。並みの打者なら力負けするところだが、さすが1年生から4番を打つ打者である。さらに、初戦で代役4番を務めた5番赤間もストレートを強振してレフトへタイムリー。この4,5番のパワーは大会出場校中でも屈指だろう。

リードをもらった金野は、徐々にいつもの自分の投球になっていく。二松学舎大付打線に攻め込まれる場面もあるが、球威のある真っすぐと縦に落ちる変化球を武器に、ゾーンの中で勝負し、カウントを悪くしない。ボールの力に自信がある分、打者に向かっていく投球ができている。

追加点の欲しい花巻東は5回表、1アウトから3番新田が初球打ちのヒットで出塁。これも強いスイングの生み出した打球だ。4番古城は三振に倒れて2アウトになるも、5番赤間が死球でつなぎ、1,2塁。ここで6番高橋を二松学舎バッテリーは2-0と追い込むが、アウトコースに投じたスライダーを捕手の高橋に読まれていたか、センターへのタイムリーヒットとなる。コースはボール気味だったが、完全に外と読み切っての一打だった。

さらに、7番森下の打球を処理したショート入山が悪送球して4点目。入山はこれで初戦から3つ目のエラーで有り、キーマンとなる選手が守備で乱れたのは、二松学舎としては痛かった。

点差が4点となり、花巻東・金野はスイスイと投げていく。5回、6回と3者凡退。完全に花巻東のペースで試合が進んでいたが、7回裏に二松学舎大付打線が突如目を覚ます。

7回裏、先頭の4番早坂が高めの変化球をセンターに返し、出塁。続く5番永尾に対し、市原監督は点差もあって強攻策を選択する。これが見事にはまり、永尾が真ん中寄りのスライダーを完ぺきにとらえると、打球はレフトスタンドへ飛び込む2ランホームラン!今大会初のさく越えとなる一発で、一気に2点差に詰め寄る。

ここで花巻東は投手を左腕・万谷にスイッチ。しかし、勢いに乗る二松学舎大付につかまる。二松学舎大付も当然、研究はしてきただろう。右打者が入ってくるボールに対して、しっかり呼び込んで叩く。7番土屋がレフトへのヒットで出塁すると、四球も絡んで1,2塁。ここで先ほどのミスを取り返したい1番入山が打ち上げた打球はセンター前にぽとりと落ちるタイムリーになり、ついに1点差まで詰め寄っていく。

後続を万谷が打ち取るも、1点差まで詰め寄られた花巻東。逃げ切るには追加点が欲しい。8回表、1アウトから7番森下が四球を選ぶと、盗塁で二塁へ。2アウト後、二松学舎の2番手・及川の速球を9番佐藤が痛烈に流し打つと、打球はレフト前へのヒットとなる。これをチャージしたレフトが後逸し、打球が転々とする間に、打者走者も生還!花巻東にとっては大きな、二松学舎にとってはあまりにも痛い「2」がスコアボードに刻まれた。

リードを広げてもらった花巻東・万谷は、8回から完全に自分の投球を取り戻す。左腕から繰り出すスライダーを武器に、内外を広く使った投球で二松学舎打線をかわした。金野とタイプが全く違う投手だけに、継投の効果も抜群であった。最終回、二松学舎大付もヒットが1本出たものの、3点の差は大きい。後続を万谷が落ち着いて打ち取って試合終了。花巻東が6-3で二松学舎大付を下し、7年ぶりの8強進出を決めた。

まとめ

花巻東としては、理想的な試合運びだっただろう。自慢の中軸は4番古城が戻ってきたことで格段に厚みを増した。3番から6番までは特に体格が良く、スイングの鋭い打者が並び、二松学舎投手陣の力のあるボールを負けずに鋭い打球ではじき返した。また、7回裏に追い上げを食らったものの、金野万谷へ躊躇なく継投させた佐々木監督の采配も素晴らしかった。

東北3位ながら地力は高く評価されていた花巻東。例年以上に投打でパワフルさを感じさせる陣容で、次戦は昨年の王者への挑戦となる。

一方、二松学舎大付も投打でタレントは擁していたが、やはり守備のミスからの失点が痛く、そのままスコアボード上の得点差に表れてしまった。初戦はうまく先制して流れをつかんだが、やはり新基準バットで得点の入りにくい近年の甲子園では先制点を許すと、挽回するのは難しかった。

7回裏の反撃など、二松学舎らしさも十分見せたが、今回の選抜は2回戦で幕を閉じることとなった。

二松学舎大付 vs 花巻東 【センバツ 2回戦 全打席ハイライト】 大谷翔平と鈴木誠也の母校が8強をかけて激突! 2025.3.23 甲子園 高校野球 選抜高校野球 高校野球ニュース

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