勝ち抜き予想…神村学園
関東勢3校に、九州対決と見どころ満載のブロック。神村学園、聖隷クリストファー、健大高崎を中心に戦いが展開されそうだ。
東筑vs神村学園
ハイレベルな九州勢同士の好カード。互いに手の内も知り尽くしている中、どんな攻防が展開されるか。
神村学園のエース龍頭は、選抜でV候補の横浜を完封し、智辯学園相手にも2失点完投と全国区の強打線を相手に結果を残した。昨秋から内外角に正確に投げ分ける制球力に定評があり、夏にかけては球威・スピードともにもうワンランクアップした印象だ。鹿児島大会では準決勝・決勝とシャットアウト勝ち。もはや県内では無敵感を見せ、また、右腕・松永にも計算が立ってきた。対する東筑打線は、上位打線が強力。捕手としてもエースを支える1番平山はパンチ力があり、投打の中心の3番深町、左の大砲・梶原と強烈な面々が並ぶ。神宮王者の九国との雌雄を決した準決勝では平山が1点ビハインドの9回に逆転打を放ち、チームに勝利を呼び込んで見せた。この上位陣は全国でも十分に通用しそうだ。
一方、東筑の強みはプロ注目右腕の深町と九州屈指の好捕手・平山のバッテリーだろう。中学時代に横浜・織田と互角に渡り合った経験を持つ実力者コンビ。しなやかな腕の振りから最速150キロ近い剛速球を投じる深町を息の合った配球で平山が支え、九国打線も3失点でまとめ上げた。このコンビから得点を挙げるのは容易ではなく、本格派左腕・梶原も控えるため、連戦にも不安はない。対する神村学園打線は、選抜でこそ好投手との対戦が続いて得点は少なかったが、上位打線を中心に強力な陣容を誇る。特に3番梶山、4番川崎のコンビは強力であり、少しでも甘く入ればあっという間に外野奥深くまで運ぶ力を持つ。1番今井、2番田中を中心に機動力も豊かであり、非常に得点力の高い打線に仕上がっている。
両チームの間に大きな差はないが、経験値と投打のバランスで頭半個分ほど神村学園が上回るか。東筑としては先制して、自慢のディフェンスで逃げ切りたいところだろう。
聖隷クリストファーvs佐野日大
実力校同士の好カード。佐野日大は選抜の三重戦に続いて東海勢との顔合わせとなった。
聖隷クリストファーのエースは、高校球界でも屈指の呼び声が高い左腕・高部。短いテークバックから繰り出す速球は140キロ台後半を記録し、伝家の宝刀・カットボール、タイミングを外すチェンジアップにキレのあるスライダーといずれも一級品のボールを操る。昨年から一段階パワーアップした印象があり、この投手からは取れても3点までかと思わせる存在だ。対する佐野日大打線は、チームカラーの粘りを打線が体現。栃木大会決勝では国学院栃木とのタイブレークを6番小島の劇的な逆転サヨナラ弾で制し、春夏連続出場をつかんだ。突出した選手はいないものの、チーム全員で粘り強く食らいつく姿勢が際立っており、なんとか高部を攻略していきたい。
一方、佐野日大のエース鈴木は、県大会準決勝まで無失点と春から夏にかけてグレードアップした印象。内外に丁寧に投げ分ける技巧派の印象だったが、最後の数か月で球威が増し、変化球のキレもよくなった感がある。選抜では三重相手にタイムリー1本で惜敗したが、この夏はリベンジを期している。対する聖隷クリストファー打線は、決して強力とは言えないのが実情。ただ、個々のポテンシャルは決して低くなく、静岡大会決勝で満塁弾を放った小金沢など、ここ一番で大事な一本を出して静岡代表にまでたどり着いた。佐野日大・鈴木に対し、各自が狙い球をしっかり絞って打席に立ちたいところだ。
高部の圧倒的な存在感を考えると、聖隷クリストファーが若干有利か。ただ、佐野日大も鈴木が踏ん張って後半の僅差の勝負に持ち込めれば、十分に勝機はある。
東海大甲府vs鶴岡東
強打を誇るチーム同士の対戦。打線の出来が勝敗を左右しそうだ。
鶴岡東の投手陣の軸は2年生左腕の小川。春先までは柱が不在とされる投手陣が課題だったが、この夏に一気に台頭した。過去に何人もの好左腕を輩出してきた同校だが、小川もその例に漏れず、抜群のコントロールを武器に、安定して試合を作る能力がある。準決勝で完投した変則左腕・菅野にも目処が立っており、ディフェンス面での不安は完全に解消されたと言える。対する東海大甲府打線は破壊力抜群。準決勝では、甲府工を相手に9回裏に4点差を追いつく粘りを見せるなど、ここ一番での勝負強さは天下一品だ。2004年に選手として甲子園4強を経験した仲澤監督のもと、「甲府の暴れん坊」の異名を継ぐ力を、今年のチームも宿している。
一方、東海大甲府の投手陣もエース右腕・村尾をはじめとして枚数は豊富。準決勝では、左腕・熊谷が甲府工打線につかまってしまったが、その他の試合では失点は少なく抑えた。村尾は球威十分の速球が武器であり、真っ向勝負で相手に挑んでいく。対する鶴岡東打線は伝統の強打に加えて、今年は走塁面も含めたうまさが際立つ。相手守備陣の隙を見て、1つ先の塁を奪う機動力に長けており、犠打を含めた小技もきっちりこなしていく。ここに主砲・林を中心とした長打がMIXされると、一気に得点力は倍増。山形大会では他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せた。
打力は互角だが、投手陣の差で鶴岡東が少し上か。東海大甲府としては、自慢の打線が小川を攻略して優位に立ちたいだろう。
八幡商vs健大高崎
今大会初戦で唯一実現した関東vs近畿の対戦。V候補の一角の健大高崎に八幡商がどう対峙するか。
健大高崎は、今年度は選抜出場こそ逃したものの、昨年までの上級生に力があったため、試合経験が少なかった点は否めない。もともとのポテンシャルは全国でも屈指であり、今年も2年生の剛腕・石垣を中心に投手陣は鉄壁の陣容。石垣は今年がドラフトだったとしてもかかるのではというほどの実力者だ。また、野手兼任の佐藤も140キロ台の速球を誇り、左腕・北田にも計算が立つ。対する八幡商打線は、犠打を駆使してコツコツ得点を積み上げていくスタイルだ。ミートに徹し、上位から下位まで簡単に凡退しない粘り強さを持つ。走塁面でのうまさも光り、相手の隙を逃さないのが特徴だ。
一方、八幡商の強みとなるのは投手陣を中心としたディフェンス力だろう。技巧派左腕・久保田が先発し、エース田上が抑えるのが必勝パターン。田上は最速140キロ台中盤の速球に威力があり、近畿屈指の好投手だ。バックも堅い守りを誇り、投手陣をバックアップする。対する健大高崎打線は、昨年の春夏の甲子園を経験した石田を中心に今年もタレントが揃う。従来の「機動破壊」の概念を体現する石田雄が2番に座り、攻撃のアクセントに。相手をかき乱したところで、石田翔・佐藤・大岩の中軸がきっちり攻略に取り掛かる。走塁と強打をMIXした健大高崎らしい野球で、今年も得点をもぎ取りに行く
総合力で健大高崎の優位は動かないだろう。八幡商としては、とにかく守りで耐えて、離されずに食らいついていきたい。最終回に大逆転勝ちを果たした2011年の帝京戦のような展開に持ちみたいところだろう。

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