2026年選手権準々決勝予想 健大高崎vs有明

2026年

2026年選手権準々決勝

健大高崎vs有明

52%   48%

〇7-1  八幡商   〇6-3  立命館宇治

〇1-0  東海大甲府 〇3-2  長崎日大

〇4-1  佐野日大  〇4-1  東日本大昌平

夏は意外にも12年ぶりの8強入りとなる健大高崎と、春夏通じて初の8強入りとなる有明の対戦。投手事情で、やはり健大高崎が有利にはなりそうである。

健大高崎は、3回戦でここまで登板のなかった大橋、新倉といった左右の投手を使う起用の幅を見せた。これで今大会に登板した投手の人数は6人を数え、充実したスタッツを見せている。これは、その層の厚さもさることながら、起用しているベンチサイド・青柳監督にもかなり余裕を感じてしまう。次戦以降、彼らが誰を起用するのか、まったく読みづらくなっており、少なくとも1回戦を完投した2年生エース石垣は、元気いっぱいで終盤戦に出てこれるだろう。彼はまだそのベールを脱ぎ切っていない感があり、場合によっては大会終盤で再度観衆を驚かすことになるかもしれない。

対する有明打線は、3回戦でも終盤に東日本大昌平の投手陣を攻略して逆転勝ち。これで3試合連続での逆転ゲームであり、今、甲子園の観衆を完全に味方につけている(2年前の大社と被る)。そのきっかけを与えているのは、やはり1番永田の出塁と機動力。3回戦でも三盗を決めており、第2リードをしっかり取って、相手バッテリーの隙を逃さずに躊躇なく進塁してくる。彼の走塁で作り出した流れに、後続がコンパクトな打撃で応えるパターンが続いており、チームとして攻撃が形になっているのが大きい。代わりに出てくる選手の活躍も目立っており、健大高崎側としても終盤勝負だと不気味に映るはずだ。

問題なのは、有明の投手陣。3回戦の試合前に左腕・工がけがをしてしまい、次戦の出場も厳しい状況に。本格派左腕の斎藤が好投し、1失点完投で勝利に導いたとはいえ、今後を考えるとやはり苦しいと言わざるを得ない。緩急を使う工から球威のある斎藤へという流れを失っただけでなく、斎藤の疲労もよりたまっていくからだ。しかし、ここまで来ると泣き言もいっていられないため、斎藤が先発する場合は完投を目指しての投球になるだろう。幸い、3回戦は球数少なく抑えられたため、まだ余力はありそう。キレのある速球とスライダーを武器に力を込めた投球を見せたいところだ。

対する健大高崎打線は、3回戦で佐野日大の好右腕・鈴木を攻略。2回戦で湿りがちだった打線に徐々に活気が戻ってきた感がある。特に5番から8番の4人が当たっていることが心強く、センターから逆方向への意識を持って繋ぐ攻撃は相手にとってなかなか抑えづらいはずだ。焦点はやはり左打者陣が有明・斉藤のスライダーをどうとらえるか。狙っていくのか、はたまた捨てていくのか。試合の中で意識の徹底を図りたい。また、ここまであまり機動力が前面に出ている感はないが、大事なところで一つ先の塁を狙う意識は変わらず高いものがあり、相手守備陣に圧力をかけていきたいところだ。

有明としては、これまでのパターン通り、まずは何としても1-2点差以内で終盤まで食らいついていくことだ。投手事情が苦しい可能性もあるが、全員で守り切っていれば活路は開けてくる。逆に、健大高崎としては、終盤の有明ムードが到来しないように、中盤まででセーフティリードを取っておきたいところだろう。

 

主なOB

健大高崎…長坂拳弥(阪神)、柘植世那(西武)、湯浅大(巨人)、下慎之介(ヤクルト)、三ツ間卓也(中日)

有明…浅田将汰(DeNA)

 

群馬   熊本

春  1勝  3勝

夏  2勝  3勝

計  3勝  6勝

対戦成績は、春夏ともに熊本勢が群馬勢をリードしている。

2002年の選抜では九州学院と前橋が対戦。九州学院は1番江入を中心にスピード豊かな選手が多く、打って走れる攻撃型のチームだった。これに対し、前橋は1978年の甲子園で史上初となる完全試合を達成した松本稔監督が率いるディフェンス型のチームである。焦点は九州学院打線vs前橋のディフェンス陣であったが、試合の主役となったのは九州学院のエース藤原であった。自軍の打線が、敵失と3番千代永のホームランの2点に封じられる中、変化球主体の投球で好投。前橋打線の反撃を8回の1点のみにしのぎ、2-1で僅差の勝負を制したのであった。

一方、2005年の選手権2回戦では前橋商と熊本工の公立校対決が実現。夏は実に19年ぶりの出場であった前橋商は、当時県内でライバル関係だった桐生第一との死闘を制して、代表権をつかみ取った。熊本工は、昨年の春夏連続出場時のメンバーが残り、強力打線を擁していたが、エース富田が好投し、踏ん張っていく。すると、4回表に敵失から得た好機に連続タイムリーが飛び出して2点を先取。6回には2ランスクイズを決めるなど、見事な攻撃で5点を奪って優位に立った。富田は11安打を浴びながらも要所を締め、3失点で完投。久々の聖地で堂々の甲子園1勝を手にした。

終盤までもつれることが多い両県の対戦。ベスト4への切符をつかむのはどちらになるか!?

思い出名勝負

1996年夏準決勝

熊本工

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 3 0 0 0 0 0 3
0 0 0 1 1 0 0 0 0 2

前橋工

 

熊本工   園村

前橋工   斎藤

ベスト4がすべて公立校となった1996年夏。決勝の伝説のバックホームも含めて盛り上がりを見せた大会となった。その準決勝の第一試合は、県屈指の伝統を誇る工業高校同士のマッチアップとなった。

秋の県大会で初戦敗退し、新たに田中監督を迎えた名門・熊本工。社会人野球出身の新監督にみっちり鍛えこまれたチームは夏に1試合平均得点10点以上という強打のチームとして甲子園に帰ってきた。

初戦となった2回戦では注目の左腕・伊藤(ヤクルト)を擁する山梨学院大付属相手に5番古閑の2ランなど、集中打で12得点して圧勝。好スタートを切る。3回戦では死球を受けながら奮闘した主将・坂田の活躍で神田・溝渕と好右腕2人を擁する高松商に完勝すると、準々決勝では同じ九州の長崎・波佐見との打ち合いを制して見事ベスト4進出を決めた。自慢の強力打線は3試合で24得点と甲子園でもその威力を存分に発揮していた。

一方、前橋工は好左腕・斎藤を擁する守りのチーム。2回戦では好左腕・金城を擁する前原との一戦を9回サヨナラの1-0で制すると、3回戦の金沢戦では斎藤が2桁安打を浴びながらも粘投し、43で撃破した。

準々決勝の早稲田実戦では2回戦で逆転サヨナラホームランを放っている海星の2年生スラッガー稲垣を斎藤―赤城のバッテリーが完璧な配球で翻弄。終盤のスクイズで挙げた得点を守り切り、21で3試合連続1点差勝利という勝負強さを見せつけ、4強入りを決めた。

 

試合は2回裏、前橋工が捕手・赤城とヒットと失策・四球でノーアウト満塁の大チャンス。しかし、大須賀(巨人)、松島と連続でスクイズを失敗し、先制点のチャンスをフイにする。熊工のエース・園村は前の波佐見戦もそうだが、ここというところで本当に勝負強い。

すると、中盤に入り、ここまで無安打の熊工打線が、大会屈指の左腕・斉藤を捕まえる。

4回表、2アウトランナー無しから3番本多がレフトにうまく流してヒット。4番西本四球のあと、5番古賀が四球後の初球であるストレートを狙い打ってライト線へ2塁打を放つ。中軸の3人で奪ったあっという間に先制点。動揺を隠せない前工バッテリーから今度は6番に座る1年生沢村がレフト前へはじき返す2点タイムリー。直球をうたれたあとのカーブを狙い打っての見事な一打だった。

相手の考えをすべて読み切っての電光石火の3得点。さすが名門・熊本工といえる攻撃である。

前橋工の左腕・斎藤としてみれば、1試合を通して打たれたヒットはこの回の3本だけ。中盤から終盤にかけて、持ち直して好投しただけに一瞬の乱れを突かれた悔やんでも悔やみきれない回となった。

その裏、前橋工はスクイズを失敗した大須賀が挽回のタイムリーを放つと、5回にも1点を追加。しかし、6回には1アウト3塁から再びスクイズを失敗。準々決勝の海星戦では2得点をすべてスクイズで奪ったが、今日はどうしても電荷の宝刀が決まらない。

その後も熊本工の左腕・園村から相手の倍以上となる8安打を放ちながら、決定打が出ず。熊本工が実に59年ぶりの決勝進出を果たしたのだった。

 

ここまで1点差に笑ってきた前橋工は最後に1点差に泣くことに。しかし、見ごたえのある試合を繰り広げた戦いだった。特に左腕・斎藤の投球は見事であり、まさに大会屈指の好投手だった。

一方、熊本工は決勝ではあの伝説のバックホームで松山商に敗れるも、高校野球ファンの心に突き刺さる名勝負を演出。名門復活を果たした夏になった。

1996年夏準決勝 熊本工vs前橋工 7/13

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