2026年選手権1回戦 岡山学芸館vs鳥取城北(5日目第2試合)

2026年

大会5日目第2試合

岡山学芸館

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 2 0 0 3 1 0 1 7
0 0 3 0 0 0 0 0 0 3

鳥取城北

 

岡山学芸館   田路→的場

鳥取城北    下浦→田中→仮屋

中国勢同士の対戦となった第2試合は、互いに取っては取られの接戦に。中盤以降、鳥取城北のエース下浦を捕まえた岡山学芸館が、エース左腕・田路の好投で鳥取城北の反撃をしのぎ切り、3年連続で初戦突破を決めた。

試合

岡山学芸館は左腕・田路、鳥取城北は右腕・下浦。ともに県大会でエース格としてチームを牽引した二人を両監督は先発に指名した。

鳥取城北のエース下浦は140キロ台の速球とスライダーを武器にする好投手。初回、1アウトから2番森下に粘られて四球を与えるが、岡山学芸館の仕掛けにも動じずに、まずは無難な立ち上がりを見せる。今年こそ鳥取県勢の連敗を止めるという気概が伝わってくるような、気迫のこもった投球である。

一方、岡山学芸館の左腕・田路は、躍動感のあるフォームから、ややサイド気味の腕の振り出しでキレのあるボールを投じてくる。見た目以上に打席での体感が速く感じるタイプの投手であり、鳥取大会で打ちまくった鳥取城北の打線を3人で切って取る。

しかし、2回に入って下浦の速球にタイミングが取れ始めた感のあった岡山学芸館打線が3回表に先手を奪う。この回も2アウトランナー無しから3番藤原がアウトコースよりのボールを読み切って引っ張り、レフトへのヒットで出塁。4番池本が死球で続くと、5番竹本が貴重な一打を放つ。カウント1-3と打者優位の状況を作ると、スライダーが真ん中高めに入るところを逃さずフルスイング!打球はレフトの頭上を越すタイムリー2塁打となり、2者が次々とホームを駆け抜けて先制に成功する。こうした攻撃を見ても、岡山学芸館からはチーム打率1割台という雰囲気は感じない。

ただ、野球は得点が入ると反対側にも入りがちなスポーツだ。その裏、2回まで完全に抑え込まれていた田路を鳥取城北打線がとらえる。先頭の7番が真ん中寄りに入ってきたスライダーをセンターに運び、ヒットで出塁。犠打と内野ゴロで2アウト3塁となると、上位にかえって1番山崎がこれもの時と同じように、内に甘く入ってきたボールをとらえて、左中間へのタイムリーとする。右打者からすると、外から入ってくる失投は最も打ちやすく、田路としては修正に苦しむ。

さらに、2番中村もアウトコースにやや甘く入ったボールを素直に右方向へ返し、1,3塁とチャンスを広げると、ここで打席には3番中村が盗塁を決めて、一打2点の状況を作ると、カウント0-3から真ん中に入ってきたボールを叩いた打球は三遊間を破る。二人の走者が次々にホームへ帰り、この回一挙に逆転に成功!昨年まで1点が遠かった鳥取県勢が、1イニングで3点を奪い、スタンドは大盛り上がりとなる。

3回に複数失点を喫した両投手だが、4回はともに立ち直って無失点。下浦が得意の縦スライダーでアウトを重ねれば、田路は3回の制球の乱れは何だったのか、といった感じで、再びストライクゾーンの横幅を活かし、好投を見せる。下浦は5回表に3四死球で満塁のピンチを迎えるが、これは上位打線に対してやや警戒心が強すぎたゆえだろう。最後は、6番寺沢を得意のスライダーで打ち取って無失点。5回を終えて3-2と鳥取城北リードで試合を折り返す。

鳥取城北としては下浦が、球数が増えながらもなんとか抑えていたが、こうなると交代期が難しいところ。鳥取大会の大事な場面をほぼ一人で投げぬいてきたわけであり、中盤でおいそれと交代させることもできなかっただろう。しかし、岡山学芸館打線としては、決め球のスライダー対策も含めて、少しずつ攻略の手ごたえはつかんでいた。

6回表、下浦は簡単に2アウトを奪うが、ここから9番小林にはスライダーを、巧打の1番繁光にはストレートをそれぞれ捉えられ、1,3塁とピンチを招く。続く2番森下の打席で塁上から繁光に再三仕掛けられ、盗塁が決まって2アウト2,3塁に。球数が120球を超える中で、心身ともに削られる。すると、2番森下の当たりはぼてぼてのサードゴロになったが、これを拾ったサードが悪送球してしまい、2者が生還。岡山学芸館が一気に試合をひっくり返す。さらに、3番藤原も畳みかけ、高めに浮いたスライダーを捉えて、レフトオーバーのタイムリー2塁打!この回、一気に3点を挙げ、完全に主導権を奪い返すことに成功した。

一方、逆転してもらった田路は、6回でまだ球数は70球台。余力が出てきたのか、投球内容も大胆になる。もともと少し動く球質なこともあり、ゾーンの中で勝負していくため、相手打者からすると、見送ったらストライク、打ちに行くととらえきれないという、厄介な球筋になる。特に、鳥取大会で打率9割越えの記録を残した4番宮野を抑えていることが大きく、左打席で内から入ってくるスライダーにどうしてもタイミングが合っていない。県大会での好成績がかえって気負いになった可能性もあり、岡山学芸館バッテリーとしては相手の軸を封じることに成功した。

ペースをつかんだ岡山学芸館打線は7回にも2四球にセーフティバントを絡め、無死満塁として下浦をKO。代わった右腕・田中から9番小林がスクイズを成功させ、大きな1点を追加した。鳥取城北は、7回裏に6番主将の山本が11球粘っての四球から、1アウト2,3塁のチャンスを迎えるも、ここで9番小笠原が2球目を打ち上げてしまい、セカンドフライ。少し悔いの残る打撃内容になってしまった。その後、1番山崎も打ち取られ、得点はならず。この7回の攻防が試合の行方を決定づけることとなった。

最終回にも1点を加えた岡山学芸館は、田路が9回2アウトまで投げ切り、最後は左腕・的場に余裕をもってバトンタッチ。的場が後続をきっちり打ち取ってゲームセットとし、中国地区同士の対決を制して、3年連続の初戦突破を果たしたのであった。

まとめ

岡山学芸館は、中盤6回に相手エース下浦を一気に攻略しての逆転勝利。ただ打つだけでなく、攻撃のバリエーションが非常に豊富なことを感じさせる内容であった。ここ2年間、甲子園で戦う先輩を見てきたこと、また実際に戦った選手もいることで、いかに打てない状況だったとしても点を行くかという戦いがチームに浸透していることを感じさせた。また、県大会のチーム打率が1割台とはいえ、そんなことを感じさせないほど打力も確かなものがあり、甘く入ったボールはきっちりとヒット・長打にしていった。

また、投げては田路が制球の乱れた3回を除き、無失点投球を展開。試合の中での修正能力の高さ、相手を見ての配球の変更など、ボールの力だけではない投手としての実力の高さを感じさせた。昨夏に1アウトも取れずにマウンドを降りた経験を糧に迎えた1年後の甲子園、成長を見せたエースとナインは、2年前以来となる16強入りを虎視眈々と狙っている。

一方、またしても連敗が伸びてしまった鳥取県勢・鳥取城北だが、中盤までは相手をリードしており、この日は可能性を感じさせる試合であった。エース下浦のスライダーは低めに決まればそうそう打たれるボールではなく、全国レベルであったが、いかんせん岡山学芸館打線の選球眼の良さもあって、球数が増えてしまった。県大会で9割越えの打率を残した4番宮野をはじめ、個の力では光る選手はたくさんいただけに、後は試合運びという点でのうまさがあればというところか。

いずれにせよ、今年での連敗脱出はならなかったものの、兆しの見えた試合内容であった。

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