2026年選手権1回戦 東海大甲府vs鶴岡東(3日目第1試合)

2026年

大会3日目第1試合

鶴岡東

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 0 0 1 1 0 0 0 0 2
3 0 0 0 1 0 1 0 × 5

東海大甲府

 

鶴岡東    小山→菅野

東海大甲府  熊谷→村尾

強力打線を誇る両チームの対戦は、初回から東海大甲府打線が鶴岡東の左腕・小山を攻略。継投策で鶴岡東打線の反撃を断ち切り、2015年以来となる甲子園1勝を手にした。

試合

鶴岡東は、山形大会決勝で無四球完封勝利を挙げた左腕・小山が先発。一方、東海大甲府は、エース村尾を後ろに回し、左腕・熊谷を先発に持ってきた。

熊谷は立ち上がり、1アウトから2番押井にストレートの四球を与えると、3番松沢にはアウトコースのストレートを引っ張られ、三遊間突破のヒットで複数のランナーを背負う。しかし、ここで山形大会で打率5割越えの4番はアウトコースへのスライダーで空振り三振に。丹念にコーナーを突いて打ち取ると、5番赤坂にはアウトハイの速球を痛烈にはじき返されるが、セカンドへのライナーとなって難を逃れる。

その裏、鶴岡東のマウンドには2年生左腕の小山。山形大会では常に味方が先制点を奪って優位に試合を進めていたが、甲子園の独特の緊張感の中、初回に甲府の強力打線につかまってしまう。

1回裏、1番大沢が逆らわない打撃で三遊間を破るヒットを放つ。犠打できっちり2塁へ進めると、暴投でランナーは3塁に。小山は本来コントロールのいい投手なのだが、少し動揺が見られるか。ここで3番田中三は、これも左打席から素晴らしい流し打ちで、今度はスライダーをとらえてのタイムリー!先制に成功すると、4番伊沢はうまく低めのスライダーを拾っての連続タイムリーを放ち、2点目を挙げる。小山のボールは決して悪くないのだが、甲府の中軸打者の打撃技術が上回っている印象だ。その後、5番田中楓もヒットで続き、7番高田の犠飛がでてもう1点。初回に計3点を挙げ、がっちり主導権を握った。

反撃したい強打の鶴岡東だが、序盤はなかなか攻撃がかみ合わない。2回表は1アウトから7番高橋に2塁打が飛び出すが、8番山崎、9番野中がいずれも初球打ちで凡退。軟投派の左腕に対し、積極的に好球を打ちに行くが、タイミングを合わせるのが難しい。さらに、3回表にも1番畠山のヒットを足掛かりに1アウト2塁のチャンスを作るが、ここで3番松沢は三振に倒れ、三盗を狙った畠山もタッチアウトに。やはり、初回の甲府の先制点が1点でも2点でもなく、「3点」であったところに焦りが誘発されてしまったのかもしれない。

ただ、鶴岡東の小山も2回以降は立ち直りを見せる。制球力には自信のある投手であり、本来のストライク先行の投球で打たせて取っていく。3回裏にはランナー一人を背負って、初回にタイムリーを打たれている4番伊沢にカウント1-3となってしまうが、ここでも臆することなく速球を投じる。ストライクゾーンの中で勝負し、結果は6-4-3のダブルプレー。緩急もうまく使いながら、打たせて取る投球で守りからリズムを作っていく。

すると、2年生左腕の作った流れに打線が乗っていく。4回表、先頭の4番熊谷の投球の軸であるスライダーを引っ張り、ライトへのヒットで出塁。5番赤坂が初球できっちり送り、スコアリングポジションに進めると、2アウト後に7番高橋が仕事を果たす。右打席からアウトコース高めの速球をはじき返すと、打球はライト前に弾むタイムリーに!2塁からが生還し、鶴岡東らしい野球で1点を返す。ただ、2塁を狙った高橋はタッチアウトとなり、後続を続けることはできない。このあたりは甲府の守備のうまさがあったが、どこか、この日は鶴岡東の攻撃が乗り切れないところがあった。

ただ、それでも徐々に反抗の流れをつかみだした鶴岡東は5回表にも熊谷を攻め立てる。先頭の8番山崎が死球を受けると、ここもきっちり犠打を決めて2塁へ。1番畠山は三振に倒れて2アウトとなるが、2番押井熊谷が得意とするスライダーをうまく流し打つ。打球はレフト前に弾むタイムリーとなり、2塁から山崎がホームへ。ついに1点差に迫り、甲府の背中を捉えるまで後一歩に迫る。ただ、なおも続く2アウト2塁の場面では熊谷がアウトコースのチェンジアップをうまく打たせてレフトフライに。熊谷は5回を2失点とリードを保った状態でバトンタッチし、先発としての役割は十分に果たした。

1点差に迫った鶴岡東だが、さあここからというところで、甲府の打線も再びつながりを見せ始める。5回裏、先頭の1番大沢が死球で出ると、こちらも犠打で2塁へ。ここで、鶴岡東はもう一人の左腕・菅野にスイッチするのだが、3番田中三の当たりは高いバウンドでの内野安打となる。代わり端でピンチが広がると、ここで4番伊沢はアウトコースのスライダーをうまく体を残してとらえ、タイムリーに!散々インコースを責められた後でも、この打撃ができるのだから、やはり相当鍛えられている。

リードを広げた東海大甲府は6回からエース村尾がマウンドへ。しっかりと体重移動の効いたフォームから、速球・変化球ともにコントロール良く投げ込み、強打の鶴岡東打線を打ち取っていく。球威の感じられる速球とブレーキの効いた変化球を丁寧に投げ分け、中盤以降に動き出した試合の流れを落ち着かせる。6回表を3者凡退に切って取ると、7回は2アウトから1番畠山、2番押井に連打は浴びるが、続く3番松沢を高いバウンドにピッチャーゴロに打ち取り、無失点。安定した投球内容で、鶴岡東に流れを渡さない。

すると、7回裏、東海大甲府は左腕・菅野を攻めたて、1アウトから2番水野が基本に忠実なセンター返しで出塁。2アウト後、4番伊沢のショートゴロが悪送球を誘って1,3塁とチャンスを広げると、ここで、5番田中楓がアウトコースの変化球を、これも綺麗なセンター返しでタイムリーとし、5点目を奪う。この日は中軸3人がいずれも打点を挙げる活躍を見せ、試合の流れを決定的なものとした。

リードを広げてもらった村尾は最後まで投球内容が崩れず、打たせて取る投球で8回、9回も無失点。強打の鶴岡東打線に追撃の機を与えず、東海大甲府が11年ぶりとなる夏の甲子園1勝を手にしたのであった。

まとめ

東海大甲府は、強打で主導権を握り、得意の継投策でかわすという理想的な内容で白星発進。初回の中軸の3連打は、決して簡単でない変化球をとらえてヒットゾーンに飛ばしたものであり、打撃技術の高さを感じさせた。また、鶴岡東サイドも継投策を用いてきたのだが、それに惑わされることなく、変則左腕を攻略。試合前の準備がしっかり整っていることを感じさせた。

攻守で充実ぶりがうかがえた戦いであったが、これもやはり県大会でV候補筆頭の山梨学院を下すべく、力を磨いてきた証なのだろう。高校球界屈指の伝統校が、まずは順調なスタートを切ることとなった。

一方、鶴岡東としては打線が8安打を放ち、登板した2投手もよく持ちこたえたのだが、ペース争いで後手を踏んでしまった印象だった。スピーディーに進む甲子園の試合では、やはり先行した方が有利なことが多く、3点差を追う展開で焦りが出てしまった面は否めないだろう。持ち前の強打の片りんは十分にみられ、全国でも渡り合えるチームだったが、今大会は初戦で姿を消す形となった。

【高校野球 甲子園】 東海大甲府 vs 鶴岡東 【第108回全国高等学校野球選手権大会 全打席ハイライト】 20226.8.7

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