2026年選手権1回戦 霞ヶ浦vs中京(5日目第4試合)

2026年

大会5日目第4試合

霞ヶ浦

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 2 2 1 0 0 6
1 0 0 0 0 0 2 0 0 3

中京

 

霞ヶ浦   小林→稲山

中京    鈴木→西岡→福永

攻撃力の高いチーム同士の対戦となった第4試合は、中京が先制するも、霞ヶ浦打線が好投手・鈴木を中盤以降に攻略。小林から稲山への継投も決まり、2年前に続いて初戦突破を果たした。

試合

中京の先発は投打でプロに注目されている右腕・鈴木。一方、霞ヶ浦はエース稲山を後ろに回し、左腕・小林を先発に持ってきた。

中京・鈴木は、最速が140キロ台後半をマークする剛腕投手。しかし、岐阜大会前に体調を崩した影響もあってか、この日は本来のスピードは出ていない様子だ。それでも、1回表、140キロ台前半ながら球威を感じさせる速球を主体に霞ヶ浦の上位打線を三者凡退に抑えていく。

これに対し、霞ヶ浦の左腕・小林は、1回裏に不運な形で先取点を奪われてしまう。やや独特なテークバックから左投手独特のカーブを投じる投球スタイルは、どこか2年前のエース市村との共通項を感じさせる。しかし、1番角谷を振り逃げで出塁させてしまうと、2アウトを取るも、4番竹内は警戒して四球に。2アウトながら1,2塁となり、打席には5番後藤を迎える。勝負強い左打者に対し、小林はしっかりインコースを突きに行ったが、三遊間へのゴロはショート加藤の足に当たって、そのままファウルゾーンを転々。2塁ランナーが一気に生還し、中京が先取点を奪う。

初回はなんとか1点に抑えたが、立ち上がりやや制球のばらつきがある小林。2回裏にも1アウトから四球と9番橋本のヒットで1,2塁とピンチを招く。岐阜大会決勝で大垣日大の好左腕二人を打ち込んだ強力打線が襲い掛かってくる。しかし、この場面を暴投がありながらも1番角谷、2番河原と外野フライに打ち取り、なんとか難を逃れる形に。ややボールは甘かったが、結果的にここを抑えたことで勢いに乗っていった。

一方、1,2回と一人のランナーも許していない中京・鈴木だが、3回に入って捕まってしまう。先頭の7番菊地がフルカウントからしっかり見極めて四球を選ぶと、8番野口の打席ではエンドランを敢行。これが空振りになってしまうも、捕手が投球を取り損ね、1塁ランナーは2塁を陥れる。野口のセカンドゴロで1アウト3塁となると、9番相田は真ん中寄りに入った速球を見事な流し打ちで左中間へはじき返し、同点タイムリーに!下位打線3人で実に、そつなく得点を挙げていった。しかし、なおも2アウト2,3塁とピンチの場面では、ファースト竹内が1塁線の打球を横っ飛びで好捕。中京も堅い守備で崩れかかったエースを盛り立てていく。

しかし、この3回の同点劇が、霞ヶ浦の左腕・小林を蘇らせる。短いテークバックから投じる緩いボールで緩急をつけ、内外の出し入れを行いながら、時にテンポを変えて打たせて取っていく。1,2回は緊張のためか、なかなか持ち味を出せなかったが、3回、4回とヒットを打たせず、無失点投球を展開。試合前に高橋監督が「一回り持ってくれれば…」とコメントしていたが、その予想を上回るピッチングを見せ始める。

すると、守りから作ったリズムが今度は攻撃にも移り始めていく。大会前から本調子ではなかった中京のエース鈴木に対し、打者3巡目に差し掛かるところで対応し始めた。5回表、1アウトから8番野口がサードゴロエラーで出塁。続く9番相田に対し、霞ヶ浦ベンチはまたも強気の作戦を選択する。先ほどタイムリーを放っているラストバッターに対して、カウント1-2からエンドランを指示すると、これに相田が応え、広く空いた1,2塁間を突破!ランナーを貯めて上位打線へと回すことに成功する。

続く1番加藤は投手ゴロで1塁ランナーが2塁封殺となるが、ここで頼りになる主将が登場。2番村上が1-0から高めに浮いたカーブを流し打つと、打球はラインドライブしながらレフト線へ落ちるタイムリーに!3塁ランナーに続いて1塁ランナーもホームを駆け抜け、貴重な2点がスコアボードに刻まれた。

リードを許した中京。だが、打線の破壊力では負けていない。岐阜大会決勝では、大垣日大の好左腕二人から13安打で5点を奪っているのだ。5回裏、先頭の1番角谷が追い込まれながらも、ストレートをジャストミートして三遊間を突破!2番河原、3番鈴木は打ち取られるも、4番竹内がアウトコースから入ってくるカーブをしっかり呼び込んでライトへ流し打つ。小林の緩急に上位打線が対応し始め、一打同点のチャンス。しかし、ここで5番後藤は初球のストレートに差し込まれ、レフトフライに。もう一歩というところだったが、攻略には至らなかった。

こうなると、流れは完全に霞ヶ浦へ。グランド整備明けの6回表。中京のエース鈴木を完全に攻略する。

この回、先頭の4番西野、6番渡邉がじっくり四球を選び、2アウトながら1,2塁とランナーをためる。このチャンスメークの間も塁上から再三プレッシャーをかけ、中京バッテリーに休まる時を与えない。すると、この日、当たっている下位打線が再び勝負強さを発揮。8番野口が高めに浮いたスライダーをコンパクトに右方向へはじき返し、タイムリーとなって4-1。さらに、ここまで2安打を放っている9番相田は、これも低めのスライダーをうまく拾って、ライトへのヒットとし、2者連続のタイムリーとなって、5点目を奪った。ストレートが思うように走らない中で、変化球主体の投球となった鈴木に対し、各打者が狙い球をきっちり絞って攻略に結びつけた。

中京は、エース鈴木がこの回でマウンドを降り、2番手の西岡にマウンドを託すが、その西岡も7回表に自らの暴投が絡んで失点し、1-6と大量リードを許す。打線も霞ヶ浦の左腕・小林に苦戦し、なかなか得点を挙げられず。しかし、終盤、7回裏になってようやく自慢の打線が意地の反撃を見せた。

この回、9番西岡から上位に回る打順で、先頭の西岡は倒れるも、上位打線が奮起。1番角谷が見事な右打ちでライトへのヒットを放つと、2番河原はストレートの四球でつなぐ。ここで、打席には投打の中心である鈴木。ピッチングでは思うような出来ではなかったが、打撃で挽回したいところ。初球、やや内寄りに入ってきたスライダーを迷わず引っ張ると、打球はレフト前に弾むタイムリーに!6イニングぶりの得点をもたらすと、霞ヶ浦ベンチはついに小林をあきらめ、エースナンバーを背負う右腕・稲山をマウンドへ送った。

稲山としては、まずは中京打線の勢いを止めたいところ。しかし、火のついた中京サイドはさらに畳みかけてくる。再開後の初球、今度は4番竹内がストレートを叩いて三遊間を突破!2塁ランナーが迷わず突っ込み、3点目が入る。まだ点差はあるものの、一発出れば同点のケースに。この辺りの積極性が、激戦の岐阜大会を制した所以だったのだろう。

なんとか後続を断ちたい霞ヶ浦。5番後藤はセンターフライに打ち取るが、野手陣のちょっとした隙をつかれ、タッチアップでの進塁を許して2アウト1,3塁となる。かさにかかって攻めてくる中京攻撃陣。ここで、さらに一打が出ればいよいよ試合は分からなくなる局面だったが、最後は6番花川はストコースのスライダーで打たせて取り、セカンドフライに。中京としてはあともう一押しが欲しいところだったが、点差は3点のまま変わらなかった。

中京投手陣は、8回、9回を2番手の西岡、3番手の福永が締め、無失点でリレー。エースが降板する苦しい状況だったが、控え投手陣が踏ん張りを見せた。ただ、いかんせん終盤戦での3点差は重たかったか。8回からは持ち味の快速球とスライダーを武器に立ち直った稲山に対し、中京打線もランナーは出すものの、得点には至らず。霞ヶ浦が中京の投打の中心である鈴木を封じ込め、6-3と快勝で2回戦進出を決めたのであった。

まとめ

霞ヶ浦の一番の勝因はやはり先発の左腕・小林の好投だろう。中盤まで持てばと高橋監督が思っていたところ、緩急とコーナーワークを活かした投球で7回途中まで2失点と好投。独特のテークバックからタイミングの取りづらい投球フォームを活かし、強力打線を翻弄した。1,2回とバタバタしていた中で、3回以降立て直した部分も素晴らしかった。

また、打線はコンパクトなスイングで中京の本格派右腕・鈴木を攻略。3安打を放った9番相田を起点に、下位から上位へとつながる理想的な攻撃で得点を重ねた。さらに、簡単に犠打を選択せず、積極的にランナーを動かしたベンチワークも選手たちを後押ししたと言えるだろう。2年前に選手権初勝利を挙げ、歴史を刻んだ霞ヶ浦だが、2年ぶりの甲子園でさらに地に足の着いた強さを身に着けたことを感じさせる、そんな戦いぶりであった。

一方、中京は非常に前評判の高いチームだったが、やはり投打の軸である鈴木が本調子でないとなかなか乗り切れないのが、正直なところだったか。ストレートの最速も本来なら140キロ台後半を計測するところだが、この日は140キロ台前半にとどまり、中盤以降は変化球を狙われて攻略を許してしまった。打線もエースを援護しようとしたが、軟投派左腕・小林の術中にはまり、2回から6回まで無得点。高い実力を擁していたチームでも、本番でその力を発揮するのは難しいということを感じさせられる一戦であった。

【高校野球 甲子園】 中京 vs 霞ケ浦 【第108回全国高等学校野球選手権大会 6回〜全打席ハイライト】 2026.8.9

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