2026年選手権2回戦
長崎日大vs有明
52% 48%
〇15-1 立正大湘南 〇6-3 立命館宇治
今大会好調を維持する九州勢同士のマッチアップ。格はやや長崎日大が上の感もあるが、有明の勢いも侮れない。
長崎日大のエース古賀は、長身から投げ下ろす速球、カーブともに威力が抜群。角度がついているため、バットの接点が少ないボールであり、攻略は容易ではない。初戦は6回までマウンドを譲ったため、スタミナも十分温存されている。1番を打つ太田が打撃好調でリードも冴えているため、打席の中で打者に考える間を与えずに、ポンポンと追い込んでいる印象だ。まだ、初戦で注目度はそこまででもないかもしれないが、大会が終わるころには今大会屈指の好バッテリーとなっている可能性のある二人だ。
対する有明打線はつなぐ攻撃で1回戦は大逆転勝利を達成。初戦は、次に当たる古賀と同じような長身右腕の立命館宇治・中尾の前に苦しんだが、言い方を変えれば、経験値を詰めたとも言える。キーマンとなる1番永田に終盤2安打5打点が記録されたことは大きく、1回の第1打席で長崎日大に襲い掛かって、勢いを保ちたい。四死球が期待できる相手ではないだけに、好球は逃さずスイングをかけ、かつセンターから逆方向への意識を持てるかどうかが重要になる。
一方、有明は初戦で工・斉藤の両左腕が踏ん張りを見せ、計3失点にまとめ上げた。工は緩急を活かした投球で、斎藤は速球とスライダーの配合による力勝負で、それぞれ持ち味を出した。おそらく、初戦と同じような順番での継投となるだけに、交代の時期が非常に重要だ。長崎日大打線は一度つながりだすと、止まらなくなるだけに、間違えないようにしたい。工の緩急が通用しているかどうかが一つのバロメーターになりそうだ。
その長崎日大打線は、主砲・川鍋を中心とした中軸の打力もさることながら、下位打線に粘っこい攻撃のできる選手が揃っていることが心強い。犠打のうまい7番植木、バスターからの粘りが光る8番小池、タイムリー3塁打を放った9番広石と下位打線だけの実力なら今大会でも1,2を争う力を持っている。川鍋は初戦はヒット1本ではあったが、当たりが出たことで次戦は爆発する期待大。初戦で左の技巧派投手を経験していることも大きく、工を攻略するイメージをすでに頭の中に描いている可能性は高い。実力派の左腕二人が相手だが、4,5点は取りそうな勢いがある。
カギを握るのは、やはり有明の先発が予想される工の出来か。彼が最少失点で斎藤につなげれば、有明の勝利の可能性も十分だ。長崎日大はエース古賀、主砲・川鍋と投打の軸ががっちり。王道野球で、真っ向から受けて立つ。
主なOB
長崎日大…大瀬良大地(広島)、中村隼人(日本ハム)、貝塚政秀(西武)、宮崎祐樹(オリックス)、野原将志(阪神)
有明…浅田将汰(DeNA)
長崎 熊本
春 0勝 0勝
夏 1勝 1勝
計 1勝 1勝
対戦は夏のみで1勝1敗のタイ。
1996年の準々決勝では後述するが、熊本工と当時初出場の波佐見が対戦。取っては取られの壮絶な打撃戦を制した熊本工が、4強入りを果たし、勢いに乗って決勝戦までコマを進めた(決勝では、あの松山商の奇跡のバックホームの前に敗退)。
一方、2021年は2回戦で長崎商と熊本工が対戦。試合前は、打力では熊工に分があるかと思われたが、どうしてどうして長崎商のコンパクトな打撃が序盤から花開いていく。熊工の2年生エース吉永を攻略し、4回までに計8点を奪取。投げては、エース城戸からサイド右腕の田村への継投でしのぎ切り、見事初戦突破を果たした。
お隣さん同士の対戦。互いをよく知る者同士、白熱の攻防に期待がかかる。
思い出名勝負
1996年夏準々決勝
波佐見
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
| 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 6 |
| 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | × | 7 |
熊本工
波佐見 林
熊本工 村山→園村
1996年夏の準々決勝第3試合は九州勢同士の追いつ追われつの好試合となった。
熊本工は荒木(中日)、松本(ダイエー)を擁して選抜に出場した前年のチームと比較すると、この年はスター選手はおらず、秋の県大会ではまさかの初戦敗退に。立て直しを図るべく就任した田中監督は社会人仕込みの高度なプレーを教え込み、チームは戦う集団に生まれ変わった。
本大会では初戦で山梨学院大付の好左腕・伊藤(ヤクルト)を打ち崩すと、3回戦では高松商との伝統校対決に5-1と快勝。勢いにのってベスト8まで勝ち進んできた。
対する波佐見は春夏通じて初となる甲子園出場。野球の盛んな地域から出場を果たしたナインは小柄ながらもパンチ力のある打者が並び、エース林も球威のあるストレートを武器に好投を見せた。また、普段の守備練習から実戦を意識した練習を行うことで、本番に強いチームへと仕上がっていた。
甲子園では秋田経法大付、宇都宮南と実績では上回るチームを相手にきっちりと打ち勝って勝利。初めての甲子園で堂々8強入りを果たした。
試合は互いを良く知る両チームということもあり、立ち上がりから両チームが激しく攻め合う展開となる。
熊本工の先発は過去2戦で先発した左腕・園村でなく右腕・村山をマウンドに送る。その立ち上がりを波佐見の1番吉村がセーフティバントで揺さぶって出塁すると、犠打などで2アウト3塁となって4番野中がセンターにはじき返し、1点を先制する。
初出場校の勢いに飲まれるかと思われたが、伝統校・熊工もすぐに反撃。3回戦で167球を投じて完投した波佐見のエース林から1番野田が四球をもぎ取ると、1アウト1,2塁からけん制悪送球で労せずランナーが進塁。両チームともグレーのユニフォームのため、林がけん制の入っていないタイミングで投げてしまった。さらに1アウト満塁となって5番古閑の併殺崩れの間に同点に追いつく。
疲れの見えるエースを援護したい波佐見は2回表にも内野安打で出たランナーを送ると、1番吉村のヒットと2番山辺の内野ゴロの間に1点を勝ち越し。さらに3番林にもタイムリーが飛び出してもう1点を追加し、2回までで村山から早くも6安打を放つ。カウントを取りに来るボールを逃さない積極性が光った。
2回裏にも林が熊工打線につかまって同点に追いつかれた波佐見だったが、3回にも熊工内野陣の連続失策からチャンスをつかむと、1アウト満塁から振り逃げの間に1点を勝ち越す。試合がなかなか落ち着かない状態の中で、波佐見ナインが必死にエースを援護する。
見かねた熊工は4回からエース左腕・園村をマウンドに送る。波佐見ナインの打ち気をうまくそらす投球で変化球を有効に使い、波佐見打線の勢いを止める。これで落ち着きを取り戻した熊工ナインは5回裏に4番西本の犠飛で追いつくと、7回裏には1アウト2塁から西本の投手ゴロを林が悪送球する間にランナーが生還。熊工が終盤にきて初めてリードを奪う。
試合の流れは熊工に完全に傾いたように見えたが、8回表に波佐見ナインが再度奮起する。それまで抑え込まれていた熊工の左腕・園村から6番佐々木がセーフティバントで出塁すると、2アウト3塁となって9番堀江が園村のスライダーを狙い打ってレフト前タイムリーで同点。さらにチャンスを広げて当たっている1番吉村がこの大会3試合で10本目のヒットとなるタイムリーを放ち、再度試合をひっくり返す。
ナインの執念を感じさせる攻撃で4たびリードを奪った波佐見。これで試合を決められるかと思われたが、エース林のスタミナは限界であった。8回裏、再度ランナーを背負うと、エース園村、3番本多が林の高めに浮いたボールを痛打。2本のタイムリーで逆転した熊本工が川上哲治(巨人)を擁した大会以来、実に59年ぶりとなるベスト4進出を決めた。
勢いに乗った熊本工は準決勝では前橋工の好左腕・斎藤からわずか3安打に抑え込まれるも、その全てのヒットを1イニングに集中。序盤で奪った3点のリードを守り切り、決勝に進出した。決勝ではあの「奇跡のバックホーム」であと数センチ優勝に手が届かなかったが、秋の県予選初戦敗退のチームが大きな成長を遂げ、名門復活を印象付けた。
一方、波佐見も初出場とは思えない洗練された野球で8強入り。甘いボールを逃さない積極的な打撃に、ショートゴロで果敢に2塁から3塁に進む走塁など、実戦形式で鍛え上げられた野球は全国の舞台でも十分通用することを示した。その後も、2001年、2011年、2017年と甲子園に出場。県内屈指の強豪として存在感を放ち続けている。


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