2026年選抜準々決勝 中京大中京vs八戸学院光星(9日目第1試合)

2026年

大会9日目第1試合

中京大中京

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 0 0 0 1 0 0 0 0 2
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1

八戸学院光星

 

中京大中京    安藤→太田

八戸学院光星   岩崎→北口

因縁の「愛知vs青森」の対戦となった第1試合は、予想に反して息詰まる投手戦に。中盤に得たリードを継投で守り切った中京大中京が前回出場の2021年に並ぶベスト4進出を果たした。

試合

中京大中京は3試合連続でエース右腕の安藤が先発。一方、八戸学院光星は2回戦に続いて2年生右腕・岩崎をスターターに指名した。試合は初回から展開が動くことに。3試合目ともなると、互いに動きの堅さはなく、スタートとともに主導権を激しく奪いあう。

1回表、まずは中京が先手を取る。先頭はここまで2試合で8打数6安打と大当たりの1番田中岩崎は変化球主体の投球でカウント2-1と追い込むが、5球目がインサイドに抜けてしまい、死球となってしまう。続く2番半田はフルカウントから粘って四球を奪い、無死1,2塁。岩崎としては、いきなりのピンチに立たされる。しかし、ここで3番神達は得意のカーブで見逃し三振に切って取ると、4番荻田はスライダーを振らせて空振り三振に。変化球のコントロールに長けており、2回戦よりも調子は良さそうに見受けられた。

だが、ここでチャンスの芽を取りこぼさないのが名門・中京。3,4番の二人がアウトになっても、この男がいる。初戦でホームランを放ち、ここまで7打数4安打と大当たりの5番松田が初球の高め真っすぐを捉えると、流し打った打球はライト後方へ。これをライト新谷翔が追いつきながらも、グラブに当てて落としてしまい、記録はタイムリー2塁打となって、中京が先取点を手にする。岩崎としては、変化球主体で三振二つを奪っていただけに、勝負球に行く前に決着をつけられたのはもったいなかったか。しかし、続く2アウト満塁のピンチはしのぎ、初回を最少失点で切り抜ける。

その裏、中京のマウンドにはエース安藤。独特のシュート回転する球質が魅力の右腕だ。対峙する光星打線は、ここまで2試合とも奇しくも左腕投手との対戦が続いており、どう安藤を攻略するのかが注目された。

先頭はこちらも、ここまで9打数5安打1ホームランと大当たりの1番菅沼安藤のアウトコースの速球を逆らわない打撃でライト線へはじき返すと、2番長野は犠打失敗で三振に倒れるが、3番新谷翔が結果を出す。先ほどの守りでの失点を取り返したい好打者は、ストレートにやや詰まらされたあたりを放つも、この打球が三遊間の際どいところに飛ぶ。これをショート田中がはじいて打球がレフトに転がる間に2塁から菅沼がホームイン!光星が取られた直後にすぐに同点に追いつく。この後、2アウト満塁と光星はチャンスを広げるが、ここは安藤も粘りの投球でフライアウトに。両者とも似たような試合の入りとなる。

ただ、互いに初回から得点が入る展開となったが、両先発投手の内容は決して悪くはない。失点の場面も守備の際どいプレーが絡んでのものであった。光星の岩崎は、2回にも1番田中に2塁打を浴びてスコアリングポジションにランナーを背負うが、カーブ・スライダーで簡単にカウントと整えられるため、ストライク先行で勝負ができる。中京のしぶとい打者陣に対し、2年生右腕がきっちりと先発の仕事を果たす。

対する中京・安藤は初回こそ、ピンチで失点をしてしまったものの、2回以降は抜群の内容を見せる。甲子園のマウンドにも慣れてきたのか、アウトロー・インローの低めいっぱいに速球とスライダーを決め、強打の光星打線を封じ込める。狙い球を絞ってフルスイングしてくる相手に対し、捕手・津末も球種・コースを絞らせない配球でエースを援護。3回裏には、3番新谷翔に1アウトから3塁打を浴びるが、4番北口・5番新谷契を連続三振に取り、勝ち越し点は与えない。安藤の手元で微妙に動く球質の前に、光星の各打者はファウルでカウントを稼がれ、最後はボール球を振らされる結果となった。

試合は1-1のまま中盤戦へ。両チームとも継投を視野に入れているだけに、リードを奪ってカードを切りたいところ。先に勝ち越し点に手をかけたのは中京だった。

5回表、1アウトから2番半田がライトへのヒットで出塁すると、3番神達に対して光星バッテリーはカウント2-1と早めに追い込むことに成功する。しかし、ここで1塁ランナーの半田は果敢にスチールを敢行。捕手・鈴木の送球が間に合わず、スコアリングポジションにランナーが進むと、さらに岩崎の暴投で3塁へ進む。フォークがすっぽ抜けてしまったが、これはもったいない投球となる。このチャンスを試合巧者の中京が逃すはずがない。神達が粘りながらきっちりタイミングを計り、フルカウントからの速球を打ち上げると、犠飛となって3塁から半田が生還。相手のミスにも乗じて勝ち越し点を奪った。

ただ、そうは言っても強打の光星からすると、1点の差はあってないようなもの。反撃に転じたいところであるが、この日の安藤は2回戦の帝京戦で見せたような乱れがない。コントロール良く低めにボールを集め、意図しないコースに行ったボールも甘いコースにはならない。光星の各打者も積極的にスイングはかけていくのだが、微妙に動く球質でバットの芯が外れ、淡々と打ち取られて行ってしまう。ここまで2試合で20得点の猛打が影を潜め、安藤は7回を初回の1失点のみと十分な仕事を果たした。

得点の気配が漂ってこない光星は守りからなんとかリズムを作ろうと、6回からリリーフしたエース北口が踏ん張りを見せる。角度のある速球を武器に、中京打線を牛耳り、4回を2安打無失点。激戦となった1,2回戦に続き、この試合もチームを救う投球を見せた。秋の大会では不安定な面もあった右腕だが、この大会で確実に一段ステップアップしたのは間違いない。

中京の1点リードで試合は最終盤へ。光星としては追いついてタイブレークに持ち込みたいところ。

しかし、中京の強みは、2番手の左腕・太田が大会中に覚醒したことであった。8回からマウンドに上がると、躍動感のあるフォームから繰り出す快速球とスライダーで光星の打者に立ち向かう。先発の安藤とは全くタイプの異なる投手だけに、短いイニングでの対応はなお難しかった。8回裏は、好調の1番菅沼をストレートで空振り三振に切って取ると、中軸に回った最終回も崩れる様子は一切ない。3番新谷翔、4番北口、5番新谷契といずれもストレートを打たせて3者連続の内野ゴロでゲームセット。相手に主導権を渡さない、したたかな戦いを見せた中京が5年ぶりとなる準決勝進出を決めることとなった。

まとめ

試合前は打撃戦も予想された対戦だったが、終わってみれば中京大中京の守り勝ちという結果に。エース安藤が、今大会3試合目でベストピッチとも言える内容を見せ、光星の強力打線を封じこめた。もともと荒れ球とナチュラルシュートする球質が武器の右腕だが、ここにきてコントロールが安定し始めたことで手が付けられなくなった感がある。リリーバーの太田も安定感があり、左右の2本柱を確立することに成功した。

また、攻めては1回、5回と相手の四死球やミスに乗じてそつなく得点を挙げ、中京らしいそつのない攻撃であった。甲子園クラスになると、なかなか連打での得点は難しいだけに、いかに打てない中で点を取れるかが重要になってくる。そのエッセンスが名門・中京にしっかり受け継がれていることを感じさせる戦いぶりで、準決勝進出への扉を開くこととなった。

一方、八戸学院光星は今回も準決勝への壁が厚く立ちはだかることとなった。初の4強入りを決めた2000年夏と、3季連続の準優勝を果たした2011年夏~2012年夏を除くと、いずれも準々決勝で敗退しており、ここが一つの分水嶺となってしまっている。この日は持ち味の打線から快音が響かず、投手陣はよく踏ん張ったものの、後1点が届かなかった。光星の得意とする試合展開ではなかったが、その中でどう勝利に結びつけるのかも、更なる上位進出のためには重要になってくる。レベルの高い場所でしか得られない課題を持ち帰り、夏に向かうこととなった。

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