2026年選抜準々決勝 専大松戸vs山梨学院(9日目第3試合)

2026年

大会9日目第3試合

山梨学院

1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
1 0 0 0 0 0 0 1 × 2

専大松戸

 

山梨学院   渡部→木田

専大松戸   門倉

昨秋の関東大会の再戦となった試合は、両先発投手の好投で1点を争う好試合に。終盤に勝ち越し点を奪った専大松戸が前年のリベンジを果たし、同校史上初の4強入りを決めた。

試合

専大松戸はエース門倉が初戦以来となる先発のマウンドへ。一方、山梨学院は2年生左腕の渡部が3試合連続でスターターを務めることとなった。両チームは前年秋の関東大会準決勝でも対戦しており、その時は山梨学院が11-4とコールド勝ち。秋から春にかけて、どう力関係が変わっているかも注目された。

1回表、前年秋の対戦でも先発していた門倉が再び山梨学院打線とぶつかることに。1アウトから2番杉村にヒットは許すと、3番金子にはフルカウントから四球を与え、ランナーがたまる。1,2塁から4番藤田のライトフライとフライで杉村がタッチアップし、2アウト1,3塁となると、ここで山梨学院ベンチが仕掛ける。主砲・菰田を欠き、破壊力が落ちる中でベンチワークでの得点を試み、カウント2-0から重盗を敢行!しかし、これを専大松戸野手陣が落ち着いたプレーで阻止し、まずは初回を無失点で切り抜ける。

これに対し、山梨学院の2年生左腕・渡部は過去2試合とも初回に失点を喫しており、この試合は無難に立ち上がりたいところ。しかし、1アウトから2番宮尾に四球を与えると、3番高貝は打ち取ったものの、続く4番吉岡に捕まる。アウトコース主体の投球でカウント2-2-と追い込むも、けん制がボークを取られて2塁へ進塁。動揺したところ、吉岡にアウトコースの速球を見事に流し打たれ、レフトへのタイムリーとなって専大松戸が先制!攻守の要となる男がきっちり結果を残す。

しかし、試合巧者の山梨学院もすぐさま反撃に転ずる。2回表、2アウトから7番菅原がアウトコースの速球をうまくライト線へはじき返し、2塁へ。続く8番光永のファーストゴロがエラーを誘ってランナー1,3塁とチャンスが広がる。各打者が右方向への意識を持った打撃で下位打線からチャンスを作ると、ここで9番島田が高めに浮いた失投を逃さずとらえ、レフトへのタイムリーとなって同点に追いつく。

同点に追いついてもらったことで、山梨学院・渡部はリズムを取り戻す。決め球のスライダーは左打者のアウトコースの絶妙なコースに決まり、右打者にはインサイドへ深く食い込んでくる。内外野も堅い守りで2年生左腕を支え、打たせて取る形でアウトを1つ1つ積み重ねていく。

一方、前年秋は山梨学院打線に捕まった専大松戸・門倉だが、冬場をこえてスピードは5キロ以上アップし、スライダーのキレも増している。また、右スリークオーターからシュート回転する球質で、一般的には危ないボールになりがちなのだが、そこは捕手・吉岡も織り込み済み。その球質をうまく生かしたリードでカウントを稼ぎ、最後は得意のスライダーで打ち取る配球で、こちらも「0」を積み重ねていく。

こうなると、次の1点がより重要になってくるが、ここまで勝ち上がってきた関東の強豪校同士だけに、ただ手をこまねいているわけがない。中盤に入り、両者の攻防は激しさを増していく。

先にチャンスを作り出したのは、専大松戸。中盤に入って渡部のボールに慣れ始め、4回裏に二人のランナーを出すと、5回裏にもチャンスメークする。1アウトから9番吉田が高めに浮いたスライダーをしっかりとらえ、ショートへの内野安打を放つと、2アウト後に2番宮尾もセンターへ痛烈なヒットを放ち、再び複数のランナーを出す。ここまで4安打中3安打はストレートと、渡部の得意とするスライダーを避け、失投を捉えていく。ここで、打席には3番高貝。アウトコースの速球をしっかりとらえた打球は、右中間への大きな当たりとなったが、これをライト杉村がランニングキャッチでアウトにし、事なきを得る。味方の好守に救われ、1-1で試合は後半戦へ。

すると、前半戦は門倉に抑え込まれていた山梨学院が6回表にチャンスを迎える。1アウトから5番高橋がインローの速球をしっかり踏み込んで、ライト前へ引っ張ると、山梨学院ベンチは代走で相川を送る。菰田というスラッガーを欠きつつも、巧みなベンチワークで活路を見出そうとする雰囲気が伝わってくる。ここで、6番住友はフルカウントからエンドランのサインに応え、右方向への打撃で右中間へヒット。理想的な攻撃で1アウト1,3塁とチャンスを拡大する。

守っている側としては、最も選択肢が多く、やりにくいシチュエーション。門倉吉岡のバッテリーも様々なことを考えただろう。ここで、山梨学院ベンチは慌てて仕掛けに行かず、冷静にカウントを作って1-2とする。強攻も十分あり得そうな雰囲気の中、仕掛けた作戦はスクイズ!しかし、これを専大松戸バッテリーはインハイの速球で空振りさせ、ランナーは挟殺されて2アウトに。構えが見えたところで、最もバントしにくいコースに寸分たりとも間違わず投げ込んだ、門倉の投球が見事であった。

渡部をなんとか援護したい山梨学院打線。7回表にも、8番光永、9番島田が連続四死球をもぎ取り、無死1,2塁とチャンスを作る。しかし、ここで1番石井の犠打は、捕手・吉岡の前に止まる当たりとなってしまい、落ち着いた守備で3塁封殺。さらに、2番杉村のサードライナーで2塁ランナーの島田が飛びだしてしまい、併殺で攻撃終了と、思うような攻撃ができない。後半に入って門倉の投球を捉えそうな気配があったが、2イニング連続での逸機となってしまった。

こうなると、試合の流れは専大松戸へ。8回裏、ついに均衡が崩れる。先頭の3番高貝がインローに食い込んでくるスライダーをうまくすくい上げ、センターへ。山梨学院バッテリーとしては、最もやられたくない打撃であり、実にうまい。続く4番吉岡は三振となるが、高貝が盗塁を決め、2塁へ進塁。続く打席には、先ほどスライダーをヒットにしている5番瀬谷。山梨学院バッテリーは2球で追い込み、有利な状況を作るが、瀬谷はスライダー一本に的を絞っていた。高貝と同じように、インコースへ食い込むスライダーをうまく体を開くながらセンターへ。打球が右中間に弾み、2塁から高貝が生還!中軸の右打者二人がうまい打撃を見せ、値千金の勝ち越し点を奪った。

しかし、さらに続いた1アウト1,3塁のピンチは2番手の左腕・木田が見事なフィールディングでスクイズをしのぎ、1点差のまま試合は9回表へ。何としても追いつきたい山梨学院は、1アウトから7番菅原が素晴らしい右打ちでヒットを放つ。続く打席には、8番光永。送るか、強攻か。判断の難しい場面だったが、吉田監督は強攻を選択。しかし、二遊間へ痛烈に打ち返した打球は、ショート高貝が素晴らしい守備で捕球し、そのまま6-6-3の併殺でゲームセット!ハイレベルな攻防を制した専大松戸が、見事に前年秋のリベンジを果たし、史上初となる準決勝進出を決めることとなった。

まとめ

専大松戸のこの日一番の勝因は、秋からのバッテリーの成長だろう。門倉はスピード、制球力、配球面とすべての面で成長を見せ、山梨学院としては失投を待てば打てる投手ではなくなっていた。シュート回転するボールをうまく操り、ここという場面でインサイドの投球で詰まらされる。6回からは2イニング連続でピンチを迎えながらも無失点でしのぎ、山梨学院サイドの攻撃に対して読み負けしない強さを見せた。

また、打線は山梨学院・渡部の投球の前に苦労したが、終盤に決め球のスライダーを攻略。途中まではストレート狙いの打撃だったが、終盤に来て中軸の強打者が相手の決め球を捉えに行った。インサイドに入ってくる難しいボールを、少し体を開きつつ右方向へ打ち返す高等技術はさすがである。投打両面で最後は山梨学院の上を行ったと言えるだろう。前年は中盤以降に一気に引き離されて悔しいコールド負けとなった専大松戸。しかし、一冬を超えて高校生は一気に成長することを感じさせる、この日のナインの戦いぶりであった。

一方、山梨学院も敗れはしたものの、投打の主力の菰田檜垣を欠きながら8強へ進出したのは見事。特に、2年生左腕の渡部は3試合連続で好投を見せ、この春で大きな経験値を得た。最後は決め球を捉えられて敗れたが、こういう経験も全国でないとなかなかできないことである。攻撃面がなかなかかみ合わなかったのは課題だが、吉田監督のことだから、夏までには修正してくるはずだ。ここに、主力の二人が戻ってきたら、どんなチームへと変貌するのか、今から楽しみでならない。

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