2026年選抜2回戦 大阪桐蔭vs三重(8日目第3試合)

2026年

大会8日目第3試合

大阪桐蔭

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
1 2 1 1 0 0 0 0 0 1 6
2 0 0 2 0 0 0 1 0 0 5

三重

 

大阪桐蔭  𠮷岡→石原→小川

三重    吉井→船橋→皿井→古川

春夏計3度目の対戦となった好カードは、今回も1点にしのぎを削る攻防に。押され気味の展開のなか、延長10回に勝ち越し点を奪った大阪桐蔭が三度、三重を退け、ベスト8への切符をつかみ取った。

試合

大阪桐蔭はエースナンバーを背負う右腕・𠮷岡が先発。速球の質は初戦で完封勝利を挙げた左腕・川本以上との評判だ。一方、三重は多彩な投手陣を擁する中で、この日は昨秋に主戦格の役割を果たした左腕・吉井をマウンドに送った。ただ、両チームとも満を持してエースを送る形となったが、試合は立ち上がりから荒れ模様となる。

1回表、三重の技巧派左腕・吉井に対し、大阪桐蔭は1番仲原が四球を選ぶと、1アウト後、3番内海はインサイド寄りに浮いたスライダーを引っ張って、ライトへはじき返す。緩急が武器の吉井に対し、しっかりとポイントまで待って叩いた一打だ。4番谷渕はカーブを待ち切れずにセンターフライとなるが、続く5番藤田がこれも高めに浮いたスライダーを素直にセンターへ打ち返し、2塁から仲原がホームイン!桐蔭が1点を先行する。吉井の緩いボールに対し、しっかりアジャストした打撃であった。

その裏、桐蔭のマウンドにはエース𠮷岡が上がったが、こちらは吉井以上に苦しい内容となる。先頭の1番水野を死球で歩かせると、内野ゴロで二進。ここから3番秋山、4番河口と連続四球を与え、たちまち1アウト満塁となる。まだどこかリリースの瞬間に力が伝わり切っていない印象であり、本調子ではない様子だ。続く5番立松は四球後の初球狙いの鉄則通り、真ん中寄りに入った速球を痛打すると、右方向へ鋭くはじき返した打球が1,2塁間を破り、三重がすぐさま同点に追いつく。さらに、6番前野のショートゴロが併殺崩れとなる間にもう1点を追加し、逆転に成功。初回から試合が大きく動く。

三重・吉井としては、持ち味の緩急を活かした投球でこのリードを守りたいところ。しかし、2回表に入っても大阪桐蔭打線に捕まる。

先頭の7番岡安こそスローカーブをうまく振らせて三振に取ったものの、8番中島に死球を与えると、9番小吹がカウント2-0と追い込まれながら真ん中寄りのスライダーをうまくライトは軽打し、1アウト1,3塁とチャンスを広げる。ここで1番仲原はインハイの速球を痛烈に引っ張り、サードを強襲するタイムリー内野安打で同点に追いつくと、2番中西の打席ではエンドランを敢行。中西が引っ張った打球は三遊間をしぶとく破り、スタートを切っていた2塁ランナーの小吹が生還して逆転に成功する。初戦は熊工の好右腕・の技巧的な投球にあれだけ苦しめられた桐蔭打線だが、この日は序盤からつながりを見せる。

一方、再びリードをもらった𠮷岡は、2回に入って落ち着きを取り戻し始めたか、持ち味の速球主体に三重打線を3者凡退に切って取る。守りからリズムを作り出した桐蔭は3回表に、1アウトから四球と7番岡安のカーブを捉えたヒットでチャンスメークすると、ここで沖田監督は先発・吉井を降板させ、2番手で右腕・船橋にスイッチ。立ち上がりからカーブにしっかり対応していた桐蔭打線を見ての判断だろう。試合前から描いていた積極的な継投を見せる。

船橋は代わり端のピンチを抑えたいところだったが、8番中島にセンター前へ落ちるテキサス性の不運なタイムリーを許し、4-2。さらに、4回表にも先頭の四球で出た2番中西が盗塁と捕手の悪送球で3塁に進むと、1アウト後、4番谷渕がカーブを右中間へはじき返し、タイムリー2塁打となって、3点差となる。三重の投手陣は緩急を使ってのかく乱を試みていたが、逆にしっかり対策をしてきた桐蔭打線につかまる結果となった。

5-2と3点差になり、これで大阪桐蔭ペースになるかと思われたが、立ち直りかけた𠮷岡が再び乱れてしまう。2アウトランナーなしから、8番松原を四球で歩かせると、続く9番中森にはカウント2-2からアウトコースの速球をうまく右方向へはじき返され、ライト線への2塁打で2アウト2,3塁とピンチを招く。ただ、この当たりは打った相手を褒めるしかない打球であった。しかし、この後、1番水野を打席に迎えたところで、𠮷岡に立て続けに暴投が飛び出してしまい、塁上のランナーが次々と生還。三重が1点差に迫り、一気に試合の行方は分からなくなった。

2球連続の暴投は長い高校野球の歴史でもあまり見た記憶がなく、それだけこの日の𠮷岡はリリースの感覚がいつものそれではなかったのだろう。𠮷岡は5回途中でマウンドを降り、両チームともに投手起用は総力戦の様相を呈してきた。

試合は後半戦に突入し、大阪桐蔭は、2番手で登板したサイド右腕の石原がシュート回転する癖球を武器に、三重打線の反撃を断ちに行く。ただ、それ以上に存在感を見せたのは三重の4番手で登板した速球派右腕・古川であった。左腕・吉井→右腕・船橋→左腕・皿井とつないできて、技巧派投手のボールに慣れ始めた桐蔭打線にとって、終盤8回にいきなり出てきた本格派投手の140キロ台後半の剛球は、わかっていてもバットが差し込まれてしまう。競り合いの中で沖田監督が打ってきた継投での勝負手。8回表の桐蔭の上位打線をしっかり抑えると、反撃の機運が高まってきた。

すると、8回裏、三重は1アウトから5番立松が粘ってフルカウントからアウトコースのスライダーを見事にとらえ、レフトへヒット。ここで、代走に俊足の中西を送り、打席には代打・清水と三重ベンチは勝負所と見て、手を打ってくる。この場面で桐蔭バッテリーに動揺があったか、清水に四球を与えて、1アウト1,2塁となると、さらに7番大西の初球が逆球となって暴投でランナーがそれぞれ進塁する。チャンスが広がったところで、7番大西に対し、三重ベンチはスクイズを指示。空振りになってしまうが、そのボールを捕手が捕球しきれずに転がる間に3塁ランナーが生還し、ついに試合は振り出しに戻ることとなった。

桐蔭は、ここで2番手でよく投げてきた石原を代え、3番手で左腕・小川をマウンドへ。西谷監督の方針で、この試合は2年生エース川本は登板させない意向だったか。小川は続くピンチを得意のスライダーで切り抜けると、9回裏は2アウト2塁とサヨナラ負けのピンチを招くが、3番秋山のレフト前ヒットを仲原が好返球で刺し、タッチアウト!バックの好守にも助けられ、試合は今大会6試合目の延長タイブレークへ突入した。

迎えた10回表、ここまで4番手・古川の速球に苦しめられていた桐蔭打線が得点をもたらす。やはり、タイブレークにはそれまでの流れを切り替える力がある。無死1,2塁で、8番中島を迎えた初球、古川の投球が高めに抜け、暴投となる間にランナーがそれぞれ進塁。無死2,3塁と絶好のチャンスを迎えると、中島は高めの速球を素直にセンターへはじき返し、3塁から黒川が生還。桐蔭が貴重な勝ち越し点を手にした。ただ、続くピンチを古川は速球主体の投球で封じ、追加点は許さず。最後の攻撃に望みを託すこととなった。

10回裏、三重の攻撃は4番河口から。無死1,2塁のため、バントの構えを見せたが、小川がインハイを突いた投球に思わず、バットが当たってしまい、打球は投手前に。これをブルドッグ守備で前に出てきたファースト大津が捕球し、そのままサード封殺!大きな大きな1アウト目を奪った。これで落ち着きを取り戻した、小川は徹底した速球勝負で後続を連続三振に打ち取り、ゲームセット!1点にしのぎを削る両チームの攻防は、三度大阪桐蔭が1点差で制す格好となり、準々決勝進出を決めることとなった。

まとめ

大阪桐蔭は、エース𠮷岡が本調子でない中、まさしく総力戦での勝利であった。三重の技巧派投手を引き付ける打撃で攻略した打線、延長10回を無失策で守り抜いた堅守、そして、エースの後を引き継いで試合を壊さなかった石原小川の両投手の好投の好投と、どれが欠けても勝利には至らなかっただろう。初戦は2年生左腕・川本の好投にすがる部分もあったが、2戦目にして3年生の野手陣・投手陣が地力のあるところを証明。難敵・三重を三度一点差で下しての勝利は、チームに大きな勢いと自信を与えるものとなった。

一方、三重は桐蔭打線の勢いを序盤に受けながらも、豊富な投手陣を活かした継投策で徐々に流れを引き戻すことに成功。特に、4番手・古川の投球は桐蔭打線を完全に制圧しており、終盤は完全に三重のペースで試合が進んでいたと言えるだろう。勝利まで、サヨナラのホームまであと一歩というところまで迫ったのだが、この日も、勝利の女神は桐蔭に微笑む結果となった。ただ、初戦の完封勝利に、この日の王者を相手にしての接戦と、投打で高い実力を証明で来たことは、大きな財産になったはず。2014年以来となる春夏連続出場へ向け、収穫の多い選抜大会となった。

【高校野球 甲子園】 大阪桐蔭(大阪)vs三重(三重) 甲子園が沸いた!タイブレークの大熱戦! 【第98回選抜高校野球 2回戦 全打席ハイライト】 2026.3.26 センバツ 

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