2023年選手権2回戦 神村学園vs市立和歌山(9日目第2試合)

2023年

大会9日目第2試合

神村学園

1 2 3 4 5 6 7 8 9
3 0 2 0 0 0 5 0 1 11
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

市立和歌山

 

神村学園    今村→黒木→松元

市立和歌山   川本→木村→小野→栗谷

2005年選抜の再戦となったカードは、序盤から神村学園打線が市立和歌山投手陣を攻略。持ち前の強打で相手投手陣を圧倒し、2017年以来となる3回戦進出を決めた。

試合

先発投手は市立和歌山が川本、神村学園が今村と両左腕の先発に。ともに1回戦で登板のない投手であり、互いに相手の裏をかこうという意図を感じる起用であった。市立和歌山としては栗谷小野のWエースにつなぐまでにできるだけイニングを消化したいところ。しかし、初戦で10得点の神村学園の強力打線が初回から川本に襲い掛かる。

1番今岡歩がいきなり死球で出塁。犠打で2塁へ進むと、3番秋元が初球、ストライクを取りに来たスライダーを痛烈に引っ張り、レフト線への2塁打!打者3人であっという間に1点を先行する。川本はすっぽ抜けるようなボールがあり、なかなか思ったような投球ができない。さらに4番正林が緩いボールをきっちり引き付けてライトへ引っ張るタイムリーとすると、5番岩下の四球を挟んで、6番上川床もセンターオーバーの2塁打を放つ。神村学園の走塁ミスで得点には至らなかったが、ここで半田監督川本をあきらめ、2番手で右腕・木村を登板させた。

川本とすれば、緩いボールを打たせる投球をしたかったが、制球に苦しみ、なかなか持ち味を発揮できなかった。市立和歌山としては、ここでなんとか止めたかったが、木村の暴投が飛び出し、この回3点目。神村学園がまずはがっちり試合の主導権を握った。

一方、リードを奪った神村学園の先発も大会初登板の2年生左腕・今村。1回裏、3四死球を与え、こちらもいきなりランナーをためて満塁としてしまう。やはり、甲子園の初回というのはそれだけ自分の実力を出し切るのが難しいのだろう。開始からお互いに荒れた展開となる。すると、ここで神村学園の小田監督が思い切って、左のエース黒木をマウンドへ。両チームとも先発投手が1回持たずという展開になる。黒木は難しい場面でカウント1-3と苦しくなるが、最後は6番大路を低めのスライダーで三振に打ち取り、きっちり仕事を果たした。

市立和歌山にとっては、エース格の投手に繋ぐまでにこれ以上の失点は防ぎたい。しかし、神村打線が打者二巡目に入り、その圧力に負けたのか、2番手・木村もなかなかストライクが入らなくなる。3回表、2アウトを取るが、ここからなんと3者連続の四球で押し出しによる1点が追加。ここで、ついにWエースの一人の小野をマウンドに送るが、小野も代わり端に四球を出し、連続押し出しで2点目。試合前、半田監督は5点勝負と踏んでいたが、思わぬ形でのリミット到達となった。

一方、リードを得た神村の左腕・黒木は安定したピッチングを展開。低めに落ちるスライダーの威力は絶品で有り、左投手特有の角度も効いて、市立和歌山打線がなかなかとらえきれない。同じ鹿児島の鹿実・杉内(ダイエー)を思い出すようなボールのキレ。低めに決まりさえすれば、このボールは容易にはとらえきれない。

しかし、市立和歌山も3番手で登板した小野が4回からは自分の投球を取り戻し、ようやく試合の流れを落ち着かせる。左手を高々とあげる独特のフォームからストレート主体に押す投球で、4回から6回までいずれも3者凡退。市立和歌山らしいリズムのある守備で、グランド整備直後の大事なイニングも無失点で切り抜けた。

すると、6回裏、打線が反撃に転ずる。4回、5回と右打者がヒットを放ち、得点にこそつながらなかったものの、徐々に黒木に対して合い始めてはいた。この回、先頭の5番大江がストレートを逆らわずにおっつけ、ライト線を破る2塁打で出塁。市立和歌山らしい逆方向への打撃だ。さらに、6番大路が死球で繋ぐと、犠打失敗で1アウトとなるが、黒木のボークで労せずランナーがそれぞれ進塁する。ここで、8番小野が自ら犠飛を放ち、3塁から大江が生還!待望の1点を奪う。

これで面白くなってきたかと思われたが、終盤7回、3番手の小野に対して打者一巡し、神村打線がその地力を再び発揮し始める。ここまで打者10人連続でアウトを奪われていたが、先頭の1番今岡歩のセンター前ヒットが号砲だった。犠打で二進後、3番秋元・4番正林が連続四死球で満塁に。鹿児島大会でサヨナラ弾の勝負強い5番岩下がきっちり犠飛を放って1点を追加すると、6番上川床・7番松尾龍・8番松尾大と3者連続のタイムリーが飛び出し、10-1。神村打線の破壊力をまざまざと見せつけた、この回の攻撃で勝負あった。

神村学園の黒木は結局、8回を投げて8奪三振の好投。必殺の変化球を持つ強みを最大限発揮し、エース松永を温存することにも成功した。2戦連続で地元・近畿勢に大勝し、同校としては初となる夏の甲子園2勝目を挙げ、3回戦へとコマを進めた。

まとめ

神村打線は、初回から相手投手陣の制球難に助けられたとはいえ、自慢の打線が火を噴き、試合の流れをものにすることに成功した。上位から下位まで軸がぶれず、シャープに振り切るため、速球・変化球の組み合わせで抑えることがなかなか難しい。2年生も多く並びが、打撃内容は成熟した感を覚える打線である。立ち上がりから相手投手に落ち着きを与えない鋭さは他校にとって脅威となるものであった。

また、投げては2番手で登板した左腕・黒木が躍動。スライダーは打者の手元で鋭く音を立てて落ちるため、相手打者にとっては目の前で消えるような感覚のボールだっただろう。右のスリークオーターの松永と継投となれば、またさらにその威力は増すはずだ。高い総合力を持つ南国の雄が、一躍その存在感を増し始め、16強へと駆け上がった。

一方、市立和歌山としては持ち前の守りの野球をみせたかったが、やはり大舞台で初登板の投手が力を発揮するのは難しいことだったのだろう。総力戦で挑んだが、神村打線の破壊力に屈する格好となった。ただ、打線は好左腕の黒木から1点を返し、最後まで粘っこく食らいつく姿勢は見せた。県内で智辯和歌山と並ぶ強豪の地位を確立しているチームの意地を見た思いであった。

【2023夏の甲子園✨】市立和歌山VS神村学園❗️強打の鹿児島代表が圧倒的な内容😳【高校野球】【はるきチャンネル】【第105回全国高校野球選手権大会】 – YouTube

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