2026年選抜1回戦 東北vs帝京長岡(5日目第1試合)

2026年

大会5日目第1試合

東北

1 2 3 4 5 6 7 8 9
2 2 0 0 0 0 1 0 0 5
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1

帝京長岡

 

東北    金沢→市川→狩野→石崎

帝京長岡  工藤→西脇

伝統校と初出場校という対照的な顔合わせとなった第1試合は、東北が帝京長岡の左腕・工藤の制球難につけ込み、2回までに4点を奪取。小刻みな継投策でこのリードを守り切り、選抜では2004年以来となる初戦突破を果たした。

試合

東北は多彩な投手陣を擁する中、左腕の金沢を先発に指名。一方、帝京長岡は初出場の原動力となった2年生左腕の工藤が満を持して先発のマウンドに上がった。

しかし、その工藤が立ち上がり、甲子園の洗礼を浴びる形となる。俊足の1番松本をストレートの四球で歩かせると、暴投で2塁へ。2番荒川は三振に切って取り、3番進藤の打席では松本の三盗を帝京長岡の捕手・松本の好送球で刺し、2アウトランナーなしとなるが、なかなか落ち着くことができない。3番進藤に粘って四球をもぎ取られると、4番矢野は初球攻撃でセンターへ打ち返す。ストレートがどうしても高めにふいてしまい、カウントを整えられない。ここから3者連続の四死球で押し出しによる2点を献上。思わぬ立ち上がりとなってしまう。

その裏、東北の左腕・金沢は緩いチェンジアップを武器に、1番富田を見逃し三振。2番新井にはヒットを許すものの、長打力のある3番川村をセカンドライナーに打ち取り、大事な初回を無失点でしのぐ。

なんとか早く落ち着きを取り戻した帝京長岡・工藤。しかし、2回表も先頭の8番清水に打ち取った当たりながらもテキサス性のヒットとされ、リズムを作れない。さらに、9番の犠打が悪送球となってしまい、無死1,3塁となると、1番松本はきっちり犠飛を打ち上げて、3-0。さらに、2アウト後、3番進藤はアウトコースの緩いボールをうまく右方向へ打ち返し、2塁ランナーを迎え入れてこの回も2点を挙げる。選球眼よく攻める東北の攻撃陣が実にそつなく得点を奪う。

工藤をなんとか援護したい帝京長岡打線。2回裏に記念すべき瞬間がやってくる。先頭の4番松山は木製バットの使い手だが、カウント2-2からアウトコースのスライダーをうまくセンターへ返し、出塁。5番木戸は死球でつなぐと、6番鈴木・7番松本が連続でショートゴロを打つ間に、ランナーはそれぞれ進塁し、松山が記念すべき甲子園初得点のホームを踏む。しかし、続く2アウト3塁のチャンスで仕掛けたホームスチールは失敗。思い切った作戦ではあったが、東北守備陣が落ち着いて対処した。

1,2回と崩れた工藤だが、3回のピンチで東北のスクイズを阻止すると、4回は3者凡退と自分の投球を取り戻し始める。元来、右打者の内角を突く強気の投球が持ち味だが、この日は制球に苦しみ、立ち上がりにその良さが出なかったことが悔やまれた。

一方、2回に1点を失った東北・金沢だが、3回からは再び自分の投球を取り戻す。ストレートは球速こそ120キロ台だが伸びがあり、さらに緩いスライダーとの緩急さがついた投球で帝京長岡打線を翻弄する。自分の球速帯に相手を引き込み、スライダーで追い込んで、最後はキレのある真っすぐで勝負。技巧派のお手本と呼べる投球を見せ、5回2アウトからヒットを許すまで9人連続でアウトを重ねた。

帝京長岡は、5回表、先頭打者に四球を出したところで、工藤から2番手の左腕・西脇にスイッチ。芝草監督も決断に迷っただろうが、ここはチームの選択であった。その西脇は左サイドから横の角度を活かした投球が武器。左打者からすると、背中から来るような球筋であり、初見ではなかなか攻略は難しいだろう。互いに左の技巧派投手が好投を見せ、試合は後半戦へ突入していく。

グランド整備を終えて臨んだ後半戦。ここから東北・我妻監督は多彩な投手陣を活かした継投を見せる。6回裏は右腕・市川が四球のランナーこそ出すものの、後続を三振に打ち取り、無失点。バランスのいいフォームから右打者の内角へもきっちり制球し、小気味いい投球を見せる。7回表に、3番進藤と4番矢野の連打から内野ゴロの間に1点を返すと、7回裏からは3番手で右腕・狩野にスイッチ。昨秋の東北大会で無安打投球を演じた本格派右腕は、自慢の速球を武器に相手打線をねじ伏せ、守りのリズムを作った。

そして、最終回は4番手で右腕・石崎をマウンドへ。こちらも狩野と同様に速球が武器であり、角度のあるボールを投じて、真っ向勝負を挑んだ。直球主体に攻める投球で1番富田、2番新井を打ち取ると、3番川村にはヒットを浴びたものの、最後は4番松山をカーブで打たせて3塁ゴロとし、ゲームセット。東北がそつのない攻撃陣と多彩な投手陣がかみ合って帝京長岡を退け、5-1と完勝で初戦突破を果たした。

まとめ

東北は、1,2回と相手の四死球やミスをうまく生かした攻めで4点を奪取。特に1回表は盗塁失敗でいったん2アウトランナーなしとなったが、そこから攻撃を組み立てなおし、押し出しで2点を奪ってみせた。初回だけで5四死球を奪う結果となったが、これは工藤の不調があったとはいえ、東北の各打者の選球眼の良さの現れでもあった。

また、投げては特徴の違う4投手をつないで帝京長岡打線を4安打1失点に抑えた。特に、先発の左腕・金沢は緩いボールを活かして相手打者を翻弄。我妻監督があるいは、金沢が一番相性がいいと思ったのかもしれないが、5回まで投げ終えてまともにとらえられたヒットはほとんどなかった。攻守にそつのなさが光る伝統校が、久々につかんだ選抜の1勝。ここから乗っていくことはできるか。

一方、帝京長岡は初めての大舞台で序盤にやや浮足立ってしまったことが悔やまれた。失点のほとんどは四死球やミスが絡んだものであり、打たれて取られた点は7回の1点くらい。それだけ、試合の入りとは難しいものなのだろう。打線も東北投手陣の小刻みな継投の前に3回以降は得点を奪えなかった。

ただ、敗れはしたものの、工藤をはじめとしてスタメンの大半を2年生が占める若い布陣となっており、これから3回は甲子園に帰ってくるチャンスがある。今回の教訓を生かしてのリベンジなるか、今後の戦いに注目だ。

【高校野球 甲子園】 東北(宮城 )vs帝京長岡(新潟)  【第98回選抜高校野球 1回戦 全打席ハイライト】 2026.3.23  センバツ 

 

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